民族のソウル・フード探訪 =023=

◇◆ 世界魂食紀行 ソウルフード巡礼の旅   ◇◆

【“NATIONA GEOGRAPHIC/日本語版(文=中川明紀・編集者)”に追記補講】

 ★ 辛いほどに懐かしいタイの味 =2/3= 

 明治初期から繁華街として栄えた伊勢佐木町も、近年は横浜駅周辺やみなとみらい21エリアの開発などの影響で客足が減っている。 アロムさんの話とともに、切なさを帯びた「伊勢佐木町ブルース」が耳の奥で流れる。

いやいやしかし、しんみりしても暑さで吹き出る汗は変わらない。 缶ジュースで乾いた喉を潤してから、アロムさんにソウルフードを尋ねた。

「ソムタムですね」

なんだか、ゆるキャラにいそうなかわいいお名前。タイ語でソムは「酸っぱい」、タムは「叩く」という意味だとか。 どんな料理なのか聞くと、「今から作るから見においで」と台所に案内された。  作業台の上に小皿に入った材料が並んでいる。

「主役はこれです」とアロムさんが指さしたのは、千切りにされた青いパパイヤ。 ソムタムとは青いパパイヤを使ったサラダのことなのだ。 メキシコなどアメリカの熱帯地域が原産のパパイヤは、甘く熟した実を食べることが多いが、タイやフィリピンなどの東南アジア、また沖縄では熟れる前の青い状態のものを料理の食材として用いる。

クロックと呼ばれる臼にニンニクを入れ、杵でトントントンと叩くようにして潰すアロムさん。 唐辛子、ピーナッツ、ナンプラー、トマトと、材料をひとつひとつ入れながら全部叩くように混ぜていく。

「叩くことで調味料がよく混ざり合うし、パパイヤにも味が染みこむんですよ」と説明してくれる。  「タイ料理は辛いイメージが強いけど、辛い、酸っぱい、甘い、しょっぱいの4つの味覚が基本です。 ソムタムは、唐辛子が辛い、レモン汁が酸っぱい、パームシュガーが甘い、ナンプラーがしょっぱいと、4つの味を調和させた料理なんです」

4つの味覚のバランスで店や家庭ごとの味が決まるのだという。 そうこうしているうちに、最後にパパイヤを混ぜて完成。 ソムタムにはいろいろな種類があって、作ってくれたのはもっとも一般的な「ソムタムタイ」。 緑や赤と色も鮮やかでみずみずしいサラダは暑い夏でも食欲をそそる。

さっそく一口。シャキシャキとしたパパイヤの食感が心地よくさっぱりとして……って辛い!

タイ料理-4

※ 調味料 : ベトナム料理カンボジア料理などと同様に、味付けの基本は魚醤である。タイの魚醤はナンプラーと呼ばれ、アンチョビなどのを塩漬けし、発酵によって魚のタンパク質から生じるアミノ酸を豊富に含む、醤油に似た液状の調味料である。 プラーラーは魚肉の固形分を含む不透明の魚醤で、イーサーンではソムタムの味付けなどに用いられる。

ナンプラーほどではないが、カピと呼ばれる、インドネシアトラシに似た固形のシュリンプペースト(蝦醤)も用いられる。 また、プリッキーヌーと呼ばれる小粒の唐辛子が頻繁に使用される。 タイ料理に辛い料理が多いのは、このためである。 ゲーン(いわゆるタイカレーを含む汁物)にはしばしばココナッツミルクが用いられ、料理にコクをあたえている。

パクチーレモングラスカミメボウキなどの香草コブミカンの葉、ニンニク、エシャロット、ウコン(カミン)、バンウコン(カー)やオオバンガジュツ(クラチャーイ)の根茎、コリアンダーの根などをすりつぶしたペースト(クルーン・ゲーン)をゲーンや炒め物の味付けに用いる。 炒め物にはライム(マナーオ)が添えられることが多く、各自で搾って好みの酸味をつける。

中華料理の調味料は炒め物や麺料理などに用いられる。醤油は用途によってシーユー・ダム(濃口醤油)とシーユー・カーオ(淡口醤油)を使い分ける。 ダイズを発酵させた薄黄色のタオチャオ(黄醤)やオイスターソース(ソス・ホーイナンロム)も用いられる。

タイ料理では、ひとつの料理に辛味、酸味、甘味などが混ざり合い、複雑な味覚を醸し出している状態が美味とされている。このため食堂には砂糖(ナームターン)、ナンプラー唐辛子の酢漬け(プリッナームソム)、粉唐辛子(プリックポン)を入れた容器のセット(クルアンプルン)が必ず置かれ、各自が供された料理を好みの味付けに整えてから食べるのが普通である。

タイ料理-5

  === 続く ===

前節へ移行 ; https://thubokou.wordpress.com/2017/03/28/

後節へ移動 ; https://thubokou.wordpress.com/2017/03/30/

 ※ 下線色違いの文字をクリックにて詳細説明が表示されます ⇒ ウィキペディア=に移行
*当該地図・地形図を参照下さい

—— 姉妹ブログ 一度、訪ねてください——–

【疑心暗鬼;民族紀行】 http://bogoda.jugem.jp/

【浪漫孤鴻;時事心象】 http://plaza.rakuten.co.jp/bogoda5445/

【閑仁耕筆;探検譜講】 http://blog.goo.ne.jp/bothukemon

広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中