民族のソウル・フード探訪 =025=

◇◆ 世界魂食紀行 ソウルフード巡礼の旅   ◇◆

【“NATIONA GEOGRAPHIC/日本語版(文=中川明紀・編集者)”に追記補講】

 ★ 冬を乗り切るモンゴルのパワー食 =1/3= 

 「ドンッ」と目の前に置かれたのは茹でた肉の塊。 胸椎の部分だろうか、幼児のこぶし大の骨にぎっしりと肉がくっついている。

9月15日から始まる大相撲秋場所の番付表を見たのがきっかけだった。 日本人力士、遠藤が初土俵から昭和以降最速で新入幕を果たしたことが話題になっているが、注目してしまうのはやはり横綱。 東に4連覇を狙う白鵬、西には日馬富士と、横綱は東西ともにモンゴル人だ。

モンゴル勢が相撲界を席巻して久しいが、なぜそんなに強いのだろう。 もしかしたら、ソウルフードにも強さの秘密があるのかもしれない。 そう考えてモンゴル人力士がよく食べにくるという、東京・文京区のモンゴル料理店「シリンゴル」を訪れた。

シリンゴルは日本人の田尻啓太さんが店長を務める。 シェフとして料理に腕を振るうのは中国の内モンゴル自治区で育ち、少年期までは遊牧生活を送っていたというモンゴル族のチンゲルトさんだ。

蒙古料理ー1

 「日本にいても食べたくなる地元のソウルフードは何ですか?たとえば口にしただけで故郷の景色がパーッと蘇るような……」

カウンターで準備を進めるチンゲルトさんに質問をぶつける。 ちょっと考えてから「これしかないね」と言って出してくれたのが、冒頭の肉の塊だった。

「これはチャンサンマハと言います」

モンゴルの言葉でチャンサンは「茹でる」、マハが「肉」の意。 「チャンサンマハ」は羊の肉を塩茹でにした料理で、「これを食べると元気になる。私に限らずモンゴル人にとって羊は最も大切なもの」なのだという。

しかし、皿の上に乗っているそれは、きれいに盛りつけられているでもなく、添え野菜があるわけでもない。まさに“茹でただけ”の状態なので下ごしらえの段階なのかと思った……驚いている様子に気づいたのか、チンゲルトさんが話し始めた。

「モンゴル人は自然とともに暮らす遊牧の民です。 食べるときも自然の味を大切にします。 調味料をいろいろ加えたら、肉本来の味も香りも損なわれてしまうでしょう。 だから味付けは塩だけ。モンゴルの伝統なんです」

緯度で言えば北海道のやや北に位置するモンゴル高原は、平均高度1500mの寒冷と乾燥の厳しい土地だ。 農耕には不向きなこの土地に住むモンゴル人は、13世紀初頭にチンギス・ハーンが築いたモンゴル帝国よりも昔からこの地で遊牧を生業としてきた。 その頃から草原に住む人びとの生活スタイルは、今と大きくは変わらない。

蒙古料理ー2

※ モンゴル料理 : モンゴル料理は伝統的に、「赤い食べ物」(オラーン・イデー)と呼ばれる肉料理と、「白い食べ物」(ツァガーン・イデー)と呼ばれる乳製品に大別される。 伝統的な遊牧の生活においては前者は冬季に、後者は夏季に食する季節サイクルを有する。 主食として小麦や米が食べられるが、量的には肉が主食並みの量を占めることも多い。 モンゴル国はソビエト連邦期のロシアと東ヨーロッパ諸国から、内モンゴル自治区は中国から、それぞれ食文化の影響を相互に受けている。  また、各地の気候による食材の違いもあり、地域毎の料理に違いが見られる。

※ 肉(食材) : 肉料理は羊肉が中心で、チャナサン・マフなどの茹でる、煮る料理と、ホルホグなどの蒸す料理が中心であるが、ボードグやショルログのように焼く料理などもある。  生食は一部の例外を除いて、ほとんど行なわない。 モンゴルの肉料理は世界の民族料理と比較して、香辛料をほとんど使わないのが特徴である。 モンゴルは寒冷な気候のため、肉の保存や消臭用の香辛料を必要としなかったという説もある。  牛肉ではボルツという干肉に調理する。  馬肉はモンゴル人よりも、モンゴル西部に住むカザフ人がよく食べる。

