民族のソウル・フード探訪 =026=

◇◆ 世界魂食紀行 ソウルフード巡礼の旅   ◇◆

【“NATIONA GEOGRAPHIC/日本語版(文=中川明紀・編集者)”に追記補講】

 ★ 冬を乗り切るモンゴルのパワー食 =2/3= 

蒙古料理ー4

 放牧するのは馬、牛、ラクダ、羊、山羊の5種類の家畜。 馬は広大な草原を移動する乗り物となり、牛は荷物を運ぶ牽引力。  寒さに強いラクダは冬に馬や牛の代わりを務めて、羊や山羊は食料となり衣類となる。  そしてすべての家畜から搾乳して乳製品をつくる。  家畜は遊牧民の衣食住の多くをまかなっているのだ。 中でも羊はモンゴル人の主食であり、長くて厳しい冬を越すためのパワーの源となるのだという。

「12月になると冬を越すのに必要な分だけ羊を『出し』ます。 マイナス40℃にもなるところだから、外に氷の冷凍庫をつくって生の肉を保存し、毎日少しずつその肉を茹でて食べる。 羊の肉はエネルギーがすごい。 身体を温めてくれるし、食べ過ぎると顔に赤い吹き出物ができるほどです」

チンゲルトさんは羊をほふることを表現するときに「出す」という言葉を使った。 力を与えてくれる自然の恵みなのだから、「殺す」という言葉は適さないのだそうだ。

話を聞くにつれ、「ただの塩茹で」だと思っていたことが恥ずかしくなる。  生きるための糧として感謝の念があるからこそ、シンプルにいただくのが一番なのだろう。  「いただきます」と手を合わせて、チャンサンマハを口に入れる。

脂が乗った肉は口の中で崩れるほどやわらかく、ほのかな塩味がうま味を引き立てている。 やがて羊特有のにおいが鼻腔に広がり、風味をより豊かなものにする。  遊牧民の羊肉の調理法は「茹でる」か「蒸す」に限るそうだ。  これも肉の味を大事にするからであり、彼らに言わせると焼いた羊の肉は美味しくないらしい。

蒙古料理ー5

 「モンゴルでは地方によって肉の風味が違います。 羊のエサとなる草の種類が異なるからです。 たとえば私が住んでいた内モンゴル自治区だけでも、西に行くとシャボクという低木が多く、ここで放牧された羊はシャボクの香りがする。 また東部にはアイクという香りの強い灰色の草が生えていて、羊の肉にその香りや味が出る。 だから、モンゴル人はどこの羊か食べればわかるんですよ」

草が調味料の役割を果たしているのかもしれないね、とチンゲルトさん。 とはいえ遊牧民の冬の食事は、このチャンサンマハとスーテー茶(塩入りミルクティー)が中心。 春になって肉の保存ができなくなると、残りの肉を干し肉にしてかじりながら、乳製品を食べて次の冬まで過ごす。 小麦粉が流通してからはうどんやボーズ(羊の肉入り蒸し饅頭)も食べるようになったが、野菜はほとんど食べない。

※ 乳(食材) : モンゴルでは「5種類の家畜」と呼ばれる、牛、馬、駱駝、羊、山羊、およびヤクから、それぞれ搾乳れる。 地方によって異なるが、乳製品は一般的にはウシの乳を中心に生産される。 ウマの乳は発行させて、アイラグ(ツェゲー)として利用される。 伝統的には生乳を飲むことは少ない。 乳製品は、加熱、撹拌、静置、分離、濾過、発酵、成型、乾燥などのプロセスを通じて加工され、きわめて多くの種類がある。  クロテッドクリーム状のウルム(өрөм)や固形状のアーロールなどがある。

※ 野菜(食材) : 内モンゴル自治区およびモンゴル国北部を中心に栽培され、現在のモンゴル料理では一般的な食材になっている。 ジャガイモ、 玉葱、人参、カブ(マンジン)、キャベツなどの寒冷地に適した野菜の他に、キュウリ、トマトなどの夏野菜や、チャチャルガンなどの果実も栽培されている。 地方によっては、野生のニラやタマネギ、ニンニク、キノコ、松の実、ベリー類などを採取し食用とする。 煮物にする以外に、一部はロシア料理の影響からサラダにもされる。

※ 穀物(食材) : 小麦粉からはボーズホーショールなどの具材を包む料理や、麺にして、ツォイバンやゴリルタイ・シュルなどの麺料理、バンタンなどのスープ料理、ボーヴなどの揚げ菓子が調理される。 米は白米を炊飯するほか、さらにボダータイ・ホーラガ(肉焼き飯)などに調理する。

蒙古料理ー6

 === 続く ===

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