十字軍とテンプル騎士団=24=

❢❢❢ ソロモン神殿が聖地奪回への貧しき戦士たち = 第一部“十字軍”  ❢❢❢

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◇◆  第5回十字軍  ◆◇ 

1204年にコンスタンティノーブルを攻略した第4回十字軍が、現地での争いに忙殺され、エルサレム攻略に向かわないのに失望したローマ教皇インノケンティウス3世(前節参照)は、1213年の教皇教書で新たな十字軍の招集を呼びかけ、1215年の第4ラテラン公会議で正式に発布した。 この時点では、神聖ローマ帝国においては前年の“ブーピーヌの戦い”に敗れたヴェルフ家のオットー4世が失脚し、教皇が支持するホーエンシュタウフェン家のフリードリヒ2世が名実共にドイツ王となり、フランス南部におけるアルビジョア十字軍(前節参照)もトゥールーズ伯レーモン親子の亡命により一旦収束しており、西欧は一致して十字軍を派遣できる状況と思われた。

しかし、1216年にはレーモン親子の帰還によりアルビジョワ十字軍の戦いは再燃し、従来から十字軍の中心だったフランスの騎士達は第5回十字軍に参加する余裕がなかった。 一方、十字軍参加を誓ったものの、元々宗教的に寛容なシチリアに育ったフリードリヒ2世はイスラム教徒との戦いには熱心でなく、イタリア政策において対立するローマ教皇との条件闘争が先決だった。

ローマ教皇はこれまでの失敗の反省から、第2回十字軍、第3回十字軍のような国王中心の十字軍や、第4回十字軍のような諸侯の自由な主導によるものでもなく、第1回十字軍のような教皇使節が主導する十字軍を意図していた。 ローマ教皇インノケンティウス3世は、新たな十字軍を編成するためにヨーロッパ各地に説教師を派遣し兵員を募るよう命じた。 十字軍の主体は栄誉と金品・土地を求める諸侯や騎士が中心であったが、説教師に煽られた熱心な信仰者など民間人も参加することが多かった。

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 少年十字軍もそのような熱心な民間人の遠征隊の一つで、北フランスの少年エティエンヌが「神の手紙」を神から手渡され聖地回復をするようお告げがあったと説いて回り、それに感化された少年少女らが集まり結成された。 最終的には数千人から2万前後の少年少女が集まったといわれている。 マルセイユへと出発した彼らだったが、聖地へ向かうための船がなかったのは勿論のこと、満足な遠征費すら持ち合わせていなかった為、大抵極めて酷い食糧事情だった。 無償で船を提供すると接近してきた商人の支援により聖地へ向かったものの、7隻の船のうち、2隻の船がサルテイニア島付近(地中海・コルシカ島のみなみの大島)で難破、無事だった船もアレクサンドリアで奴隷商人の手に渡ってしまうという悲劇的な結末となった。

ドイツでも、狂信的な青年ニコラスに煽られた少年達が同様の悲劇に巻き込まれている。 エティエンヌの少年十字軍が平均年齢12歳程度だったのに対し、こちらは15歳程度だったが、ニコラスはイタリアを目指し、アルプス山脈を越えてローマにたどり着いたが、教皇の説得によって故郷へと引き返した。 結局、彼を含め故郷に戻れた仲間はほんのわずかであったという。 他方、新たに教皇となったホノリウス3世の呼びかけに対してフランスの騎士はさほど集まらず、ハンガリー王アンドラーシュ2世とイタリア、ドイツ、フランドルの騎士等が参加すると表明する。 そして、1217年にハンガリー王アンドラーシュ2世、オーストラリア公レオポルド6世がアッコン(イスラエル北部)に到着し、現地の十字軍国家の諸侯、エルサレム王ジャン・ド・ブリエンヌ、キプロス王ユーグ、アンティオキア公ボエモンらと合流した。

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 ジャン・ド・ブリエンヌとアンドラーシュ2世を指揮官として、十字軍は進軍を開始する。 十字軍の侵攻を恐れたダマスカスの王アル=ムアッザムはエルサレムの城壁を破壊し、住民達は退避させられた。 =以後長らくエルサレムは城壁のない町となり、16世紀に入ってようやくオスマン帝国によって城壁が再建されることになるのだが= 十字軍はシリアにおいてイスラム勢力と小規模の戦闘を行ったが、ほとんど成果を挙げられなかった。 展望な状態に本国での王位継承問題を苦慮するハンガリー王アンドラーシュ2世が1218年1月に帰国、続いてキプロス王ユーグとアンティオキア公ボエモンが撤兵した。

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 ===== 続く =====

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