民族のソウル・フード探訪 =011=

◇◆ 世界魂食紀行 ソウルフード巡礼の旅   ◇◆

【“NATIONA GEOGRAPHIC/日本語版(文=中川明紀・編集者)”に追記補講】

 ★ 美食の国の母なる味 =2/3= 

 神楽坂界隈に自ずとフランス人が集まるようになったのだという。 それなら、ここに来るフランス人たちが求める“フランスの味”もきっとあるだろう。 イルベイさんに尋ねると、出てきたのは長方形をした一見素朴な肉料理。

ミンチ状の肉を固めているようで、ミートローフによく似ているが温かい料理ではなさそうだ。   「テリーヌ・ド・カンパーニュ。前菜でもっとも伝統的な家庭料理です」   なんだかオシャレな響きの名前だが、「カンパーニュ」はフランス語で「田舎」という意味。 その名のごとく、これを食べると子どもの頃、故郷で家族と囲んだ食卓を思い出すのだとイルベイさんは言う。

「昔、母がこれを切ってお皿に乗せてくれるのが楽しみだったんです」 聞けばテリーヌ・ド・カンパーニュは母の味だという。さっそくナイフを入れてみる。 身がぎゅっと詰まっていてなかなかの弾力だ。 豚肉のようだが臭みはなく、ほのかなハーブの香り。シンプルに見えて、かむほどに広がるうま味にはいくつもの素材が折り重なった深みがある。

「テリーヌとはもともと長方形をした容器の名前で、これを使って作る料理は全部テリーヌと呼ばれています。 テリーヌ・ド・カンパーニュは、豚肉と鶏のレバーを塩とハーブ、白ワインに一日漬けてミンチにし、すりつぶしたエシャロットやニンニクを混ぜます。

さらにピスタチオを入れて容器に詰め、低温でじっくり2時間ほど蒸し焼きにすれば完成。1日ほど置くと味がなじんでより美味しくなりますよ」

フランス料理ー4

※ フランス料理 : フランス料理は、16世紀にトスカーナ地方の料理の影響を受け、フランス王国の宮廷料理として発達した献立の総称。 ソースの体系が高度に発達していることが特徴で、各国で外交儀礼時の正餐として採用されることが多い。 狭義としては、こうした正餐に用いる厳格な作法にのっとったオートキュイジーヌと呼ばれる料理を指す。

もちろんフランスの各地方には一般庶民に親しまれている特徴ある郷土料理が数多くあり、広義には高級料理だけでなくこうしたフランスの伝統料理全般も含める。

「フランスの美食術」は、2010年にユネスコの無形文化遺産に登録された。 中世時代にフランスで食べられていた料理は食材を焼いて大皿に乗せ、手づかみで食事を行うという非常にシンプルなものであった。 当時の料理の詳細はヴァロワ朝の宮廷料理人ギヨーム・ティレルの著作により伺い知れる。

現在のフランス料理の原型は、ルネサンス期のフィレンツェから当時のフランス王アンリ2世に輿入れしたカトリーヌ・ド・メディシスとその専属料理人によってもたらされたと言われ、粗野であったフランス料理に、ナイフ・フォークで食事するといった作法が持ち込まれるなど、大きな変革をもたらし、ブルボン王朝の最盛期に発達した。

19世紀に入り、カレーム、彼の弟子であるグッフェ、そしてデュボワにより大きく改革された。 例えば、それまで多くの料理を同時に食卓に並べていたのを改め、一品ずつ食卓に運ばせる方式を採用した。

これは、寒冷なロシアで料理がすぐに冷めてしまうので、フランス料理の料理人が工夫したものだったが、そのほうが料理を美味しい状態で食べられるので、それがフランスに逆輸入されたと言われる。 そして、この流れはエスコフィエへと引き継がれた。

彼はコース料理を考案したり、フランス料理のバイブルといわれる『料理の手引き』を1903年に刊行。 この本は現在でもプロのシェフにとって手放せない本となっている。 その後、1930年代に、ポワン(「ラ・ピラミッド」)、アレクサンドル(「ラ・コート・ドール」)、ピックらが、エスコフィエの料理を受け継ぎながら、さらに時代にあった料理へと改良していった。 ポワンたち3人の理念は、ポワンの弟子であるボキューズ、トロワグロ兄ウーティエらに受け継がれた。

フランス料理は、イタリア料理、スペイン料理、トルコ料理、モロッコ料理など歴史的にヨーロッパ・北アフリカ・西アジア料理の影響を受けてきたが、1970年代にボキューズたちは日本の懐石料理の要素を取り入れて、さらっとしたソースや新鮮な素材を活かした調理など「新しい料理」を創造し、ミヨがこれを「ヌーベル・キュイジーヌ」と呼んで、世界中に広まった。

フランス料理ー5

  === 続く ===

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