民族のソウル・フード探訪 =018=

◇◆ 世界魂食紀行 ソウルフード巡礼の旅   ◇◆

【“NATIONA GEOGRAPHIC/日本語版(文=中川明紀・編集者)”に追記補講】

 ★ メキシコ、追憶のチョコソース =3/3= 

 「いまはミキサーがあるけれど、昔は材料を石臼ですっていました。 それを煮て漉してと、とても手がかかる。 そうやって祖母が作るモレがいつも待ち遠しかった。 店の名前『テピート』はメキシコシティにある町の名前なんですが、貧しい人たちが住むスラム街のようなところ。 そこで育った私にとって、たくさんの材料が必要なモレは、誕生日や何かの記念日にだけ食べられる、高級な料理でもありました。だからモレは“おばあちゃんの味”であり、“嬉しい日に食べる特別な料理”なんです」

チョコレートの原材料であるカカオの原産地は中南米だ。 メキシコでは古代からカカオを食し、また金や銀と同じく硬貨として使うなど貴重に扱われてきた。 モレは17世紀、権力者に出すために修道院で作られたのが始まりだという比較的新しい料理だが、ハレの日に食べるのは手が込んでいるからだけではなく、メキシコ人が大切にしてきたカカオの歴史的背景もあるのかもしれない。

メキシコ料理ー6

 実はメキシコ原産の食材は多い。唐辛子、トウモロコシ、トマト、サツマイモ、インゲンマメ、アボカドなど、日本の食卓にもなじみ深いものばかりだ。唐辛子がインド料理に幅を与えたし、イタリア料理にトマトソースは欠かせない。 メキシコ(アメリカ大陸)の発見が世界の食文化に与えた影響を考えると、メキシコ料理が無形文化遺産に登録されるのも頷ける。

そのメキシコの主食はトウモロコシだ。 「モレを巻いて」と久美さんが出してくれたのは、トウモロコシをすりつぶし薄くのばして焼いたトルティーヤ。紀元前4000年前から食されてきたメキシコの国民食で、肉や魚介類、野菜から煮込み料理まであらゆるものを巻いて食べるという。いわゆる「タコス」である。

「タコスというと、揚げたトルティーヤに挽き肉とレタス、トマト、チーズを巻いたものだと思っている人もいますが、あれはアメリカで生まれた食べ方なんですよ。 いつも食卓に出て料理と一緒に食べるトルティーヤは、日本でいうごはんのようなものですから、タコスをたとえて言うなら丼でしょうか」

ごはんに天ぷらをのせれば天丼、すき焼きをのせれば牛丼になるのと同じようなものだと久美さんは言う。「モレ丼か」。モレタコスを噛みしめながらそう呟くと、メキシコの伝統料理がなんだか身近に感じられた。

※ タコス : タコスまたはタコ(スペイン語単数形:taco)は、メキシコ料理やテクス・メクス料理、ニューメキシコ料理の軽食である。メキシコを代表する料理のひとつで、メキシコ人の主食であるトウモロコシのトルティーヤで様々な具を包んで食べる、まさに国民食と言えるものである。”taco”という単語その物が「軽食」を意味する。タコスを専門とする飲食店をスペイン語でタケリーア(Taquería)という。

石灰水処理したトウモロコシをすりつぶして作る生地(トルティーヤ・マサ)を薄くのばしてコマルや鉄板で焼いたトルティーヤに具を盛り、好みでライムの汁をしぼってかけたり、サルサをかけて食べる。北部メキシコではトウモロコシの代わりに小麦粉のトルティーヤが使われることもある。

具は多岐にわたる。主にカルネ・アサダという牛肉の小さめのサイコロ・ステーキ、カルニータという焼いた(または蒸し焼いた)豚肉を細長く引き裂いた肉などの上に、刻んだ玉葱、シラントロなどが盛られる。牛タンの煮込み、ウシの脳、臓物の塩焼き、ブタの頭、鶏肉、羊肉やヤギ肉、豚肉を薄くスライスしてドネルケバブのように回転させながら焼いたアル・パストール(ドネルケバブ式の調理法はレバノンからの移民がもたらしたものである)、バルバコア、チョリソなど、具の種類は無数に存在する。

肉類以外にもエビ、フリホレス・レフリトスやチーズ、キノコ、ノパル(nopal、ウチワサボテンの若い茎節)、カラバシータ(calabacita)というズッキーニに似た瓜の雌花なども使われる。 具の内容には地域色が出ることがあり、例えばバハ・カリフォルニアを起源とするタコス・デ・ペスカード(フィッシュ・タコス)では、白身魚のフライなどが使われ、薬味としてキャベツの千切り、ピコ・デ・ガヨならびにサワークリームまたはシトラス・マヨネーズソースが使われる。

カリフォルニアではフィッシュ・タコスがしばしば屋台で販売されており、上にキャベツが乗ってコールスロードレッシングがかかっているのが特徴である。昆虫食の盛んな地域では、昆虫を具にすることもある。

メキシコ料理ー7

  === 続く ===

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