民族のソウル・フード探訪 =031=

◇◆ 世界魂食紀行 ソウルフード巡礼の旅   ◇◆

【“NATIONA GEOGRAPHIC/日本語版(文=中川明紀・編集者)”に追記補講】

★ パラグアイの子供が最初に覚える料理とは =1/3= ★

パラグアイ料理ー1

 虫の音が聞こえ始めた9月の半ば、私は生まれ育った地、東京・江東区に立っていた。 とはいえ、自身のソウルフードを求めてやってきたわけではない。 有明の東京ビッグサイトで「JATA旅博2013」なるものが開催されていると聞いたからだ。

自国の自然や文化などを広くPRするこのイベントには、154の国と地域から大使館や観光局、航空会社、旅行会社などが参加。のべ13万人以上の来場者で賑わったという。 かくいう私も、まだ見ぬ新たな国のソウルフードとの出会いを期待して、13万人のうちの一人として足を踏み入れたのだ。

会場内はアジアやヨーロッパ、アフリカなどの地域に分かれ、その中に国ごとのブースが並んでいる。 中・南米ゾーンを訪れた私は、パラグアイブースで振る舞われていた一口サイズの食べ物をひとつもらった。 見た目はパンのようだが、もちもちとしていてチーズの味があとを引く。 これは何かと尋ねると、ブースのスタッフはにっこり笑って教えてくれた。

「チパといって、パラグアイ人の大好物なんです」

パラグアイでは毎日といっていいほど食べられているという、このチパ。スタッフによると、日本でも珍しいパラグアイ料理店がつくったもので、その店は今回の旅博にも出店しているそうだ。

口に残るチパの風味に引き寄せられるように、人混みをかき分けてフードコートにやってくると、パラグアイ料理店「ユウキレストラン」の屋台には現地の人だと思われる彫りの深い顔をした青年が店番をしていた。 パラグアイってスペイン語だよな……と曖昧ながらも「ブエナス・タルデス!」と声をかける。

「あ、ども。こんちは」  なんとも流ちょうな日本語ではないか……。

驚いた表情を察したのか、青年は話を続ける。

「自分、母親がパラグアイ人で父親が日本人のハーフなんすよ。 名前は内山貴雄(たかのり)、21歳です。 日本生まれの日本育ちで、スペイン語は話せないっす」

軽快なトークに純和風な名前。気のいいあんちゃんといった風情のイマドキの若者だ。店頭に並ぶチパを指さして、「さっき、ひとついただいたんです」と言うと、「マジっすか!」と声のトーンが上がる。「チパはパラグアイでは欠かせない食べ物で、店でも人気なんです。 今日もパラグアイの人や大使館スタッフがたくさん買いにきてくれましたよ」

パラグアイ料理ー2

※ キャッサバ : キャッサバが栽培されている地域では、甘味種は根菜として扱われている。 調理法は蒸す、茹でる、揚げるなど。 薄くスライスしたキャッサバを揚げたキャッサバチップスも作られる。アフリカでは火を通したキャッサバをつぶしてウガリフフが作られる。 ブラジルでは、キャッサバの粉を炒めたファリーニャ(「製粉」という意味)といわれる粉を香ばしい食材として用いたり、同じくキャッサバの粉をバターやきざんだベーコンで炒めたファロファfarofa)を肉料理のつけあわせによく添える。

また、キャッサバの粉を用いたパン(例:ブラジルのポン・デ・ケイジョ、ボリビアのクニャペやパラグアイのチパ)など、キャッサバ粉を用いた料理が庶民の食べ物として親しまれている。

根茎から製造したデンプンはタピオカと呼ばれ、球状の「タピオカパール」に加工してデザートの材料や飲み物のトッピングとして使われる。

ポン・デ・ケイジョ / チパは、起源がいつ頃かは定かでないが、18世紀にはすでに存在したと考えられており、1950年代頃からブラジル全土に広く普及し、今日では、パン屋はもとより、街中の軽食店からバー、空港や長距離バスターミナルなど、あらゆる場所で目にする食べ物となっており、専門に扱うチェーン店も存在する。

家庭でも作られ、地域差はあるが、朝食の定番のひとつとなっている。 一般的に、コーヒーとの組み合わせで食べることが多い。

表面はパリっと堅く、中は柔らかいという独特の食感と味わいがある。 キャッサバ粉、鶏卵、塩、牛乳、食用油、チーズを材料とし、米国風ビスケットにも似る。 大きさは4~7センチ程度のものが主流である。

レシピは必ずしも統一されておらず、チーズをはじめ使用する原料の種類にも影響されるため、結果的に、味と種類は多岐に及ぶ。 主なバリエーションとしては、砂糖を使ったものや、その逆に塩をつかったもの、あるいは砂糖と塩の両方で味付けしたものなどもある。

パラグアイ料理ー3

 === 続く ===

前節へ移行 ; https://thubokou.wordpress.com/2017/04/05/

後節へ移動 ; https://thubokou.wordpress.com/2017/04/07/

 ※ 下線色違いの文字をクリックにて詳細説明が表示されます ⇒ ウィキペディア=に移行
*当該地図・地形図を参照下さい

—— 姉妹ブログ 一度、訪ねてください——–

【疑心暗鬼;民族紀行】 http://bogoda.jugem.jp/

【浪漫孤鴻;時事心象】 http://plaza.rakuten.co.jp/bogoda5445/

【閑仁耕筆;探検譜講】 http://blog.goo.ne.jp/bothukemon

広告