創作; “光の庭”のうたた寝 =032=

❢❢❢ 遼王朝皇族が耶律大石、王朝再興賦 ❢❢❢

朝日-3

❝ =第一章第3_02= 五原脱出

北遼統帥耶律大石の左右に耶律楚詞と耶律時が座し、その前面に大石を信奉する旧来からの北遼国軍武将である耶律康阮・康這兄弟、欽宇阮、苞力強、耶律巖と耶律化哥等々の強者が胡坐をかいている。 その背後にはチムギと曹舜、畢厳劉、何蕎に何亨理が左右一列で座し、最後部に座る石隻也は一言一句聞き漏らすまいと大石の顔を見つめている。 室内は暖かい。 板張床下の煙道には一刻前から燃やされている黒い石の暖気が巡回しているせいである。

「さて、何蕎殿にお礼を申さねばならぬ、二百名の勇者を危険に晒らさぬための陽動作戦、うかつにも我ながら思いは至らなかった妙案。 兵糧の確保から始まる我らの隠密行動、今日以降 実行しようとする秘密作戦は迅速に 注意深く 遂行して行かねばならぬ。 我々にとって、天祚帝側の目を逃散させる何蕎殿の方策を我ら全員で盛り上げて行こう。 我々の行動は、明日の打ち合わせ事項として、取り急ぎ 今夕は緊急を要するこ戦略の実行を話しておこう」と大石は前面の武将たちを見まわした後、時に顔を向けた。

「時よ、早速だが、明日 二十名を選び 別働隊を率いよ、人選は任せるが、先ほど聞いた小班を二つ選び、そなたが指揮官で、南京(燕京)方面に向え。 明日の出立が良い。 大尉を選任して時/汝の代行を務めさせること。 この隊は北帰別働隊と呼び、情報収集活動が主な任務。 この地を安全に離れた後、北帰別働隊は東に走り、阿骨打(アコッダ)が追遼軍の動向を探り 金軍の状況報告を定期的に送ってもらう。
作戦範囲は広く、活動の拠点を設けねばならない。 南京(燕京)と五原の中間地点が理想だが、選任された大尉が決めればよい。 ただ、時/汝は折を見て 慕田峪長城の金軍が兵站基地に向え、南京にて活動している遥には秦王の動向を見届け次第に兵站基地にて合流する旨の連絡を私が取る。 遥が慕田峪長城に向かう日時が伝鳩通信で判り次第、伝令を走らせる。 更に、梁山泊の天魁星・宋江との打ち合わせに漢南へ遣わした耶律抹只もそろそろ戻って来よう。
時/汝が率いる北帰別働隊が去る翌日から全てが始まる。  阿骨打の動向が我々の北帰行が成否を決することに成ろう」

「今一言、話しておこう。 天祚帝には最後の最後まで儂の首は打てまい。 天祚帝はこの地を離れる事を策しておるが、西夏には亡命は出来まい。 チムギ殿の御尊父・石抹言殿や安禄衝殿が手を打って下されたお陰じゃが、なれば、天祚帝は金が攻め来る前に必ず南宋に走る。 南宋に亡命するには、南宋を痛めつけたこの大石の首が必要。 したがって、当面は動けまい。 更には 耶律抹只に託した梁山泊の宋江が仲間を率いて西夏に入り、我らを支援するはずだ」

「また、この王庭に大石ある限り、皆に手を下す者は居らぬであろう。 北帰決行の日程が決まれば、最後に我一人にてこの印旗を掲げ城門を出るつもりである。 それは、我が遠祖太祖が諭した将の規範であり、我が意志の誇示。 志が不動であればあるほど、暗愚な天祚帝では何もできまい。 二百名の勇者が秘密裏に立ち去った後に、我が意志の誇示するのが最も安全な策であろう。 四名の楽士は私が出立する早朝にこの地を離れ、一人の僧が女人を守るように私に同行する。 私には旗を掲げる槍槍持ち一名が付くのみ。  泰然と進む我らに天祚皇帝は時を失するであろうし、例え 捕獲の命を出そうとも、刃を差し向ける将は居るまい。 すでに 諸将は皇帝を離れておる。 二百名の勇者がこの王庭から、何時とも解らぬ間に姿を消せば、この策は成る。 今一度 申せば、阿骨打の動向がすべてを決する。」

朝日-1
耶律大石は 諭すように話を続ける、「我がこの地を離れる折、隻也はあの印旗を高く掲げて儂と共に出る。 今 申したように、楚詞は僧衣のままにてチムギ殿に付き、儂と共に城門を出る。 何蕎殿・曹舜殿・畢厳劉殿・何亨理殿も相前後して、この地を離れていただこう。 この地一円の地勢に詳しいと推察いたす故、お知恵を借りたい。 さて、夜も深まった。 今宵はお開きにいたそうか・・・・・ 」「何蕎殿 一献傾けたいが、いかがでござろう、・・・北遼軍事統師殿の酒がござるで、北遼軍事統師よろしいでしょうか・・・・・」
「・・・・酒の話になれば、統師、統師と呼びおって、・・・・・・」

草庵の外、下弦の月が 陰山の上にあった。

2015-02-20_6

=== 続く ===

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