円仁、求法巡礼 -04―

東シナ海

・ 新羅人たちの円仁在留支援・・・・・・・

当時、中国の山東半島沿岸一帯は張宝高をはじめとする多くの新羅人海商が活躍していたと紹介した。 残留を決意した円仁らは、赤山浦を見下ろす赤山法華院に寄寓していた。 新羅人達は何かと日々の支援してくれ、中でも 新羅僧・聖林は各種の情報を教えている。

奇遇にも、839年(開成4年)7月21 すでに3か月前に日本への帰帆をしていたはずの遣唐大使以下の乗った9隻の船がやって来て、この赤山浦に停泊した。 以前、《新羅の通訳金正南と謀って、密州の地に行ったならば上陸して人家に泊し、その間に朝貢船が日本に向け出発したならば山中に隠れていて、そこから天台山に向かい、併せて長安に行く》という計画に対し、大使もこの計画に反対されなかった。 そればかりか、それまでの贈与に加え 大使は金20大両を下賜された経緯があった。

帰国に向かわれる途上の遣唐大使・藤原常嗣との予期せぬ再会であったが、大使は円仁たちに一緒に帰国しようとも、または円仁たちも大使に一緒に帰国したいとも口上しなかった。 赤山法華院に留住することは、陰に陽に画策したる謀計であって、請益僧(唐への留学僧のうち、短期間のもの)の円仁たちが不屈の一到心は、漸く留住の目的を貫徹し得ていた。 円仁が在留することに成功したのは、彼の一途な思いばかりではない。 新羅人たちの円仁在留支援、山東の実力者・張宝高、新羅署の通事押衙・張詠、邵村の昱正・王訓等、新羅人たちの在留支援に頗る大であった。

具体的には、山東半島までの航海の難渋や滞船が、円仁にとって在留工作の期間となっていたのである。 839(承和6)年4月29日、入唐第2舶の「新羅人通訳の道玄に、この地に留まることがうまくいくものかどうかを検討させた。 道玄は他の新羅人とそれについて相談して帰って来て言うには、『留まる件はうまくいきそうである』」と。

5月1日、「この村に円仁が留まることができるかどうかを聞かせる」と、村の世話役王訓らがいうには「もしも留まることを希望するのであれば、私らが一生懸命和尚のお世話をいたしましょう。 和尚は強いて日本に帰るには及びません、云々」という。 しかし、「第2舶幹部の賛成が得られないので、まだ在留の決心がつかない」と円仁は日記に綴る。

5月16日、臨検の押衙の使いが来たのを利用して、「請益僧は唐に留まりたいという旨の書状を書いて、商人の孫清に持たせ、林大人(張宝高)の家に届けさせている」 同時に、赤山浦停泊中に赤山法華院などを訪れ、宿泊までするようになり、さらに6月29日には「夜明け頃、通訳の道玄闍梨と客室に入り、唐国に滞在することについて相談した」という。

円仁はそこに長期に寄宿することとなる。 そこは、「もともとは張宝高が最初に建てたところである……冬は法花経を講義し、夏は8巻の金光明経を講義するもので、この講義は長年にわたって行なわれてきた……いまは新羅人の通訳で軍事押衙(警備長官)の張詠および林大使(張宝高)、村の長老の王訓らが完全に管理している」と記している。

因みに、張宝高は清海鎮大使から感義軍使を経て、鎮海将軍の地位をえている。 更に 清海鎮警備の外に交易船を派遣して、広く海上に活躍していた。 『続日本後紀』には、我が国に通商を求めたのは赤山に法華院を建てた時であったろう。 請益僧円仁らの滞留、公験の下付(不法在留者でありながら通行許可証を得る等)、五山の巡歴、帰還の過海に、始終異常なる援護を加えたる張押衙や崔兵馬司等はみな 張宝高の麾下の人々であった。

多忙で席が温まることが無い張宝高は彼等に指示を与えていたのであろう。 また、新羅僧から天台山の代わりに五台山を紹介され、天台山はあきらめたが五台山という新たな目標を見出し、春を待って五台山までの約1270㎞を歩く計画が具体化できた。

追記;円仁の日本帰国時には張宝高自身はすでに暗殺されていたが、麾下の将張詠が円仁の帰国実現に尽力した。 張宝高は新羅の都・金城(慶州)では王族間の後継争いに巻き込まれて、暗殺された。 文聖王8年(846年)の事。

半島の推移

・・・・・・・続く
*当該地図・地形図を参照下さい

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