民族のソウル・フード探訪 =025=

◇◆ 世界魂食紀行 ソウルフード巡礼の旅   ◇◆

【“NATIONA GEOGRAPHIC/日本語版(文=中川明紀・編集者)”に追記補講】

 ★ 冬を乗り切るモンゴルのパワー食 =1/3= 

 「ドンッ」と目の前に置かれたのは茹でた肉の塊。 胸椎の部分だろうか、幼児のこぶし大の骨にぎっしりと肉がくっついている。

9月15日から始まる大相撲秋場所の番付表を見たのがきっかけだった。 日本人力士、遠藤が初土俵から昭和以降最速で新入幕を果たしたことが話題になっているが、注目してしまうのはやはり横綱。 東に4連覇を狙う白鵬、西には日馬富士と、横綱は東西ともにモンゴル人だ。

モンゴル勢が相撲界を席巻して久しいが、なぜそんなに強いのだろう。 もしかしたら、ソウルフードにも強さの秘密があるのかもしれない。 そう考えてモンゴル人力士がよく食べにくるという、東京・文京区のモンゴル料理店「シリンゴル」を訪れた。

シリンゴルは日本人の田尻啓太さんが店長を務める。 シェフとして料理に腕を振るうのは中国の内モンゴル自治区で育ち、少年期までは遊牧生活を送っていたというモンゴル族のチンゲルトさんだ。

蒙古料理ー1

 「日本にいても食べたくなる地元のソウルフードは何ですか?たとえば口にしただけで故郷の景色がパーッと蘇るような……」

カウンターで準備を進めるチンゲルトさんに質問をぶつける。 ちょっと考えてから「これしかないね」と言って出してくれたのが、冒頭の肉の塊だった。

「これはチャンサンマハと言います」

モンゴルの言葉でチャンサンは「茹でる」、マハが「肉」の意。 「チャンサンマハ」は羊の肉を塩茹でにした料理で、「これを食べると元気になる。私に限らずモンゴル人にとって羊は最も大切なもの」なのだという。

しかし、皿の上に乗っているそれは、きれいに盛りつけられているでもなく、添え野菜があるわけでもない。まさに“茹でただけ”の状態なので下ごしらえの段階なのかと思った……驚いている様子に気づいたのか、チンゲルトさんが話し始めた。

「モンゴル人は自然とともに暮らす遊牧の民です。 食べるときも自然の味を大切にします。 調味料をいろいろ加えたら、肉本来の味も香りも損なわれてしまうでしょう。 だから味付けは塩だけ。モンゴルの伝統なんです」

緯度で言えば北海道のやや北に位置するモンゴル高原は、平均高度1500mの寒冷と乾燥の厳しい土地だ。 農耕には不向きなこの土地に住むモンゴル人は、13世紀初頭にチンギス・ハーンが築いたモンゴル帝国よりも昔からこの地で遊牧を生業としてきた。 その頃から草原に住む人びとの生活スタイルは、今と大きくは変わらない。

蒙古料理ー2

※ モンゴル料理 : モンゴル料理は伝統的に、「赤い食べ物」(オラーン・イデー)と呼ばれる肉料理と、「白い食べ物」(ツァガーン・イデー)と呼ばれる乳製品に大別される。 伝統的な遊牧の生活においては前者は冬季に、後者は夏季に食する季節サイクルを有する。 主食として小麦や米が食べられるが、量的には肉が主食並みの量を占めることも多い。 モンゴル国はソビエト連邦期のロシアと東ヨーロッパ諸国から、内モンゴル自治区は中国から、それぞれ食文化の影響を相互に受けている。  また、各地の気候による食材の違いもあり、地域毎の料理に違いが見られる。

※ 肉(食材) : 肉料理は羊肉が中心で、チャナサン・マフなどの茹でる、煮る料理と、ホルホグなどの蒸す料理が中心であるが、ボードグやショルログのように焼く料理などもある。  生食は一部の例外を除いて、ほとんど行なわない。 モンゴルの肉料理は世界の民族料理と比較して、香辛料をほとんど使わないのが特徴である。 モンゴルは寒冷な気候のため、肉の保存や消臭用の香辛料を必要としなかったという説もある。  牛肉ではボルツという干肉に調理する。  馬肉はモンゴル人よりも、モンゴル西部に住むカザフ人がよく食べる。

ラクダの肉はゴビなどの地域で主に食べられるが、豚肉 や鶏肉は、草原で放牧する家畜でなかったため、モンゴル料理にはあまり用いられない。 魚(ザガスは宗教的に禁忌とする地域もあるが、モンゴル国北部では燻製にする。  また、狩猟によってタルバガンや鹿などの野生動物を食する。

蒙古料理ー3

  === 続く ===

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