ラクダの肉はゴビなどの地域で主に食べられるが、豚肉 や鶏肉は、草原で放牧する家畜でなかったため、モンゴル料理にはあまり用いられない。 魚(ザガスは宗教的に禁忌とする地域もあるが、モンゴル国北部では燻製にする。  また、狩猟によってタルバガンや鹿などの野生動物を食する。

蒙古料理ー3

  === 続く ===

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民族のソウル・フード探訪 =024=

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 ★ 辛いほどに懐かしいタイの味 =3/3= 

タイ料理-6

 一瞬にして吹き出る汗、しびれる舌。おそらく顔が真っ赤になっていたのだろう、アロムさんが笑いながら教えてくれた。

「ソムタムはもともとタイの東北部、イサーンの料理なんです。  東北は乾期になると作物が育たないため、地元の人たちはみんなバンコクに出稼ぎにきました。 その人たちが故郷の味を懐かしんで作るソムタムが、いつの間にか全国で食べられるようになったんです」

イサーン料理は辛いのが特徴なんだそうだ。話に耳を傾けつつも「全然ゆるキャラじゃない!」と悶絶していたが、なかなかどうして箸は止まらない。 全体的にはさっぱりと酸味が強いのに、ほのかな甘みが味に深みをつくり、ナンプラーの風味があとを引く。 これぞ見事な調和。もう一口、あと一口だけと食べているうちに、ほとんど食べてしまった。

暑い時に辛いものを食べるのは、食欲増進や代謝アップはもちろんのこと、発汗によって体温を下げる効果がある。 アロムさんも「1年中食べる料理だけど、刺激があって頭がすっきりするから、暑さで元気がない時によく食べる」のだという。

とはいえ、アロムさんの出身は中部のスパンブリー県。 なぜ東北部の料理がソウルフードなのか問うと、こんな答えが返ってきた。

「小さい頃は両親がバンコクで働いていて、私は祖父母の家で育ちました。 祖父母の家は農家でいろいろな野菜を作っていて毎日食べていた。 だから野菜が好き、野菜をたくさん使ったソムタムが好きなんです。 それにソムタムは今では代表的なタイ料理。 私のお店に母国の味を求めてやってくるタイの人たちがソムタムを楽しみにしてくれているんですよ」

「ジェイズストア」では、伊勢佐木町界隈で働くタイ人のために料理を一律500円で販売、配達もしている(店で食べる場合は一律800円)。 「儲けは少ないけど、日本でちゃんと食材を揃えてタイ料理を作るのは難しいからね」とアロムさん。 隣で食事をしていた客のポムさんも言う。

「私は東京の東村山市に住んでいますが、週に3~4回ここに来ています。 この街には友だちもたくさん住んでいるし、家では和食ばかりなので、タイ料理を食べにね。 このお店の料理は本場のタイの味なんです。 それに種類が多くて安い。だから友だちとの待ち合わせはいつもここ。今日もこれから集まるんですよ」

「タイ人なのに辛いのが苦手で」と笑うポムさんは、ソムタムを食べる時に唐辛子の量を減らしてもらうという。 店には周囲のタイ人に聞きながら味を作り上げた料理もあるそうだ。 好みに合わせてくれるのも、店と客の良好な関係が成り立っているから。リトルタイランドに佇むこの店は、タイ人たちの心の拠り所になっているのだろう。

タイ料理-7

※ 食事の作法 : 伝統的には食事は手を使って食べられていたが、今日では、フォークとスプーンを使用するのが一般的である。 通常はフォークを左手に、スプーンを右手に持ち、フォークでスプーンの上に食品を載せて食べる。 供された料理を食べやすい大きさに切るときもスプーンを用いる。 食べ終わったら、皿の上にそろえて置くのが行儀がよいとされる。 箸の使用は汁麺を食べる際や、中華料理、日本料理のレストランで食事をする際に限られる。 器を持ち上げて食事をするのはマナー違反とされる。

