食糧危機・食の未来と貧困 =29=

◇◆ 日本の飢餓 : 阿部彩 =4/9=   ◇◆

 第二回 子どもの6人に1人が貧困に苦しむ日本の現実・・・前編 

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 阿部さんは、著書に2008年発行の『子どもの貧困』(岩波新書)があり、今年その続編となる『子どもの貧困2』(同)を上梓した。 この問題に長く取り組んできている。=前節・イラスト参照=

自分ではどうにもできないのが、子どもの貧困の深刻な点。さらに問題なのは、貧困による負の連鎖がさまざまなかたちで、その子にふりかかっていくことだ。

子どもの貧困で、まず目に止まるのが「食事が満足に与えられていない」ことである。 「小中学校の養護教員や児童養護施設などから、その実態を示す声がよく上がってきます」と阿部さんはいう。 たとえば「連日、朝食を食べずに登校する児童」「給食が1日で唯一の食事だったという子」「夏休みが明けて学校に来ると、痩せている子」がいるといった事例だ。

阿部さんは現在、新潟県立大学の村山伸子教授が行っている「世帯の経済状態と食生活の関連」についての共同研究に参加している。

そこでは、低所得世帯の児童は「休日の朝食を欠食する」「野菜の摂取頻度が低い」「インスタント麺やカップ麺の摂取頻度が高い」などの傾向が明らかに見られる。

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「食事が不十分ならば当然のこととして、子どもの健康や発達に影響が出てきます。

ところが、貧困世帯では子どもが病気になっても、医療費が払えないから病院に連れて行けないというケースも多々ある。そんなふうに、貧困が負の連鎖を生んでいきます」

先にも述べたように、日本の子どもの貧困率は16.3%。およそ子ども6人に1人の割合だから、小中学校ではひとクラスに何人かは食事に困り、医療費も払えないような境遇の子がいておかしくないことになる。 母子世帯など一人親世帯は、さらに多くの家庭が厳しい状況にさらされていると考えられる。 子どもの貧困率が、一人親世帯で5割を超えるという数値は、貧困大国といわれる米国を上回り、先進国では最低レベルだ。

「全体の子どもの貧困率では、米国は日本を上回っています。 しかし、単純に食に関していえば、まだ日本より米国のほうがましかもしれません。 フードスタンプがありますから」とも、阿部さんはいう。

フードスタンプとは、米国で低所得者向けに行われている食料費の公的扶助制度で、正式には「補助的栄養支援プログラム(SNAP)」という。 通貨と同様に使用できるクーポンが支給され、それで食料品を買うことができる。

「日本には、貧困世帯に食料費を直接的に給付するSNAPのような公的制度はありません。 現金を扶助する制度はありますが、児童手当は広く薄いので子どもの貧困対策とはなっていないし、生活保護制度も保護率は2%以下に過ぎません。 米国のSNAPは、全人口の15%を保護していますから、子どもの貧困対策で日本は大きく立ち遅れています」

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=== 続く ===

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