創作; “光の庭”のうたた寝 =074=

❢❢❢ 遼王朝皇族が耶律大石、王朝再興賦 ❢❢❢

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❝ =第一章第5節_07= ; 陰山山脈の南域にて・・・・ ❞

「忠弁亮さま 私は、両親を幼い頃に宋との戦で亡くし、遠縁にあたる安禄衝さまに養われて、ご子息の安禄明さまに商いを教えられたものです」

「なんと、あの 我らがウイグルの長、安禄衝殿の身内なのですか。 一度 燕京にてお会いする機会があり、以降 西夏と遼との商いで なにかと関係が出来て鞭撻を頂いたのです。 懇意に出入りさせて頂きました。  また、私も若かったのでしょうか 見知らぬ新天地へ隊商を率いて行く仕事が面白く、危険な旅を買って出る向こう見ずな性格もあり、心身を鍛えるべく体技を修得せねばと思案の相談を何かの折に安禄衝殿いたした。 私の心底を見抜かれた安禄衝殿は紹介状を書いてくだされ、その書面を懐に五台山に走り、修行したのです」

「弁亮殿、安禄衝さまが推薦された五台山に登ぼられ、かの地で拳法修行をなされたのであれば、慧樹大師様をご存知でしょうか・・・・」

「もちろんです。 慧樹大師様から手ほどきを受けた者です。」
「えっ、慧樹大師様から・・・・ 我が師ですよ。 忠弁亮殿・・・・・」

「おや、奇縁。 されば、忠弁亮殿と我が弟楚詞とは同門の兄弟か、これは良い。 隻也、陰山での任が終われば鳥海に引き返し、チムギ共々 弁亮殿宅に世話になり、弁亮殿から学ぶ思案をいたせば商いと武を学ぶに一挙両得ではないか。 暫く伝令に走ることもなさそうだ。 あれば、多郁を走らせる。」

「統師、一挙両得・・・・・と、申されますと」 と、畢厳劉が不信義に聞いかけている。 同時に、忠弁亮が「私どもには、大石様のお身内方々と昵懇に成れることは喜びですし、商いの網が増々 広まって行く思いがいたします。 嬉しいことです・・・・」と、

「厳劉よ、楚詞と相談していたのだが、そちの帰城を期して、楚詞と五・六名の若者で北方の部族と親交を結ぶ調服の旅に出ようと考えている。 多数の将兵を伴えば、脅しに成ろう。 ボインバットも同行願ってゆるりと進む。 まずウリヤンカイ部族からだが、それ あの若者 ケレイトのグユンと言ったかな、彼もぜひ我らの北行に同行願いたいと考えている。 キルギス族、ケレイト、モンゴル、タイチウト氏族、ウリヤンギト氏族、メルキトとオイラトの族長には是が非でも合いたいと考えている。 それ故、準備ができ次第 この砦は、そなたと磨魯古、曹舜に任せたいのだ。」

「されば、磨魯古が忠弁亮殿と鳥海に向かい、可敦城に補充すべき兵站物資の調達と北方への旅への兵糧や各氏族への手土産を調達してもらう。 彼の帰城以降の出立に成ると考えているが・・・・・。 忠弁亮殿 お聞きのように、明日 耶律磨魯古と石隻也が同行して青海に降りますが、まず 陰山南麓に運び入れる兵糧のお世話と北方に向かう手見上げの調達をお世話願わねばならないが・・・・・」

「改まった、お話は無しにして、何時でも ご下命ください。 初めてお会いできました日より、大石様の夢に我が命も託しております。 いや、安禄衝様やセデキ・ウルフ様の口端に登り 聞き知った時からかも知れません。」

忠弁亮が鳥海の商人達に声を掛けて集めた蒙古高原北方の各種族への手土産を携えて、耶律磨魯古が可敦城に戻って行った。 彼の懐にはチムギが認めた耶律楚詞あての手紙もある。 彼等が高原に向かった五日後、忠弁亮と石隻也が60頭の駱駝に当面の兵糧を積んで東に進んでいた。 石隻也が先頭を騎馬で行くのだが、彼とて初めての道だ。 いや、道など無い。 左手に急な傾斜を広がる陰山山脈の裾、巴彦淖弥村落から五原の北側に広がる小石が多いゴビ砂漠の北辺、陰山の山腹がその原野に食い込み枯れた沢が幾筋も砂漠にその姿を消して行く辺りを東に進んでいる。

ラクダの積荷は兵馬の干し草と羊の乾燥肉に小麦粉である。 隻也にしてみれば、このような道なき道の踏破は両脚に頼る方が楽なのだが、並んで進む忠弁亮が駱駝の背に身を委ねて話しかけて来るのでいたし方が無いようだ。 五日の道程であろう。 寒暖が激しい砂漠の旅である。 しかし、日中は暖かく眠気をさそう。 しきりに話しかけてくる忠弁亮に眠気は起きない。 が、単調で変化の乏しい風景が続く荒地を駱駝に揺られて進むのは、隻也にとって初めての経験であり、苦痛でもあった。

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=== 続く ===

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