主食がもち米の場合は、今日においても手を使う。 手で蒸したもち米を適量ちぎりとり、手のひらで握ってちょうど握り寿司のご飯のような円筒形の形状にととのえ、おかずにつけて食べる。 この際、インドやイスラム世界とは異なり、右手だけで食べなければならない決まりはない。 ただし古くは、バラモン文化の浸透した上流の階層において、タイでも左手は「不浄の手」として浸透している、と主張する人もあった。 しかし、上流階級の住むタイ中部においては、食事の作法はフォークとスプーンに移行して、手を用いることはなくなった。 もち米を食べる習慣がある東北地方や北部地方においては、現在においても、左手も右手と同様に使用して食事を楽しんでいる。

タイ料理-8

主な米料理と魚料理

  • カーオ・オプ・サパロッ:中をくりぬいたパイナップルを器にした炊き込みご飯。
  • カオマンガイ:鶏を丸ごと茹で、そのスープでご飯を炊いた料理。茹でた鶏を切り身にして上に乗せて供する。
  • カーオ・トム:煮込んで作る粥。
  • カーオ・マン:ココナッツミルクで炊いたご飯。
  • カーオ・モク・ガイ):タイ風の鶏肉のビリヤニ
  • カーオ・パッ:炒飯。ナンプラーで塩味をつける。
    • カーオ・パッ・プー:カニ入り炒飯。
    • カーオ・パッ・クン:エビ入り炒飯。
  • クン・オプ・ウンセン:エビと春雨の土瓶蒸し。
  • タイスキ:タイ式鍋料理。中華料理の火鍋のように肉や野菜を出汁で煮て、たれをつけて食べる。
  • プー・パッ・ポン・カリー:ぶつ切りにしたカニをカレーソースで炒め、溶き卵で閉じた料理。
  • プラーサムロッ:酸味のあるソースで和えた魚料理。
  • ホイラーイ・パッ・ナームプリッパオ:スパイスの効いたアサリの炒め物。
  • ガイ・ヤーン:鶏を一羽まるごと開いて平らにし、炭火で焼いたラーオ族の料理。
  • サテ:鶏肉や豚肉のインドネシア風串焼き。キュウリのつけだれをつけて食べる。

  === 続く ===

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民族のソウル・フード探訪 =023=

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 ★ 辛いほどに懐かしいタイの味 =2/3= 

 明治初期から繁華街として栄えた伊勢佐木町も、近年は横浜駅周辺やみなとみらい21エリアの開発などの影響で客足が減っている。 アロムさんの話とともに、切なさを帯びた「伊勢佐木町ブルース」が耳の奥で流れる。

いやいやしかし、しんみりしても暑さで吹き出る汗は変わらない。 缶ジュースで乾いた喉を潤してから、アロムさんにソウルフードを尋ねた。

「ソムタムですね」

なんだか、ゆるキャラにいそうなかわいいお名前。タイ語でソムは「酸っぱい」、タムは「叩く」という意味だとか。 どんな料理なのか聞くと、「今から作るから見においで」と台所に案内された。  作業台の上に小皿に入った材料が並んでいる。

「主役はこれです」とアロムさんが指さしたのは、千切りにされた青いパパイヤ。 ソムタムとは青いパパイヤを使ったサラダのことなのだ。 メキシコなどアメリカの熱帯地域が原産のパパイヤは、甘く熟した実を食べることが多いが、タイやフィリピンなどの東南アジア、また沖縄では熟れる前の青い状態のものを料理の食材として用いる。

クロックと呼ばれる臼にニンニクを入れ、杵でトントントンと叩くようにして潰すアロムさん。 唐辛子、ピーナッツ、ナンプラー、トマトと、材料をひとつひとつ入れながら全部叩くように混ぜていく。

「叩くことで調味料がよく混ざり合うし、パパイヤにも味が染みこむんですよ」と説明してくれる。  「タイ料理は辛いイメージが強いけど、辛い、酸っぱい、甘い、しょっぱいの4つの味覚が基本です。 ソムタムは、唐辛子が辛い、レモン汁が酸っぱい、パームシュガーが甘い、ナンプラーがしょっぱいと、4つの味を調和させた料理なんです」

4つの味覚のバランスで店や家庭ごとの味が決まるのだという。 そうこうしているうちに、最後にパパイヤを混ぜて完成。 ソムタムにはいろいろな種類があって、作ってくれたのはもっとも一般的な「ソムタムタイ」。 緑や赤と色も鮮やかでみずみずしいサラダは暑い夏でも食欲をそそる。

さっそく一口。シャキシャキとしたパパイヤの食感が心地よくさっぱりとして……って辛い!

