民族のソウル・フード探訪 =041=

◇◆ 世界魂食紀行 ソウルフード巡礼の旅   ◇◆

【“NATIONA GEOGRAPHIC/日本語版(文=中川明紀・編集者)”に追記補講】

★ スロベニアの年に一度のお楽しみ料理 =2/3= ★

スロベニア料理ー4

  ムリンツィについては、カモのローストとともに調理を担当した“ビバ”さんのニックネームで呼ばれていたジェリサバ・ドボウシェック=セスナさんが教えてくれた。 彼女は東京外語大で週に1回、非常勤教授としてスロベニアの言語と文化を教えているという。

「ムリンツィはスロベニアやクロアチアで食べられています。 パスタの一種ですが、平べったいパンに近いですね。 小麦粉に塩とお湯を入れて捏ねた生地を30分くらい寝かせて、オーブンで焼きます。 食べるときはお湯に入れてやわらかくしてから、ローストに添えて一緒に食べるんです」

話を聞いているうちに、室内には20人ほどの人が集まっていた。 スロベニア人、イタリア人、そして日本人がワインを注ぎながら談笑している。 全員の手元にグラスが渡ったところで「カンパーイ!」だ。 今年のワインを日本で手に入れることはできなかったようだが、祖国のワインの出来を祝ってグラスを掲げる。

 スロベニアの赤ワインを口にした。 ワイン用のブドウ品種であるメルロー種を使っていてやや重口なのだが、すっきりとした酸味もあり飲みやすい。 プラムのようなさわやかな香りが鼻腔に漂う。「美味しいですねー」とティナさんたちと会話を交わして、Tさんのほうを見るとあまりの顔の赤さに度肝を抜かれた。 コップはすでに空っぽだ。確かに美味しいけどさ、いくら何でもピッチ早すぎだろう……。

そこへビバさんが料理を持ってきてくれた。ワインを片手にさっそくいただく。 カモのローストは香ばしく、塩、コショウ、ハーブなどで味付けした肉のうま味が引き立つ。 紫キャベツのサラダはよく煮こまれていて柔らかく、キャベツやリンゴの甘みとワインビネガーの酸味がほどよいバランスでさっぱりとしている。 これらとムリンツィを一緒に食べるのだが、ローストの肉汁と相まって素朴なムリンツィがとても味わい深くなる。

「収穫祭で食べる料理はほかの国と似ているけれど、れっきとしたスロベニア料理なんですよ」とビバさん。 「たとえば、サラダに入っているリンゴは万国共通ではないけれど、スロベニアでは入れるし、普段からよく食べます。私がつくったカモのローストもお腹にリンゴを丸ごと詰めて焼きました。 お肉がとてもジューシーになるのよ。今は旬だから毎日のようにリンゴを食べます。 スロベニアでは1キロ1ユーロくらいで買えるんです」(11月16日現在、1ユーロは約135円)。

一緒に食べていた英会話スクールの先生をしているスロベニア人のティナ・クラケル・チャイさんも教えてくれる。

「私はデザートにリンゴのシュトルクリをつくってきました。 アップルパイみたいなものでしょうか。 これはスロベニアのほかのお祭りやお祝いでも食べる伝統的な料理ですが、ロースト、紫キャベツのサラダ、ムリンツィはセント・マーティン・デーで食べる料理。  ローストは2時間くらい焼くし、サラダも1時間煮こむので時間もかかります。 日本でいうお節料理のようなものかもしれませんね」

スロベニア料理ー5

スロヴェニアの伝統的な肉料理

クランスカ・クロバサ : クロバサ(klobasa)は、スロヴェニア全域で一般的に供される小さめのソーセージを指す。  サラミ(salama)とは異なる。 クランスカ(Kranjska)とは、カルニオーラ(Carniola)という歴史的地域名に由来している。 ドイツ語ではクライン(Krain)。 オーストリア・ハンガリー帝国における1つの地域名であり、この地域はだいたい現在のスロバキア共和国の領域と重なる。

クランスカ・クロバサについての最古の記述は、ドイツ語圏では1896年に出されたカタリナ・プラトの料理本『南ドイツの料理』の改訂版に見られる。 スロヴェニアにおいては1912年の『スロヴェニア料理』の6番目の改訂版で初めてクランスカ・クロバサという用語が登場する。 また、スロヴェニアにおいては、『肉加工食品の品質に関する法律』の中で、クランスカ・クロバサについては次のように厳密に規定されている。

豚肉を最低68%以上、牛肉を最低12%以上使用し、脂身は20%以下でなければならない。 添加物は5%以内である。肉は10~13mm、脂身は8~10mmの大きさに挽いておく。 豚の腸に直径32~36mmになるように具材を詰める。 長さは12~16cm、重さは180~220gになるようにし、70℃以下の温度で燻製にする。 この条件を満たしていないものは、スーパーマーケットや精肉店の店頭でクランスカ・クロバサという名称を使って販売することは出来ない。

イドリイスキ・ジュリクロフィ : スロベニア西部にあるイドリヤの郷土料理。 生地の中にジャガイモなどの具材を詰めて作られる。 前菜としても、肉料理の付け合わせとしても、単品としても楽しむことが出来る。

生地(300gの小麦粉に対して卵1~2個、油、水または牛乳適量を混ぜて作る)に、詰物(500gのジャガイモ、細かく刻んで揚げた脂身または燻製のハム、50gのタマネギ、香辛料 (黒コショウ、塩、マジョラム))を包んで茹でる。

スロベニア料理ー6

 === 続く ===

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