紀行エピローグ・写真随筆 19

紀行エピローグ3=敦煌・哈密地区=

エピローグⅢー10-1

上の写真はベゼクリク千仏洞のテラスです。 火焔山の北側・背面の山服に在り、朝夕は周囲が赤く染まる。

さて、ウイグル料理である。 東トルキスタンを中心に生活するウイグル人の民族料理であるといえばかんたんだが・・・・・・・

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【概要】

ウイグル人の食文化は、オアシスの農耕と牧畜、およびテュルク(トルコ)系民族の歴史が基盤になっていのはお判りでしょう。

特に、地理的にも隣接するウズベク人やカザフ人と共通した料理が多いのです。 また、食材、調味料、調理法などに、回族や漢族からの影響も見ることができます。

ウイグル料理は清真料理(ムスリムの料理)であり、必ずハラールの食材を用いる。

《イスラム法で許された項目をいう。主にイスラム法上で食べられる物のことを表す。  反対に、口にするのを禁じている物をハラームと言い、この語は「禁じられた」 という意味です。  厳格な教えですね・・・・》

その意味で、中国料理の地域区分として、漢族やシボ族などのムスリムでない民族を含め、27にも及ぶ多民族の料理を内包する新疆料理(中国語「新疆菜」)とは、正確には異なる概念でしょう。

《回族;回族の起源は、対外交易が盛んであった唐から元の時代に、中央アジア・印度洋を経由して渡ってきたアラブ系・ペルシャ系の外来ムスリムと、彼らと通婚し改宗した在来の中国人(漢族)にあると言われている。 現在約一千満人 》

しかし、新疆ウイグル自治区の人口の46%を占め、最も比率が高いウイグル族の料理がその代表として取り上げられ、混同されることは少なくないといえます。 一流ホテルでも混乱したメニューで供されています。

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ウイグル人の喫食は、一度にまとまった量を食べる「食事」のタマクと、紅茶を中心にナンや果物、ナッツなどを軽く食べる「喫茶」のチャイに大別されます。

主食は小麦と米で、トウモロコシ等も補助的に食べます。 肉類は羊肉が主に食され、牛肉や鶏肉もよく用いられます。 地方によっては鹿肉や鳩などの野鳥も食用にされている。

野菜も豊富に用い、トマト、ニンジン、タマネギ、大根、ナスなどがよく使われます。 香辛料として、唐辛子、クミンが多用され、ショウガ、花椒、フェンネル(和名はウイキョウ・茴香)、カルダモンなども用いる。

※クミン ; カレー粉に配合されるため、カレー様の特有の香りとわずかな辛味をもつ

フェンネル ; 和名はウイキョウ・茴香

カルダモン ; 最も古いスパイスのひとつ。 種子の乾燥品は香辛料として用いられ、カレー料理にはかかせないスパイスのひとつとされる

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同じテュルク系民族であるトルコのトルコ料理と比べると、トルコ料理のように魚介類をも多用することはなく、トルコよりも限られた種類の野菜や果物を工夫して用いるなどの違いもあるようです。

ウイグル人は、独自のウイグル医学という体系を持っており、これに基づいて、健康維持をするためによいと考えて 食べる一種の薬膳料理も持っています。

生薬を茶に加えて飲んだり、イチジクなどのジャムや各種のナッツを炒って作る粉状の食品を積極的に取って、栄養の偏りがないようにし、ヨーグルトや季節の果物をよく食べることで、長寿を得ているのでしょう。

なお、テュルク系のムスリムであるウイグルには酒の文化もあり、ザクロなどの果物を原材料とした酒類も醸造する。しかし、イスラム教のクルアーン(コーラン)で飲酒を禁じているため、禁酒するウイグル人も少なくなく、飲酒にも場所や作法などのマナーが見られます。

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【歴史】

テュルク系遊牧民である回鶻は4世紀ごろから中国史上に現れ、唐代の745年にはモンゴル高原にウイグル可汗国回鶻を建国した。 遊牧民族であるウイグルは家畜を主な食料とし、その乳から作る乳製品(酪や馬乳酒)も重要な食料であった。

840年にウイグル可汗国が崩壊すると、大多数のウイグル人は中央アジアや天山山脈北東に移動し、カラハン朝や天山ウイグル王国を築いた。この両国が数世紀にわたってタリム盆地を2分して支配したため、タリム盆地のテュルク化は一気に進んでいったのです。

現在の東トルキスタン(新疆地区)は、南部のタリム川流域、ホータン周辺などの地域が肥沃であり、各種の果物が取れたことから、徐々に各地に定住するようになり、中東からもたらされていた小麦の他、粟、えんどう豆などの栽培をするようになって行きました。

6世紀ごろの旱魃でいったん廃墟となったホータン周辺であるが、もともとはオアシスがあって都市国家が繁栄していたのです。 再興も早く 近隣から 石臼なども多く出土し、専門家の分析では この頃までに小麦栽培が行われていたことが伺えます と言います。

