民族のソウル・フード探訪 =024=

◇◆ 世界魂食紀行 ソウルフード巡礼の旅   ◇◆

【“NATIONA GEOGRAPHIC/日本語版(文=中川明紀・編集者)”に追記補講】

 ★ 辛いほどに懐かしいタイの味 =3/3= 

タイ料理-6

 一瞬にして吹き出る汗、しびれる舌。おそらく顔が真っ赤になっていたのだろう、アロムさんが笑いながら教えてくれた。

「ソムタムはもともとタイの東北部、イサーンの料理なんです。  東北は乾期になると作物が育たないため、地元の人たちはみんなバンコクに出稼ぎにきました。 その人たちが故郷の味を懐かしんで作るソムタムが、いつの間にか全国で食べられるようになったんです」

イサーン料理は辛いのが特徴なんだそうだ。話に耳を傾けつつも「全然ゆるキャラじゃない!」と悶絶していたが、なかなかどうして箸は止まらない。 全体的にはさっぱりと酸味が強いのに、ほのかな甘みが味に深みをつくり、ナンプラーの風味があとを引く。 これぞ見事な調和。もう一口、あと一口だけと食べているうちに、ほとんど食べてしまった。

暑い時に辛いものを食べるのは、食欲増進や代謝アップはもちろんのこと、発汗によって体温を下げる効果がある。 アロムさんも「1年中食べる料理だけど、刺激があって頭がすっきりするから、暑さで元気がない時によく食べる」のだという。

とはいえ、アロムさんの出身は中部のスパンブリー県。 なぜ東北部の料理がソウルフードなのか問うと、こんな答えが返ってきた。

「小さい頃は両親がバンコクで働いていて、私は祖父母の家で育ちました。 祖父母の家は農家でいろいろな野菜を作っていて毎日食べていた。 だから野菜が好き、野菜をたくさん使ったソムタムが好きなんです。 それにソムタムは今では代表的なタイ料理。 私のお店に母国の味を求めてやってくるタイの人たちがソムタムを楽しみにしてくれているんですよ」

「ジェイズストア」では、伊勢佐木町界隈で働くタイ人のために料理を一律500円で販売、配達もしている(店で食べる場合は一律800円)。 「儲けは少ないけど、日本でちゃんと食材を揃えてタイ料理を作るのは難しいからね」とアロムさん。 隣で食事をしていた客のポムさんも言う。

「私は東京の東村山市に住んでいますが、週に3~4回ここに来ています。 この街には友だちもたくさん住んでいるし、家では和食ばかりなので、タイ料理を食べにね。 このお店の料理は本場のタイの味なんです。 それに種類が多くて安い。だから友だちとの待ち合わせはいつもここ。今日もこれから集まるんですよ」

「タイ人なのに辛いのが苦手で」と笑うポムさんは、ソムタムを食べる時に唐辛子の量を減らしてもらうという。 店には周囲のタイ人に聞きながら味を作り上げた料理もあるそうだ。 好みに合わせてくれるのも、店と客の良好な関係が成り立っているから。リトルタイランドに佇むこの店は、タイ人たちの心の拠り所になっているのだろう。

タイ料理-7

※ 食事の作法 : 伝統的には食事は手を使って食べられていたが、今日では、フォークとスプーンを使用するのが一般的である。 通常はフォークを左手に、スプーンを右手に持ち、フォークでスプーンの上に食品を載せて食べる。 供された料理を食べやすい大きさに切るときもスプーンを用いる。 食べ終わったら、皿の上にそろえて置くのが行儀がよいとされる。 箸の使用は汁麺を食べる際や、中華料理、日本料理のレストランで食事をする際に限られる。 器を持ち上げて食事をするのはマナー違反とされる。

主食がもち米の場合は、今日においても手を使う。 手で蒸したもち米を適量ちぎりとり、手のひらで握ってちょうど握り寿司のご飯のような円筒形の形状にととのえ、おかずにつけて食べる。 この際、インドやイスラム世界とは異なり、右手だけで食べなければならない決まりはない。 ただし古くは、バラモン文化の浸透した上流の階層において、タイでも左手は「不浄の手」として浸透している、と主張する人もあった。 しかし、上流階級の住むタイ中部においては、食事の作法はフォークとスプーンに移行して、手を用いることはなくなった。 もち米を食べる習慣がある東北地方や北部地方においては、現在においても、左手も右手と同様に使用して食事を楽しんでいる。

タイ料理-8

主な米料理と魚料理

  • カーオ・オプ・サパロッ:中をくりぬいたパイナップルを器にした炊き込みご飯。
  • カオマンガイ:鶏を丸ごと茹で、そのスープでご飯を炊いた料理。茹でた鶏を切り身にして上に乗せて供する。
  • カーオ・トム:煮込んで作る粥。
  • カーオ・マン:ココナッツミルクで炊いたご飯。
  • カーオ・モク・ガイ):タイ風の鶏肉のビリヤニ
  • カーオ・パッ:炒飯。ナンプラーで塩味をつける。
    • カーオ・パッ・プー:カニ入り炒飯。
    • カーオ・パッ・クン:エビ入り炒飯。
  • クン・オプ・ウンセン:エビと春雨の土瓶蒸し。
  • タイスキ:タイ式鍋料理。中華料理の火鍋のように肉や野菜を出汁で煮て、たれをつけて食べる。
  • プー・パッ・ポン・カリー:ぶつ切りにしたカニをカレーソースで炒め、溶き卵で閉じた料理。
  • プラーサムロッ:酸味のあるソースで和えた魚料理。
  • ホイラーイ・パッ・ナームプリッパオ:スパイスの効いたアサリの炒め物。
  • ガイ・ヤーン:鶏を一羽まるごと開いて平らにし、炭火で焼いたラーオ族の料理。
  • サテ:鶏肉や豚肉のインドネシア風串焼き。キュウリのつけだれをつけて食べる。

  === 続く ===

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