民族のソウル・フード探訪 =029=

◇◆ 世界魂食紀行 ソウルフード巡礼の旅   ◇◆

【“NATIONA GEOGRAPHIC/日本語版(文=中川明紀・編集者)”に追記補講】

 ★ スリランカ美女も目がない、ホッパーとは!? =2/3= 

スリランカ料理ー4

 周りはパリパリとして香ばしいのに、中心部はもちっとした蒸しパンのようで、2つの食感が楽しめるのもおもしろい。 食べ続ける私たちの様子を見て「美味しいでしょう」とイーシャさん。 「カレーなどをつけて一度に5~6枚、多い人は10枚くらい食べちゃいますね。卵をからませて食べる『エッグ・ホッパー』も人気です」。

それにしても、どうやってお椀型にするのだろう。 そう問うと「専用のお鍋があるんですよ」とサンジさんが教えてくれる。 「ホッパーはお米の粉を使うんですが、材料も鍋も日本ではなかなか手に入らないので、つくるのが難しいんです」。 ホッパーの本場スリランカではどこの家庭にも鍋があり、朝起きると母親が焼いてくれるのだという。

専用鍋を見せてくれたのは、フェスにも出店していた東京・中目黒にあるスリランカレストラン「Ceylon Inn(セイロンイン)」の店長・アジットさんだ。 直径約15cmのまさにお椀型。 これにクレープのように薄く生地を敷いて焼くのだが、くぼんでいる真ん中に生地が集まるため、周りは薄くパリパリに、真ん中はふんわりと仕上がるのだという。

「この鍋がないとホッパーの食感が生まれません」とアジットさん。ほかには使い道がなさそうな鍋をどの家庭も持っているというのだから、本当に生活に溶け込んだ食べ物なのだろう。アジットさんは続いて作り方を説明する。

「まず、お米を砕いて粉状にします。そこにココナッツミルクと塩を混ぜ、ココヤシの花でつくったにごり酒を入れて発酵させる。 発酵は5時間、長くても短くてもだめです。ふっくらとしないし、酸味も出ませんから」

発酵が必要なのはパンと同じだけれど、米粉を使うのは米が主食である国だからこそか。 紅茶のイメージが強いスリランカだが、農作物の生産量は米がもっとも多く、年間387万トンと紅茶33万トンの10倍以上にあたる(FAO 2011年統計)。 ホッパーのほかにも、米粉を麺状にして蒸した「ストリング・ホッパー」などさまざまな食べ方があるという。

「米の種類もたくさんあります。ホッパーにはラトゥキャクルハール(赤い米)を使うことが多いですね。 ビタミンB群が豊富で健康にもいいんですよ。 一度、日本のお米でつくってみましたが、ねっとりしてしまって上手に焼けなかったので、ラトゥキャクルハールの粉を取り寄せてつくります」

ココナッツもまた大切だとアジットさんは言う。ココナッツが実るココヤシは熱帯アジアからオセアニアに広く分布し、スリランカでは紅茶、ゴムとならぶプランテーション作物として発展した。現在でも米に続く生産量を誇り、主要な輸出品のひとつでもある。かの亀の子束子もスリランカのココナッツの繊維が使われているそうだ。

スリランカ料理ー5

※ スリランカの主な料理、その一

ライス・アンド・カレー

カレーは煮込み料理全般を指し、特定の料理を指す呼称ではない。 スリランカは魚の煮込み料理が多く、豊富な香辛料で味付けをしたものが英語で一般に「カレー」と呼ばれている。 魚以外では、ダール(二つに割って去皮した小粒の豆類)や未熟なパラミツ、野菜、ゆで卵、鶏肉、豚肉、牛肉、海老、蟹、烏賊も使われる。 ライス・アンド・カレーというと米飯と煮込み料理数種、パーパド、サンボール(チャツネ)のセットを指し、スリランカの国民料理とされる。

◎作り方(鶏肉カレー)

  1. まず香辛料を石臼で挽く。香辛料は生のものを用いる。 石臼は一般的な家庭にもあり、新鮮な香辛料を利用することが多い。
  2. 鶏肉に香辛料をすりこむ。
  3. 油を熱してタマネギを炒め、鶏肉を入れる。火が通ったらモルジブ・フィッシュとスープ、ココナッツミルクを入れて煮る。

以上のように作り方はシンプルであるが、多くの場合食卓には数種類の料理が並び、香辛料の調合も素材に合わせて変えるため、家庭の味や店の味が出るところである。

魚のガルツ : 魚の身をほぐしてマッシュポテト、刻み玉葱や唐辛子と混ぜ、パン粉をまぶして揚げたコロッケ風の料理。

マッルン : 野菜(キャベツ、ケール、ココナッツ、未熟なパラミツなど)を刻んで香辛料やココナッツ、モルジブ・フィッシュなどと蒸し炒めにした料理。

キリバット : キリ(ミルク)のバット(ご飯)の意で、その名のとおりココナッツミルクで炊いたご飯。 特にお祝い事などでよく食される。

≪ホッパーまたはアーッパ は、南インドのクレープ様の料理である。  中央に卵をのせるとエッグホッパービッタラ・アーッパ)になる。 作り方は、米をオーブンで軽くローストしてからフードミキサーで粉にしてココナツミルクと混ぜる。 一晩寝かせた後、鍋に薄くひいて焼き上げる。≫

アーッパ(ホッパー) : 米粉を練った生地を発酵させて焼いたパン。 中心が厚くふわっとしており、周辺が薄くサクサクとした食感。

インディ・アーッパ(ストリング・ホッパー) : 米粉を練って、数十の穴が開いた器具に入れて、スクリュー式に押し出して作るライスヌードル。 皿に乗せて蒸し、おかずと共に食べる事が多い。 ピラウや菓子の素材ともされる。

スリランカ料理ー6

 === 続く ===

前節へ移行 ; https://thubokou.wordpress.com/2017/04/03/

後節へ移動 ; https://thubokou.wordpress.com/2017/04/05/

 ※ 下線色違いの文字をクリックにて詳細説明が表示されます ⇒ ウィキペディア=に移行
*当該地図・地形図を参照下さい

—— 姉妹ブログ 一度、訪ねてください——–

【疑心暗鬼;民族紀行】 http://bogoda.jugem.jp/

【浪漫孤鴻;時事心象】 http://plaza.rakuten.co.jp/bogoda5445/

【閑仁耕筆;探検譜講】 http://blog.goo.ne.jp/bothukemon