民族のソウル・フード探訪 =037=

◇◆ 世界魂食紀行 ソウルフード巡礼の旅   ◇◆

【“NATIONA GEOGRAPHIC/日本語版(文=中川明紀・編集者)”に追記補講】  9p見だし⑤グレー色

★ 辛すぎるほど飯がすすむ!! ブータン料理 =1/3= ★ 

ブータン料理ー1

 雨が降る肌寒い休日、傘の中に身を縮めるようにして私は待ち合わせ場所に向かっていた。

事の発端はとある記事。 世界一辛い唐辛子としてギネスブックに認定されている「トリニダード・スコーピオン・ブッチ・テイラー」を上回る激辛の唐辛子が、今年アメリカで発見されたという記事を読んだことに始まる。

「キャロライナ・リーパー」と名付けられたその唐辛子は、300万スコヴィルというスコーピオンの倍以上の数値を出したそうだ(スコヴィルは唐辛子の辛さの単位)。 日本でスナック菓子に使われてブームを巻き起こしたハバネロですら約30万スコヴィルというのだから、「触っただけで悶絶しそう……」なんて苦笑いをしながら読んでいたのだが、ふとあることを思い出した。

 2011年にブータン王国の国王夫妻が来日したとき、「ブータンの料理は世界一辛い」と話題になったことだ。スコヴィル値はさておき、ブータンでは料理に唐辛子を使うのが基本で、国民はみんな唐辛子が大好きなのだとか。 ということは、ブータン料理のソウルは唐辛子にあるのか。 がぜん確かめたくなった私は、日本に留学中のブータンの女性と食事をする機会を得て、東京・代々木上原のブータン料理店「ガテモタブン」へと歩を進めていたのだ。

先に到着していたレキ・チョデンさんは優しい笑顔で迎えてくれた。 2011年の春に来日し、横浜の大学で移動通信技術を専門に学んでいるという。着席してさっそく、「ブータン人はみんな唐辛子が好きなんですか」と率直な質問をぶつけると、彼女はにっこり笑って答えてくれた。

「好きですよ。 ほとんどの料理に入っていて、毎日食べています。 唐辛子がないと食べた気がしないというか、ブータンでは唐辛子のない生活なんて考えられません」。 確かにガテモタブンのメニューはスープや煮込み料理、サラダまで見事なほどに唐辛子が入っている。 それに、ブータンの市場では家族で消費するのでも唐辛子はキロ単位で買うのが普通だし、小腹が空いたらそのままポリポリかじったりもするとか。 でも、そんなに食べて辛くはないのだろうか……。

「辛いという感覚はあります。 でも物心つく前から食べているので辛いのが大好きだし、美味しいと思う」とレキさん。 「それに、唐辛子って例えば日本や韓国だとスパイスとして使われることがほとんどだけど、ブータンでは野菜として食べるんです。 ブータンの家庭で毎日のように出される料理がまさにそう。 一緒に食べましょう。 私が一番好きな料理でもあるんです」

そう言って、レキさんは料理をオーダーした。 しばらくして運ばれてきたのはなんと、ホワイトシチューのようなスープの中に、丸ごともしくは半分に切った唐辛子がどっさりと入っている料理だった。

「エマ・ダツィです」

ブータン料理ー2

ブータンの食べ物 :ブータンの主食は米で特に赤米を好む。調理は湯取り法である。 標高の高いブムタン地方では蕎麦栽培も盛んだが、古い時代から低地のモンガル地方との関係を持ち、米食を維持している。 平均的な男性で一日に1kgの米を食べると言われている。

ブータン料理で特筆すべきは、トウガラシ(エマ)の多用である。 これを香辛料ではなく野菜として大量に食べる。このため、世界で一番辛い料理だと表現されることもある。 外国人が辛さに弱いことをブータン人は理解しており、観光客用の食事は辛さを抑えたものとなっているのが普通である。 また、乳製品も豊富に使われ、カッテージチーズに近いダツィやバターも多用される。

照葉樹林気候にあるブータンではキノコ(シャモ)も主要な食材である。日本人が珍重するマッタケ(サンゲシャモ)も手に入るが、香りが薄く輸入量は少ない。

代表的な料理は、エマダツィ(トウガラシとチーズの煮込み)、ケワダツィ(ジャガイモとトウガラシの煮込み)、パクシャ・パー(豚肉とトウガラシの煮込み)、イズィ(トウガラシとチーズを和えたサラダ)、モモ(チベット風餃子)など。 ブムタン地方の郷土料理として蕎麦粉を使った押し出し麺(プタ)やパンケーキ(クルワ)がある。

茶請け菓子としては、ザウ(いり米)、シプ(米をつぶして乾燥させたもの)、ゲザシプ(トウモロコシをつぶして乾燥させたもの)などがあり、バター茶やミルクティーとともに愛好される。

このような食文化は遊牧民的な生活スタイルと、農耕民的な生活スタイルが融合したものだと考える学者もいる。 最近はインド料理、西洋料理の影響を受け、ブータンの食材をアレンジした新しい料理がホテルを中心として登場している。

ブータン料理ー3

 === 続く ===

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