民族のソウル・フード探訪 =027=

◇◆ 世界魂食紀行 ソウルフード巡礼の旅   ◇◆

【“NATIONA GEOGRAPHIC/日本語版(文=中川明紀・編集者)”に追記補講】

 ★ 冬を乗り切るモンゴルのパワー食 =3/3= 

蒙古料理ー7

 肉中心のそんな偏った食生活でも、馬の乳で作るお酒「馬乳酒」にビタミンCが含まれていたり、チーズからカルシウムや亜鉛を摂取したりと、栄養バランスは上手く成り立っているらしいが、そもそも毎日同じ羊肉で飽きないのだろうか。

そう問うと、「日本の生活も長いし、和食は美味しくて刺身なんかも大好き。 でも、やっぱり羊の肉を食べないとパワーが出ないし、食事をした気がしない。 だから今も毎日のように食べています。 日本のお米みたいになくてはならないものですね」とのお答え。 モンゴル人はみんな同じなのだろうか、店には定期的にチャンサンマハを食べに来る力士もいるという。

モンゴル人は羊の肉を食べながら何百年にもわたって命を受け継いできたのだ。 そういえば小さい頃、ご飯粒を残すと親に「農家の人が一生懸命作ったのだから一粒残さずに食べなさい」と怒られた。 日本人も弥生時代から稲を作り、米を食べ続けている。 遊牧民と農耕民族の違いはあれど、その食べ物に宿るスピリットは同じなのかもしれない、と羊肉を食べながら思う。

「でも、モンゴルの食も最近はだいぶ違ってきていますよ」とチンゲルトさん。 「私は遊牧民だったので羊とともに暮らし、毎日その恵みをいただいてきたけれども、都市部の人たちは野菜や魚も手に入るからいろいろなものを食べているんです」

モンゴルでは1990年の民主化以降、急速な経済発展を遂げる中で遊牧の暮らしをやめて都市に流入する人が増えている。 都市部にはいろいろな国のレストランもあるし、マクドナルドもできて、若者を中心に食文化が変わってきているという。チンゲルトさんと同じく「シリンゴル」で働く、モンゴルの首都ウランバートル出身の留学生・アユールザナさんは言う。

「僕たちの世代はスーテー茶よりジュースが好きだし、野菜も食べます。 市場では羊の肉が一番高いから、チャンサンマハはお正月やお祝いのときに食べる特別な料理。 よく食べるのは羊の肉とジャガイモが入ったうどんです。 だからモンゴルでは羊の肉そのものをそれほど食べたいと思いません」

でも、とアユールザナさんは最後にこう付け加えた。 「日本にいるとやっぱり羊の肉が恋しくなります」。 かつての日本がそうであったように、転換期を迎えているモンゴルでは、これからも食生活はどんどん変わっていくのだろう。 だが、ご飯粒一粒と同様、羊の肉への感謝の念は親から子へと受け継がれていくに違いない。

蒙古料理ー8

※ 代表的なモンゴル料理 : 

《食べ物》 : チャナサン・マフゆで肉  / ホルホグ蒸し肉  / ボードグ丸焼き肉  / ショルログ – 焼き肉  / ツォトゥガサン・ゲデス内臓の腸詰め  / ザイダス – ソーセージ / ヒヤム – ハム / ボーズ –  肉まん / バンシェ – 水餃子 / シャルサン・バンシュ揚げ餃子  / ホーショイル – ミートパイ  /  シォイパイ – 羊肉と野菜入り蒸し焼うどん / バンシタイ・ツァイミルクティーで煮たスープ餃子 / バンタン肉シチュー  / ボダータイ・ホーラガ肉入り焼きうどん / ボダータイ・ツァイミルクティー茶漬け / スーテイ・ボダーミルクご飯  / ゴリヤシ- 肉煮込みのワンプレート・ランチ  / テフテリ - 肉団子 / ボールツォグ - 揚げパイ菓子  / ゴリルタイ・ショル羊肉と麺のスープ / ノゴートイ・ショル野菜と肉のスープ  / ニースレル・サラート ポテトサラダ / ローワンギーン・サラート人参サラダ  / ウルム - クロテッドクリーム  / アーロール- アールツを干した固形乳 

タルタルステーキ: タルタルにはモンゴル人という意味もあるが、モンゴル人は肉を生食しない。
ジンギスカン: 実は日本料理である。
羊肉のシャブシャブ : 「涮羊肉」(シュアンヤンロウ)という北京料理である。 モンゴル人は肉を塊で食べることを好み、薄くスライスした肉は紙のようだとしてかつては敬遠されていた。 現在でも首都ウランバートルでは、しゃぶしゃぶ料理は浸透していない。  内モンゴルでは、フビライ・ハーンに戦中に供されたという説話が、飲食店などで記載されている。

蒙古料理ー9

 === 続く ===

前節へ移行 ; https://thubokou.wordpress.com/2017/04/01/

後節へ移動 ; https://thubokou.wordpress.com/2017/04/03/

 ※ 下線色違いの文字をクリックにて詳細説明が表示されます ⇒ ウィキペディア=に移行
*当該地図・地形図を参照下さい

—— 姉妹ブログ 一度、訪ねてください——–

【疑心暗鬼;民族紀行】 http://bogoda.jugem.jp/

【浪漫孤鴻;時事心象】 http://plaza.rakuten.co.jp/bogoda5445/

【閑仁耕筆;探検譜講】 http://blog.goo.ne.jp/bothukemon

広告