550年後、目覚めた英国王=54=

❢❢❢ 「忠誠がわれを縛る」 ・ リチャード3世 ❢❢❢

○◎ =“薔薇戦争”の最後を飾る英国王・ヨーク朝の終焉= ◎○

遺骨発見

 ◇◆  発掘されたリチャード3世の遺骨、遺骨は訴える・・・・1/2 ◆◇

 2012912日、イギリスから衝撃的なニュースがもたらされた。 リチャード3世の遺骨と思われるものが発掘されたというのである。 場所はイングランド中部レスターシャーの州都レスター市。リチャード3世はホズワースの戦いで戦死し、その遺体はレスターにあったグレイフライヤーズ修道会の修道院に埋葬されたと伝えられてきた。 そしてその場所は修道院の内陣と見られていたが、これまでの調査で、現在そこは同市市議会の駐車場になっている可能性が高かった。

 そこで2012825日にその駐車場をレスター大学の調査チームが発掘したところ、まさにその初日に、そこから人間の骨が出てきたのである。 その骨はリチャード3世のものである可能性が高かったことから、発掘はその後の調査の妨げとなるもので汚染されないようにと、法医学的方法で慎重に進められたという。

 発掘された骨は全身のもので、それには著しい脊柱側湾と、頭部に武器による攻撃でできたと思われる大きな傷跡が見られた。 それらの状況から、この人骨はリチャード3世のものに違いないとイギリスでは大騒ぎとなり、またそのニュースは世界中をかけめぐった。

遺骨ー1

 発掘された人骨は、DNA分析を含めた詳細な調査がおこなわれることになった。それと並行して、骨の状態が骨考古学者によって調査された。 それによると、発見された人骨は20代後半から30代前半の男性のものと推定され、32歳で戦死したリチャード3世の年齢とも合致することがわかった。
 遺骨から推定された身長は5フィート8インチ(17メートル)で、アングロ・サクソン系の男性としてはやや小さいほうで、脊柱側湾のため、実際にはもっと低かっただろうとみられている。 また、骨は男性のものとしては非常にほっそりとしていて、まるで女性のもののようだという。

 そして201324日、ふたたび衝撃的なニュースが世界中をかけめぐった。 調査チームが遺骨から採取したDNAを分析したところ、リチャード3世の家族(姉)の17代目の子孫のそれと一致し、発見された人骨はリチャード3世ものに間違いないと発表されたのである。 また、骨の配置を復元した遺骨の全体の写真も公開され、著しい脊柱側湾の状態や頭部の大きな傷跡も明らかにされた。

 今回の発掘で衝撃的だったことの一つに、遺骨に著しい脊柱側湾が見られたことがある。 リチャード3世は背骨が曲がり、左右の肩の高さが違っていたことは当時の記録にもあることで、よく知られていることだった。 まさにそれが遺骨の状態からも明らかにされたのである。 そしてその脊柱側湾は、右側に大きく湾曲したもので、第3胸椎から第12胸椎をへて第2腰椎にまでいたるものだった。

遺骨ー2

 トマス・モアは、ヘンリー7世の王権を正当化しかれを賛美するために、リチャード3世をあえて不道徳で冷酷非道の王として貶め、かれの姿をことさら歪めて記録に残した。 シェイクスピアはそれをもとに、リチャード3世を背中の盛り上がった”化け物じみた醜い姿”と描いた。

 これまでテューダー王朝の人間は、リチャード3世を貶めるために事実をかなり誇張して描いたのだろうとわたしは思っていた。また、そう思いたかった。だが今回発掘された遺骨から、そうではなく、かれの脊椎側湾がかなりのものであったという事実が突き付けられた。これは、胸に重く、痛くなるような衝撃だった。
 それでもかれは騎乗し、戦場では体をかしげ、身をよじるようにしながら果敢に戦ったのだろう。その姿は敵から見れば、それこそ恐れをなすような異様なものだったかもしれない。 だからこそテューダー王朝の人間は、かれを“化け物のようだ”とことさら貶めたのだろう。

 シェイクスピアはまた、かれの腕は”立ち枯れた若木のように萎えている”とも描写している。 だが発掘された遺骨からは、それを示す骨の異常などはまったく見られなかったという。ただ、かれの骨が女性のもののようにほっそりとしていたことから、かれは華奢な体つきをしていたとみられている。 その姿がシェイクスピアの“立ち枯れた若木のように萎えている”という表現につながっていったのだろう。

遺骨ー3

Richard III – Identifying the Remains

===== 続く =====

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