王妃メアリーとエリザベス1世 =18=

❢❢ 王妃メアリーの挫折と苦悩が大英帝国の礎に ❢❢

○◎ 華麗なる二人の女王が一つの国土に戴冠、敵対しつつ時代を築く ◎○

火薬陰謀事件

◇◆ メアリーと相次ぐ陰謀事件  ◆◇

1569年、カトリックの信仰が根強かったイングランド北部で、7代ノーサンバランド伯トマス・パーシーや6代ウェストモーランド伯チャールズ・ネヴィルが中心となった反乱があった。 この反乱は、エリザベス体制をささえるプロテスタントの新勢力に反発して起こされたもので、「北部の反乱」または「諸伯の反乱」と呼ばれている。
これにつづいて翌年には、デイカー家の起こした反乱もあった。

「北部の反乱」は、エリザベス体制をささえ、彼女の忠実な側近で首席枢密顧問官にして国務大臣だったサー・ウィリアム・セシル――のちのバーリー卿――のやり方に反発し、かれとその仲間を追い落とそうとした陰謀に端を発したものだった。 この陰謀を見抜いたのは、なんとエリザベス自身だったというが、これには、プロテスタントでエリザベスの寵愛をうけていたレスター伯ロバート・ダドリーも加担していたという。
陰謀のにおいを嗅ぎとったエリザベスは、これにかかわっているとにらんだカトリックの大物貴族である4代ノーフォーク公トマス・ハワードを呼び出して問いつめた。 すると彼は、これをあっさりと認め、自領にもどって蟄居してしまった。

セシル宰相

 次にエリザベスは、北部の所領にいたノーサンバランド伯とウェストモーランド伯を召喚して問いただそうとした。ところがかれらは、これに武装蜂起で応えたのである。 こうして起こったのが、「北部の反乱」だった。 反乱軍は、スコットランド女王メアリーをイングランド女王にしようと、イングランド北東部のダラムを拠点にして気勢をあげた。 しかし、かれらはメアリーの救出に失敗し、さらに反乱も期待したほどには広がりを見せず、失敗に終わった。 そして、反乱の首謀者らはスコットランドに逃亡したが、かれらに追随した者が6百人も逮捕され、皆、絞首刑にされたのである。

話はわき道にそれるが、イングランド北東部に勢力をもっていたノーサンバランド伯パーシー家は、この時代は悲運つづきだった。 6代伯ヘンリーの年長の弟トマスは、ヘンリー8世の宗教改革に反対し、1536年の反乱「恩寵の巡礼」に加わり、1537年に処刑されていた。 7代伯トマスは、6代伯の甥だったが、ここに記した「北部の反乱」に失敗し、スコットランドに逃亡したあと、1572年にイングランドに引き渡され、ヨークで処刑されてしまった。 その弟で8代伯となったヘンリーは、スコットランド女王メアリーに通じていたとして、1571年と1583年の2度にわたって逮捕され、85年にロンドン塔で獄死した。 彼の死は、自殺だったとも他殺だったともいわれている。

そして、その息子9代伯ヘンリーは、1605年のガイ・フォークスの「火薬陰謀事件」にかかわったとして、16年間近くもロンドン塔に監禁されたのだった。 それでいてパーシー家は、現在もつづく名門貴族なのである。

ウイリアム・セシル

 話をもとにもどすと、4代ノーフォーク公は、イングランドの筆頭公爵でありながら、カトリックであることを公言してはばからず、反乱を起こした北部のカトリック貴族たちとも通じていた。 ハワード家は、姻戚関係でジョン王、エドワード3世、エドワード1世につながるイングランド随一の名門貴族だった。野心的で権力志向がつよく、これまでにも問題を起こしてきた家系である。

ヘンリー8世の時代には、4代ノーフォーク公の父サリー伯ヘンリー・ハワードが、反逆罪で処刑されていた。その後、祖父の3代ノーフォーク公トマス・ハワードも、反逆罪を問われて処刑を待つ身だった。 しかしその前日にヘンリー8世が他界したことで、刑の執行が停止され、命拾いをしていた。 エリザベス1世の祖母エリザベスは、3代ノーフォーク公トマス・ハワードの妹で、4代ノーフォーク公とエリザベス1世は、又従兄妹の関係にあった。 野心的だった4代ノーフォーク公は、この関係を利用して以前から王室の問題に介入し、エリザベス後の王位にメアリーを据えることや、さらには彼女と結婚することまで目論んでいた。

ロバート・ダドリー

===== 続く =====

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