タイ料理-4

※ 調味料 : ベトナム料理カンボジア料理などと同様に、味付けの基本は魚醤である。タイの魚醤はナンプラーと呼ばれ、アンチョビなどのを塩漬けし、発酵によって魚のタンパク質から生じるアミノ酸を豊富に含む、醤油に似た液状の調味料である。 プラーラーは魚肉の固形分を含む不透明の魚醤で、イーサーンではソムタムの味付けなどに用いられる。

ナンプラーほどではないが、カピと呼ばれる、インドネシアトラシに似た固形のシュリンプペースト(蝦醤)も用いられる。 また、プリッキーヌーと呼ばれる小粒の唐辛子が頻繁に使用される。 タイ料理に辛い料理が多いのは、このためである。 ゲーン(いわゆるタイカレーを含む汁物)にはしばしばココナッツミルクが用いられ、料理にコクをあたえている。

パクチーレモングラスカミメボウキなどの香草コブミカンの葉、ニンニク、エシャロット、ウコン(カミン)、バンウコン(カー)やオオバンガジュツ(クラチャーイ)の根茎、コリアンダーの根などをすりつぶしたペースト(クルーン・ゲーン)をゲーンや炒め物の味付けに用いる。 炒め物にはライム(マナーオ)が添えられることが多く、各自で搾って好みの酸味をつける。

中華料理の調味料は炒め物や麺料理などに用いられる。醤油は用途によってシーユー・ダム(濃口醤油)とシーユー・カーオ(淡口醤油)を使い分ける。 ダイズを発酵させた薄黄色のタオチャオ(黄醤)やオイスターソース(ソス・ホーイナンロム)も用いられる。

タイ料理では、ひとつの料理に辛味、酸味、甘味などが混ざり合い、複雑な味覚を醸し出している状態が美味とされている。このため食堂には砂糖(ナームターン)、ナンプラー唐辛子の酢漬け(プリッナームソム)、粉唐辛子(プリックポン)を入れた容器のセット(クルアンプルン)が必ず置かれ、各自が供された料理を好みの味付けに整えてから食べるのが普通である。

タイ料理-5

  === 続く ===

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民族のソウル・フード探訪 =022=

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 ★ 辛いほどに懐かしいタイの味 =1/3= 

タイ料理-1

  今夏は暑い。 とにかく暑い。 8月半ばには高知県四万十市の41.0℃をはじめ、気象庁の観測地点927のうち、実に90地点以上で史上最高気温を記録したという。 41.0℃なんて体温だったら大変じゃないか……。 暦の上では処暑を過ぎて朝晩は涼しくなってきたが、気象庁によると9月も残暑が厳しいらしい。

「よし、暑い時は辛いものを食べるに限る。辛いものと言えば……タイ料理!」

もちろんタイ料理がすべて辛いわけではないが、常夏の国であるタイ王国のソウルフードなら暑さに打ち勝つ“元気の源”があるんじゃないか。 そんな考えと辛さへの欲求を抱えて、やってきたのは横浜・伊勢佐木町。 どうやらこの界隈、知る人ぞ知る“リトルタイランド”らしいのである。

  この日の神奈川は最高気温34℃の真夏日。 突き刺すような日差しの中、街を歩いていると確かにそこかしこにタイの料理店やマッサージ店の看板がある。伊勢佐木町の商店街を過ぎるとその数はさらに増え、一区画2~3店舗が軒を連ねているところも見られるほどだ。

「この界隈にタイマッサージ店は50店舗くらいありますよ。 タイ料理屋さんもうちの近所だけで1、2、3……7軒はあるわね」

冷えたタイ産の缶ジュースを持ってきてくれながら、そう教えてくれたのは「J’s Store(ジェイズストア)」のオーナー、ホムスワン・アロムさん。 約20年前に来日したアロムさんはタイレストランで料理人として働き、10年前からこの街でタイの食材と料理の店を営んでいる。

