創作; “光の庭”のうたた寝 =073=

❢❢❢ 遼王朝皇族が耶律大石、王朝再興賦 ❢❢❢

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❝ =第一章第5_06= ; 陰山山脈の南域にて・・・・ 

蒙古高原は未だに朝晩の寒さは強く、昼間との温度差が大きい。 日没に伴い、部屋の内部には暖がいる。  しかし、野外に佇み、足元の茶褐色の草の根元をよく見れば春の息吹が覗える。 草原の遊牧民は、この時期足元を馬の蹄で掘り起こす事を忌み嫌う。 大地を痛め傷つける事を極度に嫌う。 従って、自ずと通行路とする道ができる。 その道を辿って北方より、鳥海の商人・忠弁亮がバイカル湖の南で山丘が南面で冬の野営を営むキルギス村落を回り、可敦城に戻って来た。

120余頭のラクダを連ねるその隊商の先頭には、左右に畢厳劉と多郁が忠弁亮を挟むように前後していた。  駱駝を扱う隊商員が十数名、それぞれに十余頭のラクダを一直線にして後続している。 駱駝の踏み跡が草原を痛めないようにする知恵でもあろうか。 畢厳劉が与党の二十名の騎馬武者達はその長蛇の脇に寄り添って可敦城に帰還してきたのである。 ラクダの背には羊の毛皮、貂、狼、野兎の獣皮が積まれていた。 獣の皮は夏場に猟をして集めていたものであろう。 羊の外皮は越冬用の食料として屠殺した商品であろう。 遊牧民の現金収入であり、物々交換の代貨品でもある。

北庭都護府・可敦城は約一ヶ月で整備が進み、堅牢な砦に変貌していた。 耶律大石総師はじめ、兵糧を管理する耶律磨魯古、東方のタタル族の動向を探っていた耶律楚詞、燕京・興慶の伝令に向かっていた石隻也が北から帰って来た畢厳劉を大げさに出迎えた。 耶律磨魯古が己の采配で、帰着した一行の隊商随員の夕餉と明朝の食事を砦内にて越冬しているウリヤンカイ部族の長であるボインバット一家に命じている。 ひと月と月半に及んだ旅の報告に来た忠弁亮に大石は、北方の様子や、旅の苦労などのよもやま話を聞きながら忠弁亮を夕餉に誘った。

小一時間後、夕餉の談笑に時を過ごしている石は、「明朝の出立と聞き及んだが、耶律磨魯古を同行させたいが、一つ無理を聞いてもらえまいか・・・・・、鳥海から、陰山南麓に設けている砦に運び入れるべき兵糧を調達の上、運んでもらいたいのだが・・・・・・」と真面目な話を切り出した。

「私どもには、この時期、冬季は商いが少なく蒙古高原から戻りますれば春を焦がれる羊と同様にただ待つだけなのです。 そのお話は誠にありがたい上に ご高配を頂く仕事、しかし、陰山南麓は一帯の荒れ地。 ご存知のように砂漠と涸れ沢が連続する無人の原野です。 私くしはあの方面には商いの覚えなく 道不案内です。 戻りましてゴビ砂漠北辺を知る者を探し当てる時間が必要かと・・・・」

「なれば、石隻也も同行させよう。 隻也、鳥海に向かえ。 鳥海からの道案内なのだが、かの地で忠弁亮殿を時か巖に紹介し、今後の戦に必要な資材を忠弁亮殿を通じて入手する方法を忠弁亮殿と相談できるようにするのが 務めだ。 陰山先遣隊基地を充実させる必要がある。 忠弁亮殿の支援がなければ時間が掛かり過ぎるであろう。」

「隻也よ、時に会えればよいが、不在なら 巖に基地からこの可敦城に通じる秘密の間道を開けと 伝え、・・・・そうだ、その任は苞力強に一任して 時は金の動向に、巖は五原の天祚帝が同行に目を離すなと伝えれば良い。 新しく開く陰山越えの間道には、要所に水と兵糧、そうだな 25名の騎兵と兵馬が必要とする 一月分の兵站物資を蓄積して置くことを伝えるのもの忘れるな。 忠弁亮殿に基地とこれからの戦略上の兵糧・兵站物資をそちらで賄えるようによく相談しろと重ねて伝える事。 隻也、過日の経験を活かしてこい。 」

「隻也、その顔つき、 何か不満か・・・・・」

「いえ、やっと 楚詞皇子から本場・少林寺の拳法の手ほどきを受け初め・・・・・」
「先は長い、弓矢を修得したように 旅先で工夫いたせばよいではないか」と、横合いから、楚詞皇子が話を入れる。

「隻也、汝は足腰が他者以上に鍛えて来たのか、短時間で教えた型が安定しており、美しい。 旅先で 日々 学んだ型の復習に工夫を加えるも修行の一つ。 自ら励めば・・・・・」

「石隻也と言われるか。 初めてお会いしたと思いますが。 石姓ならばパミールから西方が故地の人。 私の遠祖もタシケントから来た色目人。 それに、自惚れではないのですが拳法は、私も収得ていますが・・・・・」

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 === 続く ===

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