ウイグル人は1060年代にイスラム教を国教として受け入れ、コーランに示された規律にしたがって飲食を含む全ての生活を行うようになったが、この頃 小麦粉を主食とし、羊肉や野菜を食べる農耕主体の生活に移っていたようです。

タリム盆地はシルクロードが通っている場所であることから、唐代以降東から伝えられた中国の各種食品、調味料、炒め物などの調理法の影響を受けて多様性を持ち、現在のウイグル料理、あるいはウイグル人の食生活の姿になったと考えられるのです。

ウイグル可汗国時代に乳製品(酪や馬乳酒)が漢人に伝わり、肉料理と小麦粉の活用法が伝播して行ったのです。 漢中は米の文化圏でした。

また、テュルク系の民族が天山ウイグル王国の出現に伴い 西に移動して行くことで ウイグルの遊牧民の食文化が西方に伝播・影響を与えて行ったようです。 製紙法が伝播すると共共に・・・・

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≪小麦料理 の主料理≫

・ナン - 焼いて作るパンの総称であるが、生地を円盤状にのばし、ゲズネと呼ばれる板を使ってトヌルと呼ばれるかまどの内側に貼り付けて焼くものが主流。 円形でインド・ナンとは異なる。 大きなものはカクチャ(80cm程度、クチャ地方)、小さなものはトカチ(20cm程度)。

模様を押し入れたものはアク・ナンと呼ばれ、一般的。 小刻なネギを入れ、ゴマを塗したナンもある。 家庭の食卓の上に常時保管され、基本的に茶やスープと共に食べる。硬くなりやすいため、割ってからこれらに漬けて食べることも多い。

・ザグラ – トウモロコシで作った、トルティーヤ(メキシコのパン)のようにパリパリのパン。

・シルマン – ウイキョウ(フェンネル)を入れた大きなパン。法事の際に食べる。

・ポシュカル – 発酵させた生地に塩を加えて丸く成形し、中央に二本の切れ目を入れて揚げる揚げパン。 法事の際にも調理される。 漢族の長い揚げパン「油条子」はウイグル料理が伝承、ウイグルの家庭ではユタザと称し 法事・新年・新月に食べる。

・サンザ – ねじり揚げうどん。トウガラシを錬りこむものもあるが、茶菓子、朝食として食べる。 中国語の「?子」が語源だが、ウイグルから伝承した様子。

・マンタ – 肉・野菜などで作った具を生地で包み、蒸し上げた料理。 中華まん(包子、パオズ)の一種で、語源も中国語の「饅頭」。 生地を発酵させたものをボルク・マンタ)、無発酵の生地を用いたものをベティル・マンタと呼ぶ。 肉まんのゴシ・マンタ、ポロを包んだアシ・マンタ、カボチャを用いたカワ・マンタ等の種類がある。

・モモ – 具のない中華まん。 マントウ。 中国語の「??」が語源。 尚、チベット料理でモモは小さい肉まん を指します。

・ホーシャン – 揚げ肉饅頭をさらに蒸す料理。

・チョチュレ – 肉とタマネギやアルファルファなどの野菜で作った具を生地で小さく包んだものを、スープに入れた料理。 手間のかかる料理であり、客人のおもてなし用にも調理される。 見事な家庭料理です。

・サムサ – 煉瓦の釜で焼く羊肉の饅頭。 インドのサモサより、むしろ台湾の「胡椒餅」に似るが、中国語で「烤包子」と呼ばれる。

・ゴシナン – フライパンで焼く、羊ミンチ肉を挟み込んだ平たい円盤状のミートパイ。 回族や漢族は「肉餅」という名で類似のものを作っています。

・ラグメン – まぜ麺。 塩を加えた生地を両手でひき伸ばして作ったうどんの様な麺を釜ゆでし、トマト、タマネギなどの野菜と肉を炒めた具を作り、食べる時にあえる料理。 中国語では「拌面」。 食後に麺のゆで汁を飲む習慣がある。

・ユグレ – 卵入りの生地で作った細い麺を、羊肉を長時間煮込んだスープに入れたラーメン風の料理。 伝統料理で、スパゲッテーの祖です。

・ボソ – 焼きうどんの一種。 四角く薄いうどんを使う。

・スイカシ – 肉野菜のスープに、太い麺状に伸ばした生地を指で小片状にちぎって入れるすいとん。 宴会の後の夜食などにも調理される。

・タルカン – 麦焦がし。 チベットのツァンパ。

・トルマル、 カッテリマ、 ヤップマナン等のパン製品が在りますが イースト菌は使わないようです。

さすがに 大阪府立大学・中尾佐助教授(ヒマラヤ登山で資料の拝借等で大変お世話に成った)が言われる“猿股・麦文化圏”の食生活ですね。

文字数制限で 【米料理】・【肉料理】・【茶請け、菓子】・【飲み物】・【食事の作法】は 明日 お話しましょう

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                         *当該地図・地形図を参照下さい

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