十字軍とテンプル騎士団=16=

❢❢❢ ソロモン神殿が聖地奪回への貧しき戦士たち = 第一部“十字軍”  ❢❢❢

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◇◆  テンプル騎士団と第3回十字軍 ②  ◆◇

狭いジブラルラル海峡を渡ってイスラム教徒は欧州になだれ込んでいた。 ムスリム勢力のウマイヤ朝が711年にイベリア半島へと侵入し、占有した。 フランスを中核にするキリスト教国国によるイベリア半島の奪回、すなわち イベリア半島再征服活動(レコンキスタ)が718年ころから開始され、ウマイヤ朝の後継である後ウマイヤ朝滅亡(1031年)頃には半島北半分相当の地域からイスラム教徒は追撃されていた。 第二回十字軍への参加が叫ばれた折には、このレコンキタスはが佳境に入っており、イベリア半島方面やマルセイユジェノヴァピサの住人はそちらに参加することが勧められ、また、ドイツ諸侯から希望された北方スラヴ人(東欧を中心)の征服も十字軍(ヴェンド十字軍)として認められた。

以上の情勢からも分かるように、この時の第二回十字軍には他の十字軍とは違い、エルサレム奪還という最終目的が無い。 現実にはエルサレム王国は維持しており、直接的に攻撃を受けているわけでもないと欧州の諸侯は考えていた。 そのたま、その軍事的目的がエデッサ伯領を奪回するのか、ザンギー朝を攻撃するのか、エルサレム周辺の他のイスラム教国を征服するのか、イスラム教徒を片っ端から攻撃するのかはっきりしなかった。 また、キリスト教側の体勢は、ベルナルドゥスの調停にもかかわらず、ドイツ王コンラート3世とシチリア王ルッジェーロ2世が対立しており、結局ルッジェーロ2世は参加しなと表明する。 東ローマ帝国のマヌエル1世もイスラム教徒とのパワーバランスを保っており、新たな十字軍を歓迎しなかった。 さらにフランス王とドイツ王も行動を共にせず、それぞれバラバラに進軍するありさまであった。

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 イングランド王国、ノルマンディーはスティーヴン王の無政府時代のため、まとまった出兵は行えなかったが、各々の騎士達がスコットランド、フランス・フランドル勢と共に船で出立した。 途中、ムスリムが占拠するリスボンを攻撃しているポルトガルアフォンソ1世の軍に合流して、1147年10月にリスボンを攻略(リスボン攻防戦)した後、東に向かいフランス王と合流し、海路 エルサレムに向かう。 西欧からの軍勢はようやくエルサレムで全軍集結したが、戦意は低く、既にエルサレムに来たことで巡礼の目的は果たしたと考えて帰りたがる者が続発する始末である。 また、現地の十字軍国家からの歓迎意向は伝わってこず、旧エデッサ伯領、アンティオキア公国、トリポリ伯領、エルサレム王国からの第二回十字軍への参加も無かったのである。

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 しかし、エルサレム国王ボードゥアン3の元でアッコンにおいて軍議が行われ、政情不安で比較的弱いと考えられたダマスクスの地方政権=ブーリー朝=を攻めることになった。 エルサレム王国の多くの臣下たちは、これを馬鹿げた考えだと反対した。 ダマスクスはザンギー朝とは古くから対立しており、1140年にダマスクス領主ムイーヌッディーン・ウヌルがエルサレム王国軍の救援でザンギーの軍を追い払って以来、ダマスクスとエルサレム王国は同盟関係にあったためである。 しかし、エルサレムやアンティオキアとともに聖書にも登場する聖都ダマスクスを手に入れ、この遠征を正当化する成果としたい西欧諸国側に、現地十字軍国家側は結局押し切られた。

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 1148年7月23日、ダマスクス攻撃が始まったが、ダマスクスの領主ウヌルは城の周囲の井戸や泉を埋め、対立していたザンギー朝の面々ほかさまざまなムスリム国家に救援を求めた。 さらに、西欧からの大軍の到来で動揺していたエルサレム王国はじめ現地十字軍国家に、「ダマスクス陥落の次は、十字軍国家を直轄化して取り上げるはずだ」と文書を送り離間策を行った。 そのため、元々数が少なかった第二回十字軍はヌールッディーンらのムスリム軍やダマスクスの伏兵に悩まされた上、給水にも困り、さらなるムスリムの援軍の脅威を吹き込む十字軍国家の説得を受け、わずか4日後、何の成果も無くエルサレムへ撤退した。 そして、エルサレムに戻った後、十字軍は解散し、フランス王らは それぞれ帰路に就く。

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 ===== 続く =====

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