「この辺りは以前、スナックなどの飲食店が多くてタイの女性がたくさん働いていました。 でも不景気で店がどんどんつぶれてしまって。職を失ったタイ人たちがタイ式のマッサージ店や料理店をやるようになったんです」

タイ料理-2

※ タイ料理(アーハーンタイ)とは、東南アジアタイ王国料理である。 中国カンボジアマレーシアラオスミャンマーなどの周辺諸国の料理の影響を受けており、香辛料香味野菜ハーブを多用し、辛味、酸味、甘味などを多彩に組み合わせた味付けに特徴がある。

主食はで、インディカ種の一種であるタイ米が広く食べられている。 北部や北東部では、長粒種のもち米も常食される。このため、献立には米に合うおかず(ガップ・カオ)が複数用意される。 中部タイの基本的な食事では、白米にスープ、野菜炒め、肉料理など、数品のおかずが添えられるのが一般的である。 これに対し、類は軽食という位置づけがなされる。

肉類は豚肉鶏肉が中心であり、牛肉の消費量は少ない。 アヒル肉やスイギュウ肉も食べられる。は海岸部以外ではティラピアナマズ類などの川魚が中心で、主に揚げ物、焼き物、スープに使用される。 エビ(川エビ)、カニイカ二枚貝もよく用いられる食材である。

野菜ではナスヨウサイ(空心菜)、カボチャカイランツルレイシキンサイオランダガラシエシャロットなどが頻繁に使われ、ピーナッツカシューナッツもよく添えられる。 ネジレフサマメノキ(サトー)、シカクマメ(トゥアプルー)、ジュウロクササゲも食べられる。

果物の種類は非常に豊富で、スイカバナナドリアンマンゴスチンミカンパイナップルランブータンパパイヤブンタンリュウガンマンゴーレイシパラミツレンブグアバなどさまざまである。 これらは生のままで食べるだけでなく、ジュースにして飲むことも多い。 また、熟す前の青いパパイヤやパラミツは野菜として扱われ、前者はソムタム、後者はタム・カヌーンというサラダやゲーンの具として利用される。

タイ料理-3

  === 続く ===

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民族のソウル・フード探訪 =021=

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 ★ イギリスの食卓に欠かせないソースとは =3/3= 

 グレイビーは肉を調理した際に出る肉汁に、小麦粉やワインを入れて作るのが基本だが、そのほかにもタマネギやニンニクを足したりと、その味は家庭によってさまざま。 ガースさんのグレイビーはトマトペーストをはじめ、いろいろな野菜を入れて14時間かけてじっくり煮込む。 そのグレイビーを挽き肉に混ぜることで、うま味が引き出されるのだという。

イギリス料理ー7

 「実は私の母の料理はあまり美味しくなかったんです。 シェパーズパイも、食卓に出てくるとまたこれか~なんて思っていました(笑)。 故郷はイングランド中部のコッツウォルズという町なんですが、のどかなところで当時はレストランもあまりなかった。だから大学に入ってロンドンに来たときに驚きましたよ。 世の中には美味しい料理がたくさんあるんだって」

料理の美味しさに目覚めたガースさんは、大学に通いながらいろいろなパブやレストランで働いて料理の味を知り、腕を磨いたという。 母の味の苦い思い出が根底にあるからこそ、東京在住のイギリス人たちが楽しみにする目黒タバーンのシェパーズパイが生まれたと言ったら、ガースママに失礼だろうか。

「イギリス料理がまずいと言われるのには諸説あるけれど、私はグレイビーをちゃんと作らないのも理由のひとつだと思います。 グレイビーはインスタントパウダーもあって、最近はほとんどの家がそれを使っている。 祖母の時代はみんな作っていたけれど、私の母は手を抜いていたんですよ(笑)」

そういえば、日本にも少し前の食卓には必ずうま味調味料があって、やたらとふりかけていたっけ。 便利なんだけれど、全部似たような味になってしまう感は否めない。

忙しい今の時代、楽さを求めてしまうけれど大切にすべき味があること、そしてイギリスにもこだわりの料理があることを知る一日となりました。

イギリス料理ー8

※ グレイビー : グレイビーソース(gravy)は、調理された肉から出る肉汁(jus de viande)を元に作られるソースである。 gravyとは第一義的には肉汁そのもののことである。 gravy sauceという表現は英語圏でも見られるが、gravy自体に「肉汁(gravy)から作るソース」という意味もある。

