十字軍とテンプル騎士団=39=

❢❢❢ ソロモン神殿が聖地奪回への貧しき戦士たち = 第一部“十字軍”  ❢❢❢

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◇◆ イスラム勢力がレバント世界の制圧 ◆◇

即位時点で、既にカラーウーンは50代の半ばを超えていた。 即位後はザーリヒーヤ軍団に代え、チュルケ系(中央アジアの遊牧民)のマムルーク(奴隷)を起用した。 彼らはカイロ市内のムカッタム城砦中の塔に居住したことから、ブルジー(塔)・マムルークと呼ばれた。 カラーウーンがチェルケス人を起用した理由については、彼らが奴隷市場に安価で多く供給されていた点、彼らが屈強な体格と勇敢な気質を備えていた点が挙げられている。 カラーウーンの治世の末期に、ブルジー・マムルークの数は3,700人に達していたと言う。

カラーウーンは現在のウクライナからカザフスタンにかけての草原地帯で活動した遊牧民族キプチャクのブルジ・オグルゥ部族の出身である。 幼時に奴隷としてエジプトで売られ、マムルークの将校に買い取られる。この時に破格の高値である1,000(アルフ)ディナールで購入されたため、「アル=アルフィー(al-Alfi)」の渾名で呼ばれたというが、美しい容姿の屈強な体格の持ち主で、アラビア語を話すことは少なかったと伝えられている。
カラーウーンの即位直後にダマスカスの知事シャムスッディーン・ソンコル(「赤毛の」ソンコル)がカラーウーンに反乱を起こす。 ソンコルの反乱には廃位されたサラーミシュ、一部のバイバルス配下も加わっていた。 カラーウーンはソンコルの反乱を鎮圧したものの、ソンコルは東方のモンゴル族国家のイルハン朝アバカ・ハンに援助を求めた。 マムルーク朝内部の分裂を好機と考えたアバカは、1280年10月にシリアに侵入し、アレッポを破壊した。

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アバカ率いる本隊、アバカの弟モンケ・ティムールの部隊、キリキア・アルメニア軍で構成されるモンゴル軍は進軍を続け、1281年10月31日に両軍はハマー・ホムス間の平原で対峙した。 マムルーク軍はこの”ホムスの戦い“での激しい戦闘で勝利を収めるが、多くの将校と輜重を失った。 戦勝後の追撃中、ソンコルがモンゴルと内通の約束を交わした書簡がカラーウーンの元に届けられたが、カラーウーンは書簡を水に入れて字を消し、書簡が誰の目にも触れないようにしたと言う。

勝利したカラーウーンはダマスカスを経てエジプトに帰還し、カイロに凱旋した。 アバカの死後にイルハン朝のハンに即位したアフマド・テグデルはイスラームに改宗したモンゴル人であり、マムルーク朝に同盟を申し出た。 カラーウーンは戸惑いながらも、同盟の要請を受諾。 1284年にアフマド・テグデルは廃位され、非イスラム教徒であるアルグンがイルハン朝のハンとなったが、アルグン在位中にマムルーク朝の軍がイルハン朝の領土に侵入した回数は1度だけだった。 東方の蒙古系帝国からの侵略への備えが極小化する中、カラーウーンは中東の十字軍国家との戦争に専念する。

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 休戦協定の延長後、カラーウーンは中東に残る十字軍勢力の都市の中で協定の対象から除外されていた都市に攻撃を加える。 マムルーク朝は1285年に聖ヨハネ騎士団が領有するマルカブを占領した後、1287年4月末に交易港ラタキア(ラオディセ)を攻撃した。 さらにイスラム商人が危害を加えられたことを名分として、1289年3月17日にカラーウーンはトリポリの包囲を開始する。 マムルーク軍は木製の櫓とカタパルトを投入し、地下にトンネルを掘り、城砦を攻撃した。 同年4月26日にマムルーク軍はトリポリを攻略、住民を拉致・殺害し、町を破壊した。

戦闘に従軍したハマーのアイユーブ朝の王族アブ・アル=フィダは、積み重なった死体の腐敗臭に辟易したことを書き残している。 トリポリ攻略後、カラーウーンはアッコンの十字軍勢力の要請に応じて和約を結び、休戦協定を延長した。 しかし、イスラム教徒との間に共存関係が成立していたと考えていた中東のキリスト教勢力は、カラーウーンの徹底的な攻撃に衝撃を受けるのだが・・・・・・・。

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 ===== 続く =====

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