創作; “光の庭”のうたた寝 =069=

❢❢❢ 遼王朝皇族が耶律大石、王朝再興賦 ❢❢❢

=069=1

❝ =第一章第5節_02= ; 陰山山脈の南域にて・・・・ ❞

「お恥ずかしい、遼帝国を背負って立たれておられる耶律大石統帥殿を支援していたなどとは・・・・・・あれはいつの日でしたか・・・・耶律抹只殿が梁山泊に参られたことがありました。 耶律大石殿の文を携えて。 文には、自分は摩尼の《光明の父》から命を受け華北の“公正な正義”の任を命じられた。 ついては、漢中の“生ける霊”と漢南の“第三の使者”の三者で《光の王国》を建設しようとの記されておりました・・・・・・」

「さて、私くしどもには・・・・・ 《光明の父》とか《光の王国》が何を示し、如何なる意味なのかは計り知れませんが・・・・・・・ それはともかくとして、宋との戦いでは 後方攪乱の支援がなければ、あのような勝利を得る事はあり得ませんでした。 今 改めて お礼を申し上げたい。 それにしましても、如何なる理由で弟に同行なされてこの安宿に参られましたか・・・・・・」

「兄者、漢中一の豪傑で在られる宋江殿が西夏の重鎮セデキ・ウルフ殿の含みに、義を重んじ 困窮する者には援助を惜しみなく与えるを 是とされる梁山泊の首領が腰を上げておられるのですよ」と 叱咤するように言う。

「いやいや、身どもは、耶律大石統帥殿の文を頂くまでは遼のことなど何も知らなかったのです。 況して、耶律大石殿の事など、小指の先ほどにも 何も知りませなんだ。 ただ、統帥殿の文を届けて下された耶律抹只殿の事は、宋の官警や密偵に追われる境遇の我等の事です故に 会いたいとの連絡をいただきました折、直ちに仲間の燕靑に耶律抹只殿の経歴や身辺を調べさせたのです。 燕靑も私を追って、近い内に西夏に現れ、私と同行いたすはずです。」

「天下の策士、と噂に聞く燕靑殿も参られるのですか・・・・」と聞く耶律康這(コウシャ)の顔を睨め着けるように弟の言葉を制した耶律康阮(コウゲン)は宋江(ソウコウ)に、話を促した。

「天巧星と呼ばれている美形の燕靑。 彼はあらゆる事に通じ、女人を通じての情報収集や諸事万端の交渉事には追随を許さない好男子ですが・・・・・。 耶律抹只殿にお逢いすべきか否かをも含めて、抹只殿の身辺を調べさせたのです。 その結果 直ちに会うべきと判断して、密かに会ったのです」

「耶律抹只は私くしどもの縁者ですが・・・・・さて」

「そうだったのですか、燕靑が申すに 耶律抹只殿は武人でありながら 大同軍節度使に転じたおり、この年、霜害のために食糧が不作だったようで、民衆が税を納めるさいに例年は一斗の粟を5銭に換算して納めていたものを6銭で換算して納めさせるよう上奏し、実践された方と燕靑が調べてきました。 また、遼帝国の高官で在られるのに従者も伴わずの簡素ないで立ちで江南まで参られておるとも聞き、お会いしたのです。 お会いして、言葉を交わすうちに耶律抹只殿の立振舞にも敬服したのです。
また、手にした耶律大石統帥殿の文は、具体的な委細や依頼などの世事は全くなく、知る者のみが心温かく精読できる見事な心情が吐露されているものでした。 宋や金がいかに在れ、統帥殿が背負っておられる遼の王朝がいかに在ろうと 耶律大石殿が目ざされる世界が余すことなく読み取れたのです。 耶律大石統帥殿は、漢中の“生ける霊”の指導者だったのです。 漢南の“第三の使者”とは梁山泊に屯する無頼の徒を言うのですが・・・・・・・」

「私くしども、兄弟には ますます理解しがたいお話し。・・・・・兄者、抹只叔父から何か聞き及んでいるかな・・・・・  ここ四五日のお付き合いで宋江殿の痛快無比の武勇伝を聞いてきたが、この先の話はお酒を交わして 拝聴致せば いかだろうか・・・・・」

宿の主人に耶律康這が宋江の名を知らせたのであろう、主人が直ちに挨拶に現れた。 主人は英雄を迎えた喜びを言葉に乗せて、酒席が整えられた小奇麗な部屋に案内した。 紫檀の円卓に椅子が六脚、見事な陶磁器が四隅に置かれていた。 床全体が暖かいオンドルなのであろうか心地よい。 主人は河南のような魚は無いが、鳥で整えましょうとピータンの前妻と狼酒を卓上において出て行った。 互いの盃に狼酒を注ぎ合い、宋江が再び話し始めた。

=069=2

=== 続く ===

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