食糧危機・食の未来と貧困 =46=

◇◆ 日本発、次世代の緑の革命 ; 芦苅基行 =2/7=   ◇◆

 第一回 組み換えと異なるもうひとつの遺伝子技術 =中節= 

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芦苅さんはそれ以前から遺伝子をつきとめる研究をしていて、まだ助手だった2002年に、1960年代からの緑の革命でアジアのコメの生産量などを倍増させた「奇跡のコメ」と呼ばれる品種「IR8」が持つ sd1遺伝子を同定することに成功している。 「sd1は背丈を制御するのにかかわる遺伝子です。イネは背丈が高いと穂の重さによって倒れてしまうため、背丈を低くすることで倒れにくくして収量を安定させるのです。

IR8にこうした遺伝子があることは以前からわかっていましたが、その遺伝子がどこにあるかまではつきとめられていませんでした。それを本田技術研究所や理化学研究所、フィリピンの国際イネ研究所(IRRI)とともに解明したのです」  2005年には、芦苅さんはイネの米粒を増やす遺伝子gn1を発見している。粒が増えると重くなってイネが倒れてしまうため、gn1とsd1を両方取り込んだコシヒカリをつくることにも成功した。

さらに2010年には、枝分かれを促進する遺伝子WFPを発見。日本の一般的な品種「日本晴」にWFPを持つ品種ST-12を交配させたところ、約2倍の枝をつけ、粒数も大幅に増加したという。この成果は、食料危機に貢献できると米国科学誌『nature genetics』にも掲載されている。

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しかし、こうした研究こそ遺伝子組み換え作物などの新しい分野に適しているのではないかとも思われるが、芦苅さんは日本で従来行われてきた交配で品種改良することにこだわる。

「遺伝子組み換え」とは改良したい品種に特定の遺伝子を組み込む技術。遺伝子自体を操作し、まったく別の生物種の遺伝子も入れられる。たとえば、美味しいが病害に弱いイネに、病害に強いトマトの「病害に強い遺伝子」だけを導入することで、美味しくて病害にも強いイネをつくるというものだ。

対して遺伝子を利用する交配は、同じように遺伝子を組み込むことを目的とするが、品種改良のやり方は従来の交配と変わらない。たとえば、美味しいが病害に弱いイネを病害に強い遺伝子をもつイネにかけ合わせて、美味しくて病害に強いイネをつくる。

「日本では通常8月になるとイネの花が咲きます。 私の研究室では、そのタイミングを見計らって、数百種ある水田のイネからあらかじめ選んでおいた品種同士を交配させます。だから8月は寝る間もない忙しさなんですよ」

最近ようやく落ち着いてきたと笑う芦苅さんに、実際に交配の方法を見せていただいた。花が咲く寸前の株を根ごと水田から抜き出し、その穂先を43度のお湯に7分間つける。雌雄同株のイネは花が咲いた時に自家受粉を行うが、お湯につけることで雄しべが繁殖機能を失うので受粉ができなくなる。

そこへ掛け合わせたい品種の花粉を受粉させて土に戻すことで、2つの品種から成る新品種が生まれるという仕組みだ。

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