マヤ・インカ文明 =Ⅰ- 72

メソアメリカの文明  =文明・文字と伝承=

~“太陽の神話”が民の謎・ナスカ地上絵~

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ナスカ文化は、紀元前後から800年頃まで現在のペルー共和国海岸地帯のナスカ市周辺に栄えた文化。   ナスカの地上絵で知られる。 アンデス文明のうち、灌漑設備が整備され開拓の進んだ前期中間期ないし地方発展期にあたり、同時代のモチェカハマルカティアワナコと並ぶ。 宗教的中心(巡礼地であるとされる)は、ナスカ川流域のカワチ遺跡とされている。

狩猟農業を主な生業とし、わずかに漁業も行う。 はじめは宗教的性格が強く、のちに軍事的性格が強まる。 奴隷制は見られないが社会階層は厳格であったという。 庶民はフジの骨組みにを塗ったキンチャと呼ばれる住居に住み、宗教的なピラミッドなどの公共建築物を築き、灌漑用水路を整備した。

尚、ナスカ文化の詳細は前節にて記載ずみ。 さて アンデスの不思議についてであるが・・・・・・・・

ナスカの地上絵は、ペルーのナスカ川とインヘニオ川に囲まれた乾燥した盆地状の高原の地表面に「描かれた」幾何学図形、動植物の絵である。

1939年6月22日、動植物の地上絵は考古学者のポール・コソック博士により発見される。 その後ドイツの数学者、マリア・ライヒェが終生この地に住み着き、彼女を中心として、地上絵の解明作業と、保護が行われるようになった。

あまりにも巨大な絵が多く、空からでないとほとんどの地上絵の全体像の把握が難しい。 このような巨大な地上絵を何故描いたのかというのが大きな謎の一つとなっている。

近年、自動車の侵入による破壊が著しく、消滅の危機にある。 また、地上絵のあるエリアは保護のため許可なしには立ち入れず、許可があっても専用の靴を履かされる。

2011年1月18日山形大学は、人文学部坂井正人教授(文化人類学・アンデス考古学)らのグループがペルー南部のナスカ台地で新たな地上絵2つを発見したと発表した。 新たな地上絵二つ(人の頭部、動物)はナスカ川の北岸付近で見つかった。

人間の頭部と見られる絵は横約4.2メートル、縦約3.1メートルで、両目・口・右耳の形が確認されている。 動物と見られる絵は、横約2.7メートル、縦約6.9メートル。 種類は特定できていない。 山形大学は2012年10月30日にナスカ市にナスカ研究所を開所し、 2013年に入って同大はさらに2つ並んだ人物と見られる地上絵を発見、発表している。

ナスカ地上絵の参照資料・写真集;http://rakuten-search.naver.jp/image?q=%E3%83%8A%E3%82%B9%E3%82%AB%E3%81%AE%E5%9C%B0%E4%B8%8A%E7%B5%B5&sm=sbx_sug.image&sme=7 

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ナスカの地上絵が立地する場所は、ペルー南海岸地方の北から南へ走る丘陵と東方のアンデス山脈の麓との間にあるパンパ=コロラダ、パンパ=インヘニオと呼ばれる細長い盆地である。

長い年月の間に、西方や東方の比較的高い場所からの水の流れが浸食した土砂を盆地に運び続けた。 このような土砂は細かくて明るい色、黄白色をしている。この土の上に時々大洪水によって多量の石を含んだ土砂が運ばれる。

細かい土は、南風によって吹き飛ばされ、比較的大粒の礫や岩石が残される。 岩石は早朝は露に濡れるが、日中は焼け付くような砂漠の太陽に照らされることを繰り返すうちに、表層の岩石はやがて酸化して暗赤褐色になる。

岩石が日中の太陽で熱をもつので、その熱の放射で地表に対して暖かい空気層をつくり出し、南風による表面の浸食を防ぎ、雨もほとんど降らない気候環境から雨による浸食もほとんどない状況をつくり出した。

ナスカの地上絵は、このような盆地の暗赤褐色の岩を特定の場所だけ幅1m~2m、深さ20~30cm程度取り除き、深層の酸化していない明るい色の岩石を露出させることによって「描かれて」いる。

規模によってはもっと広く深い「」で構成されている。 地上絵の線は最初に線の中心から外側へ暗赤褐色の砂利を積み上げる、それから線の中心部分に少し残った暗赤褐色の砂や砂利も取り除いて明瞭になるようにしたと推察される。

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「描画」の方法; 様々な図形を大規模に描き上げた方法としては、十分な大きさの原画を描き上げた上で適当な中心点を取り、そこを起点にして放射状に原画の各点を相似拡大する方法、「拡大法」が採られたという説が提唱されている。

成層圏などの超高々度からでなければ見えないものもあるため、上記のような方法で本当にできるのかと指摘されたこともあるが、地上絵の端にあった杭の存在や、地上絵の縮小図の発見などを考えると拡大説が妥当と考えられている。

九州産業大学工学部の諫見泰彦准教授(建築教育学)はこの方法を参考に、小学校の算数の総合学習として、児童による画鋲2個と糸1本のみを使ったナスカの地上絵の再現(実物大再現を含む)を、グラウンドや体育館で20回以上実践。

児童15名から160名により、いずれも開始後150分以内で再現に成功した。 ナスカの地上絵を題材として、算数の単元「比例」と測量技術とのつながりを体験的に学ぶこの学習プログラムは、独立行政法人科学技術振興機構の地域科学技術理解増進活動推進事業に採択されて全国各地の小学校・科学館等で実施され、基礎科学教育分野の優れた実践研究成果として第5回小柴昌俊科学教育賞(財団法人平成基礎科学財団主催)を受賞した。

この研究成果により、日本の小学校程度の算数の知識があれば、地上絵の描画は充分可能であることが証明された。

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山形大学坂井正人教授(文化人類学・アンデス考古学)は現代のナスカでも地上絵が描かれていることを知り、2008年夏、ナスカ台地の南西部を訪れた。

30メートル以上もあるキリスト教の聖母の像が斜面に描かれていた。 これは近くの町に住む女性2人が2003年に描いたという。 制作時間は30分。 種まきをするときの方法で手分けをし、一人が右半分、もう一人が左半分を描いたと説明された。

この地域では、畑に種をまくとき全員が横1列に並んで足並みをそろえて前進する。農民たちは道具を使わず、目視で距離を測る。 二人の女性はこの要領で、相手との距離を測りながら足並みをそろえて左右の線を同時に描いていったのだ。

さらに、写真を渡して、全長20メートルのキツネの地上絵を描くよう依頼したところ、わずか15分ほどで完成した。 写真を原図として、どの部分が何歩分になるかを頭の中で換算して描いたという。 描画手法は極単純で、片方の足で地表の酸化した黒石を蹴飛ばして明るい色の岩石を露出させ白い線を描く。 この場合、線の幅は約20センチ。 ナスカ期の動物の地上絵も線の幅が約20センチだった。

坂井教授はこの話を参考に、2009年秋この方法で地上絵が描けるか山形県天童市立天童中部小学校で実験をした。 6年生児童と保護者が約20メートル四方の将棋の駒やサクランボなどを描き、更に山形大の学生の応援を得て、ハチドリの地上絵(全長約100m)もほぼ原寸大で校庭に再現している。

従って、巨大な地上絵を描く技術的な問題は重要ではない。 通常の人の視座からは一望出来ないものを なぜ描いたのであろうか・・・・・・

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※;下線色違いの文字をクリックにて詳細説明が表示されます=ウィキペディア=に移行。

・・・・・・続く・・・・・・

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