現代の探検家《小林快次》 =13=

◇◆ Great and Grand Japanese_Explorer   ◇◆

 世界中を飛び回り、恐竜の姿を求める / 小林快次 =13= 

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◇◆ 第六回 2015年調査がスタート!!  Fromカナダ・・・・ =1/3= ◇◆

 「ヨシ、来年はカナダに来いよ」

カナダ、アルバータ大学のフィリップ(フィル)・カリー教授が、コーヒーを片手に声を掛けてきた。2014年、中国河南省での恐竜シンポジウムでのことだ。  フィルとはここ数年、モンゴルでは共同で調査をしていたが、カナダでは2009年に王立ティレル古生物学博物館(Royal Tyrrell Museum of Paleontology)のサポートで行ったのが最後。それ以来、カナダには縁がなかった。

「そうだね、時間があればね」

毎年のモンゴルでの調査の折、カナダにも来るように誘われていた。しかし、私の夏はいつも他の調査で予定が詰まっていて、なかなか参加できないでいた。

「毎年、6・7月はアラスカ、8・9月はモンゴルだから」
顔をしかめながら私がそう言うと、フィルが「5月の終わりなら空いてるね」とニコリと笑う。

それがきっかけで、今年の5月はカナダ南部にある恐竜州立公園(Dinosaur Provincial Park)に行くこととなった。この公園は、恐竜の聖地である。カルガリーの南東約200キロに位置し、レッドディア川沿いに露出するバッドランド(風雨によって侵食され、峡谷状の涸れ谷になった荒地)から、700体ほどの恐竜の骨格が発見された。重要な化石が多産するため、ユネスコの世界遺産にも登録されている。

ちなみに、現在1000種類を超える恐竜に名前(学名)がつけられているが、その約75パーセントは6つの国から発見されている。米国、中国、モンゴル、アルゼンチン、英国、そしてカナダ。これらは真の「恐竜王国」といえるだろう。

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 見つけた化石をそのままに!

恐竜州立公園の北側にあるハッピー・ジャックスは、ハッピー・ジャックという牧場主が100年前に住んでいたキャビンの跡地だ。今回の調査では、その近くにテントを立てることにした。川沿いで緑も多く、キャンプには非常にふさわしいところだ。

今回の参加メンバーは、フィルが教えるアルバータ大学の大学院生やボランティアを中心にした調査隊で、総数15人ほど。キャンプのサイズとしては大きめである。私たちの胃袋を満たすキッチンテントには、約1週間分の食べ物が保管されている。少し離れたところには、調査道具や標本を一時保管するオフィステントが立っている。今回は、ここで2週間過ごすこととなった。

「ヨシ、ここがティラノサウルスの仲間、ゴルゴサウルスの全身骨格が発見されたところだよ」

フィルはそう言うと、さっさと崖の中腹に降りたが、私の目の前にはハドロサウルスの仲間の尻尾の骨が露出している。思わず、「お~」と声を上げた。ハドロサウルスの仲間の化石といえば2011年、北海道むかわ町穂別地区で14個つながった尻尾の骨を確認したが、それによく似ていたからだ。

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  「このハドロサウルス科の尻尾は・・・」と話しかけると、「最初はその尻尾を掘ろうかと思っていたんだけど、4メートル下の、ちょうど今、私がいるところから、ゴルゴサウルスの指の骨が見つかってね。 こちらを掘ってみたら、全身骨格だったんだ! それに、そのハドロサウルス科の尻尾、見ればわかる通り、尻尾の先しか残っていないから、そのままにしておいたよ。

この公園からは、ひと夏だけでいくつもの恐竜骨格化石が発見される。見つけるのも課題だけど、その中からどれを掘り出すかを決めるのが大変なんだ。  時間も資材も限られているからね」とフィル。  日本の状況から考えると、なんとも贅沢な悩みである。

この調査のミッションは2つ。歩いて新しい恐竜化石を探すこと。そして、選んだ恐竜骨格を発掘することだ。まずは「プロスペクト」という、歩いて探すことから始める。実際に何をするのかというと、崖を登り降りして、ひたすら地上に落ちている化石を探すのだ。

恐竜化石の発見パターンは2通りある。  「ボーンベッド」を見つけるか、骨格を見つけるかだ。どちらも重要だが、それぞれ私たちに伝えてくれるメッセージが異なる。

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=== 続く ===

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