探検家・冒険家 =3-①=

環境保護活動家 = マイケル・フェイ =

~アフリカの密林を横断して~

マイケル-1-

最終目的地であるガボン南西部、大西洋の岸辺まであと30キロ余り

中央アフリカの熱帯雨林を巡り歩いてきた旅の453日目

マイケル・フェイを立ち止まらせたのは、滑らかな黒い水面だった

湿地の森は雨季で小さな湖となり、足が立つかどうかわからず、どこまで続くのかも見通せない

押し渡るか、迂回路を探すか

踏破距離3,200キロに及んだ「メガトランゼクト

そのほとんどの行程がこのような障害の連続だった

環境保護活動家のマイケル・フェイは歩く

カリフォルニアのレッドウッドの森林で1000キロ以上もの距離を歩き

貴重な生態系を守る必要性を訴え続ける

マイケル-6-

  「メガトランゼクト」は、ニューヨークに本部を置く野生生物保護協会(WCS)とナショナルジオグラフィック協会(NGS)による共同プロジェクトで、コンゴ共和国から隣国ガボンにかけて広がるコンゴ盆地の熱帯雨林の植生と生態系を調査するために実施された。

 調査を率いたJ・マイケル・フェイは、1990年からWCSを活動のベースにしてきた生態学者・環境保護活動家で、NGSの協会付き探検家でもある。

  コンゴ盆地、アマゾン、ボルネオ・メコンを三大熱帯雨林と呼ぶことがある。 コンゴ盆地は面積およそ200万平方キロ(370万とする資料もあり)、ほとんどが手つかずの原生林である。

 アフリカの野生生物種の半数がいると言われ、国際自然保護連合(IUCN)も以前からこの地域を、生物多様性保護対象としてトップ・プライオリティの一つに挙げていた。

 「メガトランゼクト」プロジェクトの目的は、フェイが「アフリカの最後の宝物」と呼ぶ広大な原生林に世界の注目を集め、保護の必要性を訴えることにあった。

 プロジェクトの大きなきっかけのひとつは、フェイとも親交があったひとりの自然保護活動家だった。

  「もう亡くなってしまったが、ジュゼッペ・バッサーロというイタリア人がいて、この一帯がガボンで最も素晴らしい森であるため、国立公園に指定したいと働きかけていた。

 彼はそのためにロビー活動をし、大勢の人を巻き込もうとしていたが、残念ながらガボン政府を動かすまでには至っていなかった。 私も彼と共にその一帯上空を飛んだことがある。 そして、メガトランゼクトで実際にその地を足で歩いた」。

 ※;ガボン共和国、通称ガボンは、中部アフリカに位置する共和制国家。 北西に赤道ギニア、北にカメルーン、南と東にコンゴ共和国と国境を接し、西は大西洋のギニア湾に面している。首都はリーブルヴィル。

国土の80%以上が森林で、近隣諸国と比べ人口密度が低いため、手付かずの豊かな自然が多く残されている。アフリカ森林には、ゾウ、ゴリラ、チンパンジーなどの大型哺乳類が多数生息している。

多様な自然環境をふくむ、13の国立公園がある。国立公園の総面積は実に国土の11%を占める。 ガボン政府は、自然環境の保全に力を入れており、中部のロペ国立公園や、大西洋岸のロアンゴ国立公園ではエコツーリズムが導入されている。

また、南西部ニャンガ州に位置するムカラバ-ドゥドゥ国立公園(Parc National de la Moukalaba-Doudou)では、日本人研究グループによる大型類人猿の長期野外研究プロジェクトが進められている。 また、2007年にのロペ=オカンダ生態系と残存文化的景観が複合遺産として世界遺産に登録された。

気候は熱帯モンスーンで、首都リーブルヴィルの降雨量は雨季の9~5月が毎月約300mmだが、乾季の6~8月は3ヶ月で35mmと極端に少ない。 1日の最高気温は平均29~30度C、最低気温は20~23度Cである。

 “ガボンの名誉顧問”と言われたバッサーロは、進行中の伐採事業がガボンの森を取り返しのつかない状態にしてしまうことを危惧していた。

 「メガトランゼクト」についてもアドバイスを与えていたが、フェイがプロジェクト途上にあった2000年3月、その完了を見届けることなく、国立公園の“名誉顧問”にも就任せぬまま、交通事故で死去する。

マイケル-2-

 「メガトランゼクト」中、プロジェクトメンバーの一人が泥沼にあごまで浸かりながら水中を進む

ガボン ロアンゴ国立公園にて、J・マイケル・フェイのメモ

           Best 最高の経験

  忘れ難いのは、密漁の現場を押さえた日のことだ。 写真家のマイケル・ニコルズがキャンプを張っているムーバニ川入り江に向かって、岸沿いを船で南に進んでいた時、信じられない光景が目に入った。 中国のトロール網漁船が2隻、沿岸で堂々とトロール網漁をしているではないか。

怒りで体がかっと熱くなり、船を岸辺に向けた。 5分ほどたつと、漁船は網を引き上げ、速度を全開にして沖合に逃げようとしている。 しかしすでに私たちは、彼らのすぐそばまで近づいていた。 私は密漁者たちに向かって怒号を浴びせ、当局に通報した。 中国人たちは私たちの正体を知って慌てふためき、やがて海の向こうに姿を消した。

           Worst 最悪の体験

 中国の密漁船を追い払う数日前、ヌゴブ入り江で4隻の中国漁船を見かけた。 彼らは2日間にわたって、入り江を縦横に移動して魚を獲っていた。 海の中でどれほどの命が奪われたか、その打撃を回復するのにどれほどの歳月がかかるか、私には想像もつかなかった。

           Quirkiest 最も奇妙な思い出

 ニウングー川をカヤックでさかのぼっていた時のこと。 パピルスの茂る沼地を進んでいくうちに、この世の場所とは思えないほど美しい、木々の茂る湿地に出た。水音が聞こえて、木々の間を縫うように奥へ進むと、水面に大きな生き物の泳いだ跡のV字型の波が残っていた。

ニシキヘビかと思って近づいてみると、水面に角ばった鼻が突き出て、やがてマナティーが姿を現した。 マナティーは水中からほぼ全身を出して、岸沿いの草を食べ始めた。 2秒ほどの出来事だったろうか。 私に気づき、驚いたように姿を消した。

私がマナティーを見た、最初で最後の体験だ。 アフリカの人々はマナティーを人魚と信じて いるが、その理由が分かるようになった。

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・・・・・・続く・・・・・・

                         *当該地図・地形図を参照下さい

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