探検家群像=角幡唯介= 17

角幡唯介、日本のノンフィクション作家・探検家

11-14-6

== グレートフィッシュ川――クロージャーの決断 後節 ==

荻田はテントの中で、早く南のツンドラに行きたいよと、しばしばぼやいた。 私たちは最初の目的地であるキングウイリアム島のジョアヘブンに着いた後、しばらく休息し、それから南の北米大陸に渡って、どこまでも湿地と湖と小川が続く広大なツンドラ地帯を何百キロも歩くことにしていた。

そのツンドラに荻田は夢を見ているようだった。彼はあくまでツンドラ地帯に楽観的な期待を寄せ、そこを巨大な魚が釣り放題で、その辺で鳥の卵やブルーベリーを腹いっぱい食べたりできる場所だと考えていた。 雪解け水で地面がずぶ濡れとなり、湖と湖とをつなぐクリークが氾濫した湿地地獄のようなイメージではなく、きれいな水がさらさらと流れる楽園のようなプラスのイメージしかわかないというのである。

私にはそれは寒くて餓えた氷上行進の現実から逃避するための妄想のように聞こえたが、彼の口から何度かそうした観測を聞いているうちに、私もいつのまにか、案外そんなものかもしれないと思うようになっていた。 もしかしたら、ことは意外と単純で、クロージャーも荻田と同じことを考えていたのではないだろうかと思ったのだ。

11-14-7

資料;北西航路、歴史上の探検家たち 

北米想像図

Portrait of British explorer John Ross

Portrait of British explorer John Ross

11-09-5

ヨーク号

11-15-1

===== 続く =====

前節へ移行 ; https://thubokou.wordpress.com/2015/11/14/

後節へ移動 ; https://thubokou.wordpress.com/2015/11/16/

※ 本文下線色違いの文字をクリックにて詳細説明が表示されます=ウィキペディア=に移行

                         *当該地図・地形図を参照下さい

—— 姉妹ブログ 一度、訪ねてください——–

【疑心暗鬼;民族紀行】 http://bogoda.jugem.jp

【浪漫孤鴻;時事心象】 http://plaza.rakuten.co.jp/bogoda5445/

【閑仁耕筆;探検譜講】 http://blog.goo.ne.jp/bothukemon/

【壺公慷慨;歴史小説】 ameblo.jp/thubokou/

ブログランキング・にほんブログ村へ クリック願います 

広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中