探検家・冒険家 =19-①= 

日本庭園の求道者 = 福原成雄 =

~  日本庭園の美に恋をして ~

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【 コリン・ジョイス(東京)  “素晴らしい日本人” 記載文 】

園芸の世界で最高の権威と伝統を誇るイギリスのチェルシー・フラワーショー。 チェルシーの最優秀ガーデン賞は造園家にとって最高の栄誉とされる。

福原成雄は01年にその栄誉に浴した。 出品作のなかにはチャールズ皇太子の委嘱した庭もあったが、それらを制しての堂々たる受賞だった。

もっとも福原の名を広めたのはこの賞だけではない。 大阪芸術大学環境計画学科で教壇に立つかたわら、ガーデニングの本場イギリスをたびたび訪れ、日本庭園の「伝道師」として活躍している。

イギリス人の日本庭園好きは今に始まったものではない。

イングランド北部のタットン・パークをはじめ、日本庭園は100年も前からあった。 ただし、残念ながらこうした初期の日本庭園には、東西の様式の奇妙な折衷や、中国式と日本の混同が見受けられる。

庭づくりの背景にある自然観が理解されないまま、デザインの一部だけが採り入れられたケースもある。 「赤い鳥居と赤い橋があれば日本庭園だと思われていた。本来は、自然の景観を生かすことが大切なのに。灯籠1つにもちゃんと役割がある」と、福原は語る。

チェルシーに共同出品した「リアル・ジャパニーズ・ガーデン」は、日本の庭づくりの三様式である枯山水、露地、池泉式を合わせたもの(福原は枯山水を担当)。 今は永久保存のガーデンである。

福原_02

造園業者への技術指導も

福原の設計を形にしたイギリスの造園業者スティーブン・スワットンは、「この仕事をしたことを名誉に思う」と話す。「彼は日本庭園の伝統を伝えるだけではない。設計図に託した思想をきちんと具現化できる」

材料の調達には苦労した。福原チームはこけむした石を求めてイギリス中を回った。植木はオランダから運ばせた。幸い今ではイギリスにも日本庭園に欠かせない地衣類を扱う園芸店がある。

ウィズリー・ガーデンやキュー・ガーデンの日本庭園を設計したのも福原だ。タットン・パークの日本庭園の修復も手がけた。修復にあたっては、日本の様式としては奇妙な配置もそのまま保存するよう依頼された。「迷わず引き受けた。(折衷様式も)造園の歴史の一コマなのだから」と、福原は言う。

福原はガーデニング好きのイギリス人相手に講演やワークショップを行うほか、自分が設計した庭園を維持してもらうため現地の造園業者の技術指導も行っている。「何かを創造し、それを評価してもらい、自分のもつ知識を学びたい人に与えられる――こんなに幸せなことはない」と福原は言う。

彼の設計した庭を散策することは、それ以上の幸せだろう。

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現実世界の喧噪から、一歩、敷地の中に踏み入ると……

そこには、理想郷の風景を思い描いた、小さな宇宙が広がっている

遠い彼方に、まるで水墨画に描かれたような険しい峰がそそり立つ、深山幽谷の景色――。

長い風雪を経て、趣き深い表情が刻まれた、たった一つの自然石で、そびえる山を表し――。

一滴の水も使わず、白い砂利を敷き詰めて、茫洋(ぼうよう)たる水辺を表現している――。

 これは、『枯山水』と呼ばれる、日本庭園の形式である

紫にけむる山々や、水辺の清らかな風景を、抽象的に再現し――。

訪れた人は、そんな大自然の中へと分け入って、

その只中に居るような気分を味わってきた……。

この日本庭園の伝統技術を受継ぎ、その思想を世界に広めている造園家・福原成雄

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 =資料=

造園家/福原 成雄(ふくはら・まさお) 1950年11月2日 生まれ(56歳)  京都府出身

国内だけでなく、ヨーロッパの国々で日本庭園の「伝道師」として活躍している。

造園家、庭園デザイナー。 研究分野は造園・造園学、環境デザイン。  国内だけでなく、ヨーロッパの国々で日本庭園の「伝道師」として活躍している。

大阪芸術大学卒業後、デザイン事務所に勤めたが1年半後に退職、半年間かけて古庭園を歩き回り、その折 西芳寺の日本庭園を見て感動、庭園デザイナーになることを決意している。

現在、大阪芸術大学芸術学部環境デザイン学科の教授を勤め、日本庭園の歴史研究を行う他、世界各国で日本庭園の保存修復、設計、作庭、維持管理、技術指導を行っている。

2001年、世界中の造園家の憧れであり、世界で最も古く権威あるイギリスの園芸品評会「チェルシー・フラワーショー」において仲間と共同出品し、日本人初、最高の栄誉とされる「金賞」「最優秀賞」を受賞した。

現在の研究課題 として 次の課題を掲げている。 学者でもある。

・ 近世中期の都市における庭園群と石積群の成立と展開

・ 海外における日本庭園の意義と影響に関する研究

・ 東アジアの庭園技術が日本庭園文化に及ぼした影響についての調査研究

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・・・・・・続く・・・・・・

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