18世紀のイギリスの料理に関するテキストではグレイビーソースを基本的なソースとして紹介しているが、「多少の肉とタマネギ、スパイス類を茶色くなるまで炒めて小麦粉と水を加えて煮込む」という今日のブラウンソースのようなものだった。

今日グレイビーソースとして一般的なのは、ローストソテーなどを作った後、残った肉汁を一旦取り出し、焦げの付いたパンにワインや水、ビール、ストックを加えデグラッセする。 そこに軽く炒めた小麦粉 (ルー) や片栗粉と肉汁を徐々に戻し、滑らかになるようにゆっくりと、かつしっかりと混ぜる。より滑らかにするために牛乳生クリーム、それに野菜ジュースを足す場合もある。 また小さく刻んだ調理済みの肉を戻し、ソースの風味を増すように仕上げることもある。グレイビーソースは食べる直前に作るソースのため、あまり長時間は煮込まない。

マッシュポテトにグレイビーをかけたものは、アメリカ料理の定番である。 ステーキミートローフにも良く使われる。 また、アメリカ風ビスケットヨークシャープディングローストチキン七面鳥の詰め物、ロコモコにもかけて食べられる。 通常、鳥肉料理には白いホワイトグレイビー、赤身の肉料理には茶色のブラウングレイビーが用いられる。 野菜のみを使用した出来合のベジタリアン向けグレイビーも売られている。

イギリス料理ー9

  === 続く ===

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民族のソウル・フード探訪 =020=

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 ★ イギリスの食卓に欠かせないソースとは =2/3= 

 イギリス料理ー4

 ガースさんが教えてくれる。 なるほど、取り分けてみると確かにマッシュポテトと挽き肉の2層になっている。 シェパーズ(shepherd’s)が「羊飼いの」と訳されるように、本来は羊肉を使い、牛肉の場合はコテージパイ(Cottage=田舎の小さな家)というが、見た目は同じで現在はどちらも「シェパーズパイ」と呼ぶことが多いようだ。

「イギリスにはサンデーカーベリー(サンデーロースト、サンデーランチとも)といって、日曜日の昼食にローストした肉をみんなで食べる習慣があります。 でも、たくさん作るので肉が余ってしまう。イギリスの家庭ではどの地域でも、その肉をミンチにしてシェパーズパイを作り、翌日や翌々日に食べるんです」

だからシェパーズパイを食べると、故郷の家や小さな頃のことを思い出すんですよ、とガースさんは笑う。イギリス人は食べ物を粗末にしないんだな、と感心しながらシェパーズパイをいただいてみる。

 丁寧にすり潰し、バターとミルクがたっぷり入ったマッシュポテトはとってもクリーミー。 タマネギなどの野菜を混ぜた挽き肉は、シンプルな味付けで、肉そのものの味が口の中に広がる。 そして、その肉汁がポテトに染みこんでよりまろやかに……。 素朴だが、幼い頃に洋食屋さんで食べたような、どこか懐かしさを感じる料理だ。

とくに印象的だったのは挽き肉。 なぜこんなにジュワッとして、うま味が豊かなのだろうかとガースさんに問うと、ちゃんと秘密がありました。

「グレイビーが入っているんです。 グレイビーは肉汁を使って作るソースのことで、ローストビーフはもちろん、イギリス料理の多くにこれがかかっていたり、入っていたりする。つまり、グレイビーが料理の味を決めると言っても過言ではないんです」

イギリス料理ー5

シェパーズパイ(shepherd’s pie)またはコテージパイ(cottage pie)とは、マッシュポテトで作るパイ皮と牛肉(または羊肉)で作るイギリスのミートパイである。

コテージパイという言葉は1791年、貧困層が入手できる穀物としてジャガイモが普及した頃に使用されている(「コテージ」は、農業従事者の質素な住居より)。

初期の料理本では、この料理はローストした各種肉の残りものを使用する手段であり、このパイ料理はマッシュポテトのパイ皮のように、マッシュポテトに添えて作られた。

「シェパーズパイ」という言葉は1870年代まで使われず、それまでは具が牛肉、羊肉のいずれかにかかわらず、「コテージパイ」と同義であった。現在は一般的に「シェパーズパイ」では羊肉(マトンラム)を使う。 これは羊飼い(シェパード)は羊の番をし、牛ではないことからと推測されるが、これは通俗語源の一例である。

