探検家・冒険家 =7-①= 

古海洋生態学者 = エンリック・サラ =

~手つかずの美しい海を守るために~

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

 サンゴ礁の海に暮らす魚と言われてイメージするのは、水槽で飼いたくなるような色鮮やかないわゆる熱帯魚の群れだろうか。

獰猛なサメの群れをイメージする人はまずいないだろう。

 海洋のバイオマスピラミッドでは、少数の大型捕食魚が頂点に君臨し、群れ泳ぐ小型の魚などはその下に位置する。

 近代科学では、海の生態系はそうしたシステムだと長年考えらえてきた。 しかし、エンリック・サラたちがキングマン・リーフで見た世界は、それとはまったく違っていた。

※; キングマン・リーフ(キングマン岩礁、Kingman Reef)とは、北太平洋の北ライン諸島北端部、最も近くにあるパルミラ環礁の北北西およそ 65 キロメートルに位置(北緯6度24分 西経162度24分)する底辺 15 キロメートル、高さ 7 キロメートルほどの三角形もしくは「おむすび型」の環礁。

東端部の僅かな部分(海抜 1 メートル未満)のほかは水没状態にあるか波に洗われている。 中央部の礁湖(最大水深は 70 メートル以上)を含めた環礁の面積は 60 平方キロメートルほどになる。

米国の非自治的未編入領域であり、米軍が統轄している。住民はおらず、現在は上陸は禁止されている。

1798年アメリカのエドモンド・ファニング船長によりリーフは発見された。1853年にはキングマン船長により再発見され、リーフをアメリカの領土と宣言した。リーフの名はキングマン船長の名に因んでいる。

サラー2-

キングマン・リーフ: 本来の海の自然

  ホノルルの南1,720キロ、ほぼ赤道直下の北緯6度23分に、石灰岩とサンゴでできたキングマン・リーフはある。 東西18キロ、南北9キロ、周囲50キロほどの三角おにぎりのような形で、海上に出ている“陸地”は南東部の2カ所を合わせて1万2,000平方メートル(サッカーコート2面分程度)、最大標高は1.5メートルに満たない。

 白くなったサンゴのかけらに貝殻が混じる陸地に淡水源はなく、植物は生えない。 むろん住む人はなく、周辺で漁船を見かけることもない。

 しかし、殺風景な地上から海に入ると、まれに見る多様性豊かな自然が広がっている。

 色鮮やかなさまざまなサンゴで埋めつくされた海底は下地が見えないほどで、その上を、またサンゴの合い間をチョウチョウウオやスズメダイをはじめ、やはり色とりどりの熱帯魚が泳ぎまわる。

 美しい熱帯のサンゴ礁のイメージ通りだが、キングマン・リーフにはその先がある。

 「実際に行ってみると、本来の自然の世界は正反対だということがわかった。 ピラミッドは逆転していた。 キングマン・リーフでは生物量の85%が大型の捕食動物だ。 捕食動物が多いということは、その他のすべても多いことを意味する」。

サラー3-

 サンゴ礁を好むためリーフ・シャークと呼ばれる数種類のサメ、1メートルを超えるレッドスナッパー(バラフエダイ)など、海の食物連鎖の最上位捕食者である大型魚が文字通り群れをなしているのだ。

 キングマン・リーフでは、こうした捕食動物がフィッシュ・バイオマス(魚類の生物量:個体数ではなく重量換算)の85%を占める。 しかもその4分の3がサメだ。 アフリカのサバンナに置き換えれば、体重200キロのヌーかシマウマ1頭に対して同じ体重のライオンが5頭いることになる。

 これで生態系が成り立つのか不思議に思えるが、鍵は連鎖の下位にいる生物の繁殖サイクルと成長速度にある。

 リーフシャークやレッドスナッパーの餌となる小型魚、甲殻類、貝類などが、食べられるのと同程度のスピードで繁殖・成長することで生態系のバランスが保たれている。

 多いのはサメだけではない。 サンゴの種類は38属130種と、ハワイ周辺のサンゴ礁の3倍におよぶ。 浅いところには、微生物などを取りこんで海水を濾過する働きを持つジャイアントクラム(オオシャコガイ)の“舗道”が続く。

