創作; “光の庭”のうたた寝 =066=

❢❢❢ 遼王朝皇族が耶律大石、王朝再興賦 ❢❢❢

Triglav Sunset

❝ =第一章第4節_17= 可敦城 遊牧民との協調 ❞

時を少し戻そう。 病を隠し 焦りのような不安を抱えている金の初代皇帝阿骨打(アブダ)は、女真(ジュチン)族完顔(ワンヤン)部の族長として名を成したのは45歳の時であった。 北方の騎馬遊牧人の長としては高齢であった。 祖父は生女真・完顔部の族長烏古廼(景祖)、父は烏古廼の次男劾里鉢。 生母は女真ダラン(挐懶)部の首長の娘である翼簡であった。 女真族完顔部を率いる一族の血門であるが、 完顔部は女真人であるが遼からは間接統治を受ける生女真の一部族も混在しており、生女真の本流は松花江の支流である按出虎水(アルチュフ河)流域(現在の黒竜江省ハルビン市)に居住し 遼王朝に屈服していた。

しかし、阿骨打の先祖は完顔部の族長として遼から節度使の称号を与えられ、遼の宗主権下で次第に勢力を拡大していた。 阿骨打は完顔部の族長・節度使を務めた父劾里鉢、叔父の盈歌、兄の烏雅束を補佐して完顔部の勢力拡大に功があり、彼の働きで 1100年ころまでに完顔部は生女真をほとんど統一した。 1113年、兄が死ぬと阿骨打が完顔部を継ぎ、都勃極烈を称し自立を志向した。 翌1114年遼に対して挙兵し、遼の拠点寧江州(現在の吉林省)を攻撃し、これを占領。 また、女真人を軍事的に組織し、遼への牙を磨いて行った。 阿骨打自身は雄々しい容貌を持ち、身の丈八尺の偉丈夫で、寛大で厳格かつ寡黙な男性で、女真族の理想的な君主であった。

自他ともに指導者として立ち振る舞う阿骨打は、1115年 女真族を心服させ 按出虎水で皇帝に即位し、国号を大金と定めた。 按出虎水にある会寧(上京会寧府)を都に定め、遼の天祚帝率いる大軍が侵攻してくると迎撃し、天祚帝軍を撃破する。 北の遼に苦しめられてきた北宋は阿骨打の威勢を聞いて遼を挟撃しようと図り、1120年、金と海上の盟といわれる同盟を結んだ。 これにより阿骨打は遼との決戦に臨み、同年遼の都上京を占領し、さらに燕京に迫った。 翌1121年遼の天祚帝は燕京を放棄して西走し、遼の支配地の殆どが阿骨打に帰した。

一方、宋軍は“方臘の乱”など国内の内乱鎮圧に振り向けられていたため到着が遅れ、阿骨打は北宋との盟約に従って燕京を攻め残した。 その後、宋軍が到着して燕京に攻めかかるが、弱体化した宋軍は耶律大石らの率いる遼の残存勢力に連敗したため、宋軍の司令官童貫は金に対して燕京を落とすよう要請し、金軍が燕京を攻略した。 金の将軍達はこのまま燕京を金の領土にすべきだと主張したが、阿骨打は盟約を尊重して燕京以下六州を北宋に割譲し、代わりに燕京の人民を全て連れ去った。 またこの代償に、金は遼にかわって宋から歳幣に銀20万両・絹30万匹・銭100万貫・軍糧20万石を受けることになった。 北遼の耶律大石統帥が五原に去った後のことである。

その後、阿骨打皇帝は逃亡した遼の天祚帝の追撃を試みた1123年の親征途中で発病し、部堵濼(ウトゥル、現在の瀋陽付近)にて56歳で病没する。 耶律時が偵察で知りえた事実はここまでであったが、阿骨打皇帝の同母弟の呉乞買(ウキツバイ)が後を継ぐ事に成った。 呉乞買が二代目皇帝・太宗として即位するのは同年の1123年9月であるが、この情報に基づき、耶律大石は“北帰行”をこの年の冬から開始している。

 

二代目皇帝・太宗(呉乞買)は、寛大で人格者だった太祖・阿骨打と違い、勇猛果敢で実行力に富んだ性格だった。 燕雲十六州の奪還を目指す宋軍が燕雲地方に駐留する金軍を牽制する動きの情報を知ると激怒した。 金は直ちに宋との戦端を開いて首都開封を包囲し、混乱を極める宋を“靖康の変”で滅ぼし、欽宗とその父で上皇の徽宗を北へと連れ去った。 金は華北一帯を領有し、揚子江の南に逃れた宋は南宋として生き延びる。 しかし、この時、太宗(呉乞買)は北宋・欽宗の皇后朱氏や徽宗の妃韋氏、皇女、女官達、女性数千人も同様に拉致して、北の上京に設けた金の官設の売春施設である洗衣院に彼女達を監禁した。 洗衣院に閉じ込められた宋の皇女や女官達は、生涯を遊女として虐げられ 一名を除いて誰も生還していない。 太宗(呉乞買)はこのような蛮行を平然と行う性格を有していた。

=066=2

=== 続く ===

前節へ移行 ; https://thubokou.wordpress.com/2016/07/09/

後節へ移動 ; https://thubokou.wordpress.com/2016/07/11/

 

※ 下線色違いの文字をクリックにて詳細説明が表示されます ⇒ ウィキペディア=に移行
*当該地図・地形図を参照下さい

—— 姉妹ブログ 一度、訪ねてください——–

【疑心暗鬼;民族紀行】 http://bogoda.jugem.jp/

【浪漫孤鴻;時事心象】 http://plaza.rakuten.co.jp/bogoda5445/

【閑仁耕筆;探検譜講】 http://blog.goo.ne.jp/bothukemon

 

広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中