種類

 

  === 続く ===

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民族のソウル・フード探訪 =019=

◇◆ 世界魂食紀行 ソウルフード巡礼の旅   ◇◆

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 ★ イギリスの食卓に欠かせないソースとは =1/3= 

 イギリスにロイヤルベビー、ジョージ・アレクサンダー・ルイ王子が誕生したのは7月22日のこと。 うだるような蒸し暑さも一瞬忘れさせてくれた、おめでたいニュースだ。 ビールを片手に、パブで祝杯をあげる人びとの様子をテレビで見ていると、ある疑問が頭に浮んだ。

「イギリス料理はまずいって言うけれど本当なんだろうか」

そもそも、イギリス人は普段どんな食事をしているのだろう。 フィッシュ&チップスは有名だけれどスナックみたいだしな……などなど、気になり出したら止まらない。 そこで今回は、イギリスのソウルフードを探す旅に出かけることにしました。

イギリス料理ー1

 窓に掲げるユニオンフラッグに導かれるようにして入ったのは、東京・目黒にある店「目黒タバーン」。 U字型のバーカウンターを中央に配した店内はイギリスの家具で統一されていて、ユーラシア大陸を飛び越えて一気にロンドンにやってきたような錯覚に陥る。

「タバーンは一言で言うと“食事ができるパブ”という意味です。 東京には自分が行きたいと思う本格的なイングリッシュパブがなかったので、1998年にオープンしました」  そう話してくれたのはイギリス人オーナーのガース・ロバーツさん。 本場の酒と料理を求めて、多くのイギリス人が訪れるこの店を切り盛りするガースさんに、ソウルフードは何か尋ねるとひとつの料理を出してくれた。

「シェパーズパイです」  表面にほどよい焼き色がついたその料理は香ばしさが食欲をそそるが……あれ?「パイ」なのにパイ生地がない。

「上に盛られているのはマッシュポテト。 シェパーズパイは牛か羊の挽き肉に、パイ生地の代わりにマッシュポテトをのせて焼く、イギリスの家庭料理なんです」

イギリス料理ー2

※ フィッシュ&チップス : フィッシュ・アンド・チップス(fish-and-chips)は、イギリスを代表する料理の一つ。 タラなどの白身魚のフライに、棒状のポテトフライを添えたもの。 イギリスではファーストフードとして親しまれ、長い歴史がある。

19世紀中ごろのイギリスでは、既に魚のフライとポテト・チップスが店舗で販売されていた。 魚のフライの販売業はロンドンを発祥としており、1840年代のソーホーでは魚のフライをごく普通に購入することができた。

ポテト・チップスの販売業はランカシャーを中心とする工業地帯で始まったが、これはイギリスにおいてジャガイモを食用にする習慣は北部から広まったことに由来する。 二つのフライが「フィッシュ・アンド・チップス」として一緒に販売される形態が普及するのは1860年代以降である。

これには産業革命により急速に整備された鉄道輸送が寄与しており、ミッドランド・ディストリクトやリンカンシャーなどの地方からジャガイモと魚が大都市に運ばれることにより食文化として成立することとなった。

20世紀の初頭、ロンドンには約1200軒のフィッシュ・アンド・チップスが存在していた。 フィッシュ・アンド・チップスは庶民にとっての最初の外食産業であり、1930年代になると中流階級もフィッシュ・アンド・チップスを利用するようになる。 井戸端会議の集会場、若者のたまり場としてフィッシュ・アンド・チップスは都会の労働者階級の社交場としての地位を確立する。

パブの衰退と同時期に、パブよりも健全なたまり場であるフィッシュ・アンド・チップスの台頭が始まる。 1913年には英国国立フィッシュ・アンド・チップス協会 (The British National Federation of Fish Friers) が設立され、フィッシュ・アンド・チップスの売り込みと調理法の教育が提供された。

イギリス料理ー3

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