 サラは、「これほど条件のそろったサンゴ礁は世界でも50ほどしかない」という。

サラー4-

クリスマス島: 見慣れたサンゴ礁

 キングマン・リーフの南東にパルミラ環礁があり、その先に環礁でできた3つの島があって、合わせて北ライン諸島を構成している。

※; パルミラ環礁 (Palmyra Atoll) は中部太平洋北緯5度53分 西経162度5分にある環礁。ハワイ諸島の南南西およそ 1600キロメートルに位置し、北ライン諸島に属する。

環礁の周囲はおよそ14.5キロメートルで、ウェストラグーン (West Lagoon) と呼ばれる礁湖は唯一停泊が可能である。広大な暗礁、二つの浅い礁湖、および50あまりの砂やリーフの小島や砂洲から成り、そのほとんどはココヤシ(外来種)、スカエボラ、ピソニアなどの植生に覆われている。

西端のサンド島と東端のバレン島を除き、全ての小島は繋がっている。 最大の島は北側のクーパー島で、南側のカウラ島がそれに次ぐ。 年間降水量は4445ミリメートル、日中の平均気温は年間を通じて摂氏29.4度ある。

 北側の2つの環礁がアメリカ領、南側の3島はキリバス領。 エ ンリック・サラは、2005年と2007年の2回に渡って北ライン諸島周辺の海を調査した。

 キングマン・リーフでの“本来のサンゴ礁”の発見もその中でのことだ。

 キリバス領の3島には定住者がいる。 20世紀初頭には3島合わせて300人ほどだった人口が、現在は9000人前後。 キングマン・リーフから約750キロ、一番南にある最大のクリスマス島には5000人余りが住む。

 サンゴ礁の島としても最大級のクリスマス島は、“キャプテン”・ジェームス・クックが1777年のクリスマスイブに発見したことから名づけられた。 キリバス語ではキリスィマスィ(Kiritimati)となる。

サラー5-

 ※; ジェームズ・クック(James Cook, 1728年10月27日 – 1779年2月14日)は、英国の海軍士官、海洋探検家、海図製作者。 通称キャプテン・クック (Captain Cook)。

一介の水兵から、英国海軍の勅任艦長(英語版) (Post Captain) に昇りつめた。

太平洋に3回の航海を行い、オーストラリア東海岸に到達、ハワイ諸島を発見し、自筆原稿による世界周航の航海日誌を残し(第2回航海)、ニューファンドランド島とニュージーランドの海図を作製した。史上初めて壊血病による死者を出さずに世界周航を成し遂げた(第1回航海)。

10代を石炭運搬の商船船員として過ごした後、1755年に英国海軍に水兵として志願し、七年戦争に加わった。船員としての能力を認められたクックは1757年に士官待遇の航海長(英語版)に昇進し 、英国軍艦Solebay号の航海長として、セントローレンス川の河口域を綿密に測量し海図を作成した。

クックの作成した海図はウルフ将軍のケベック奇襲上陸作戦(1759年)の成功を導き、クックの存在は英国海軍本部と英国王立協会に注目されることとなった。 クックは南方大陸探索の命を受けて、英国軍艦エンデバー号を指揮し、1766年に第1回航海に出帆した。

クックは多数の地域を正確に測量し、いくつかの島や海岸線をヨーロッパに初めて報告した。 クックの幾多の偉大な功績をもたらしたのは、卓越した航海術、すぐれた調査と地図作成技術、真実を確かめるためには危険な地域も探検する勇気(南極圏への突入、グレートバリアリーフ周辺の探検など)、逆境での統率力、海軍省の指令の枠に納まらない探検範囲と気宇の壮大さ、これらのすべてであったと言えよう。また壊血病の予防に尽力し表彰されている。

第3回航海の途上、ハワイ島で先住民との争いによって1779年に落命した。

ジェームズ・クックの軌跡 後節に記載・ご参照=

・・・・・・続く・・・・・・

                         *当該地図・地形図を参照下さい

—— 姉妹ブログ 一度、訪ねてください——–

【疑心暗鬼;民族紀行】  http://bogoda.jugem.jp

【浪漫孤鴻;時事心象】  http://plaza.rakuten.co.jp/bogoda5445/

【閑仁耕筆;探検譜講】  http://blog.goo.ne.jp/bothukemon/

【壺公慷慨;世相深層】  http://ameblo.jp/thunokou/

※ 前節への移行 ≪https://thubokou.wordpress.com/2013/08/01/

※ 後節への移行 ≪https://thubokou.wordpress.com/2013/08/03/

ブログランキング・にほんブログ村へ クリック願います 

広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中