創作; “光の庭”のうたた寝 =095=

❢❢❢ 遼王朝皇族が耶律大石、王朝再興賦 ❢❢❢

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❝ =第一章第5節_28 ; 陰山山脈の南域にて・・・・ ❞

1125年(保大5年)寒さか緩み始めた三月中旬、長城大境門北側の基地を 耶律時と精鋭の騎馬武者十騎が、日の出前に抜け出ていた。 基地内を流れる支流を下れば、大境門脇を過ぎる渓流との合流点に至る。 乾季の時期である。 水量は少なく、本流も川床を露呈している。 瀞ですら騎馬での遡行は容易であった。 一行は川床を南に進行して、万里の長城南側に現れた。 烽火台を兼ねる見張り塔の直下は盲点であろうか、夜明け前の行動は自由である。 一団は東方に馬首を向け 居庸関に通じる間道を早駆けする。 燕雲十六州の北部を長城沿いに東行し、太陽が頭上に来たころには雁門関への登行路への交差点に達していた。 昨日、農奴としてこの地に潜伏する間者から連絡が入り、確認に来たのである。

古来、この地は突厥や回鶻(ウイグル)、に沙陀 等々 北方民族の中原への侵入路であり、激しい攻防戦が繰り広げられてきた。 雁門関周辺で起きた戦いは大小1,700回を数えるとされ、遼の時代から、防衛の要であり 北方に進攻する戦勝門であった。 金軍が五原の天祚皇帝を攻め落とす軍団を送り込むとば口はこの地か、居庸関である。 間者からの情報では200数余の騎馬兵団が集結していると伝えにきたのである。 耶律時は従えてきた諸兵を村落の森に留め置き、馴染みになっている街道宿へ単騎で向かった。 彼は宿の前で馬を繋ぎ、中に入って行った。 宿の前には、見事な鞍の六頭が脚を繋がれて馬草を食んでたのである。 それゆえ、 耶律時は危険と知りつつも、それを冒して入ったのであろう。

食卓を囲んで、六名の武将がにごり酒を飲み、手把肉をほうばっている。 一人が武者の佇まいである耶律時を目ざとく、誰何する、「どこの、なにもの 若造が・・・・」
「耶律余睹将軍の配下の者、耶律喜隠と申すが、居庸関に使いして 大原に帰任いたす途上。 昼餉を取りに・・・・」と答え、一団の引率者らしき武将に返礼しつつ答えた。

「蝙蝠のように変身する耶律将軍の配下なら、お主もあるじの顔色を見るに長けておろうが、女真のわれ等は主人を変えぬわ、女は別だが・・・・、まあよい 耶律将軍には 先の北宋との大原の戦いでお世話になった。 お主も、共に戦っていたのであろう。 そこに座って、一座に加わり 腹がくちれば大原へ戻れ・・・・・・」

「大原まで この先、一日半 急ぎでもありませんので 昼餉を相伴させていただき、今夕は朔州に宿と致します。 有難うございます。」と、時は言葉すかなく、冒頓に答礼してている。

素知らぬ顔で耳をそばだてて情報を聞き取っている時が居ないかのように 六名の武将たちは、昼間の酒の勢いか、聞かぬ問わずに 長城北側をオルドスの楡林に回りこみ燕雲十六州外縁地帯の遼の残兵と西夏の駐屯兵を一掃する任を受けての行動であることを漏らしている。 また、明日からの行動を話している。 幸運にも、おのずと目的を達した時は、礼を述べて悠然と席を離れた。 宿の前で騎馬して村落の森に駒を乗り入れた。 そこに身を伏せていた中の二名に、聞き知った情報を楡林に潜伏する耶律康阮か康這兄弟に伝える旨の使者伝令を発し、帰路に就いた。 無論、長城・大境門北側の基地は当面使えまい、十八名の諸将を分散して金の動向を探らなければ成らないと 腹案を練りつつ・・・・・・

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=== 続く ===

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