民族のソウル・フード探訪 =017=

◇◆ 世界魂食紀行 ソウルフード巡礼の旅   ◇◆

【“NATIONA GEOGRAPHIC/日本語版(文=中川明紀・編集者)”に追記補講】

 ★ メキシコ、追憶のチョコソース =2/3= 

  「モレですね」 とチューチョさんはメキシコのソウルフードを断言する。  なんでしょう、ソレ。 名前からはまったく想像できません。   詳しく聞くと、チョコレートを使ったソースのことで、転じてそのソースをかけた料理をモレと呼ぶのだそう。

「一番好きなのは鶏肉のモレ」とチューチョさんは言うけれど、鶏肉のチョコがけって……。

怪訝な顔をしていると、奥さまで店のオーナーシェフ・滝沢久美さんが「モレ」を出してくれた。  焼いた鶏肉にたっぷりとかかっているソース、色は確かにチョコレートだ。  しかし、ほんのりと甘さが漂うものの、スパイスのような刺激的な香りも感じられる。 そっとなめてみる。最初に舌が受け止めたのはピリッとした辛み。

その意外性に驚いているとチョコの風味がやってきて、やがて深いコクへと変わる。甘みも苦みもうまく混ざり合っていてすごくまろやか。 見た目は素朴なのに、なんて味の豊かなソースなんだろう……。

モレを味わう表情がよほどニンマリしていたのだろう、久美さんが笑いながら説明する。  「モレはチョコレートにいろいろな素材を混ぜて作るんです。 唐辛子やニンニク、玉ネギ、クルミ・アーモンドといったナッツ、クミンなどのスパイスと、種類や分量はお店、家庭ごとに違うから、店の数、家の数だけレシピがあることになります」  鶏肉にはほとんど味がついていない。

テピートでは皮がパリッとするので焼いているが、茹でるだけという場合が多いそうだ。  でも、きっとそれでいいんだ。 シンプルだからこそ肉のうま味がモレと見事に絡み合う。  主役は肉ではなく、あくまでモレなのだろう。

「モレは首都・メキシコシティの南東約120kmのところにあるプエブラという町で生まれました。 プエブラは私の祖母の出身地で、モレは祖母、曾祖母と代々受け継がれてきたんです」。  鶏肉のモレをほおばっているとチューチョさんが、モレについての思いを語ってくれた。

メキシコ料理ー4

※ モーレ(モレ)の種類 :

モーレ・ポブラーノ = メキシコのプエブラ州がその名の由来であるモーレ・ポブラーノ(mole poblano、プエブラのモーレ)は、メキシコ料理で一般的なソースであり、アメリカ合衆国で「モーレ」といえばこのソースを意味する。

モーレ・ポブラーノは、唐辛子(通常、ポブラーノ (Poblano) 、パシーヤ (Pasilla) 、ムラート (Mulato) 、チポトレ)、挽いたナッツまたは種子(アーモンド、ピーナッツ、ゴマの種子)、香辛料、メキシコ産チョコレート(カカオ粉に砂糖、シナモン、場合によりナッツを混ぜたもの)、塩、および焼いたアボカドの葉、タマネギ、ニンニクなど様々な他の材料で作る。

挽いたオレガノのような乾燥させた調味料も使われる。また、ソースにとろみを付けるため、トルティーヤ、パン粉やクラッカー、マリー・ビスケット (Marie biscuit) などを混ぜる。最後に茹でた鶏肉やシチメンチョウを軽く煮込んで仕上げる。

モーレ・デ・カカワテ = モーレ・デ・カカワテ(mole de cacahuate、「落花生のモーレ」)は挽いたピーナッツとトウガラシで作り、鶏肉を煮込む。

モーレ・ベルデ = モーレ・ベルデ(mole verde、「緑のモーレ」)は、ロメインレタス(立ちレタス)、シラントロ(コリアンダーの葉)、エパソーテ(アリタソウ)、パセリ、トマティーヨ、青唐辛子などで緑色に仕上げたソースである。

モーレ・ベルデ・デ・ペピータ(mole verde de pepita)には炒ったカボチャの種が、モーレ・ベルデ・デ・カカワテ(mole verde de cacahuate)にはピーナッツが入る。ソースが出来上がったらアヒルの肉や豚肉を煮込んで仕上げる。

モーレ・ネグロ = オアハカ州のモーレ・ネグロ(mole negro、「黒いモーレ」)は、チレ(チルワクレまたはワヒーヨ (Guajillo chili) 、パシーヤ、ムラート)を種と果肉に分け、種は黒くなるまで炒ってから火であぶったトマト、クローブ、オールスパイス、タイム、マジョラム、オレガノと合わせ、別々にラードで炒めた胡麻・アーモンド・ピーナッツ・シナモン・レーズン・タマネギ・ニンニク・トトポス・パン・プランテーンを加えてミキサーにかけ、これをラードで炒める。

チレの果肉は火であぶってから湯につけてもどし、ミキサーにかけてソースに加え、さらに煮込む。最後にメキシコ産チョコレートと鶏のゆで汁を加えて煮込み、塩ゆでした鶏肉を混ぜて完成となる。

メキシコ料理ー5

※ 調理法 : モーレの調理法は様々であるが、一般的な調理法では、材料の乾燥した唐辛子、刻んだタマネギと一片のニンニクを油で軽く炒める。 乾燥唐辛子を加えて煮た鶏肉の煮汁と残りの材料をミキサーで混ぜ、大きな鍋に移し、とろ火から中火にかけてソースを混ぜ続ける。

家電製品が普及する以前は、マノ(すり棒)とメタテ(石皿)でソースの材料をすりつぶしていた。 鶏肉の煮汁と共にパン粉やクラッカー、トルティーヤ、マリービスケットをミキサーに入れ鍋に加える場合もある。 モーレを家庭で簡単に調理するための製品が小売店やスーパーマーケットで売られている。

ペーストまたは粉末で、色は材料により濃い黒から緑色、黄色の場合もある。現代のスーパーマーケットや雑貨店では、モーレは缶入り、瓶入り、または水やブイヨンで溶く固形で販売される。

グアテマラでもソースで煮込んだ肉料理をモーレと呼ぶが、「プラタノス・エン・モーレ」(plátanos en mole)というとチョコレート、トマト、トマティーヨ、レーズン、シナモン、パン粉、砂糖で甘いソースを作り、揚げたプランテン(料理用バナナ)の厚切りを加えて煮込んだデザートを指す。 エンチラーダを作る際にサルサの代わりにモーレをトルティーヤにからめると、エンモラーダ(enmolada)となる。

  === 続く ===

前節へ移行 ; https://thubokou.wordpress.com/2017/03/22/

後節へ移動 ; https://thubokou.wordpress.com/2017/03/24/

 ※ 下線色違いの文字をクリックにて詳細説明が表示されます ⇒ ウィキペディア=に移行
*当該地図・地形図を参照下さい

—— 姉妹ブログ 一度、訪ねてください——–

【疑心暗鬼;民族紀行】 http://bogoda.jugem.jp/

【浪漫孤鴻;時事心象】 http://plaza.rakuten.co.jp/bogoda5445/

【閑仁耕筆;探検譜講】 http://blog.goo.ne.jp/bothukemon

広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中