民族のソウル・フード探訪 =043=

◇◆ 世界魂食紀行 ソウルフード巡礼の旅   ◇◆

【“NATIONA GEOGRAPHIC/日本語版(文=中川明紀・編集者)”に追記補講】

★ 家族の絆を深めるサンデーランチ =1/3= ★

スロベニア料理ー10

  東京メトロ日比谷線の広尾駅。 出口にある案内板を見て思わず「すごいなあ」とつぶやいた。 ノルウェー、スイス、カタール、クロアチア……と各国大使館の名前で埋め尽くされているからだ。 広尾駅周辺に大使館が多いことは周知の事実だが、こうやって並んでいるのを見るとなんだか圧倒される。

この界隈に大使館が集中している理由は明治時代まで遡る。 明治政府と欧米諸国が大使館建設地を協議していくなかで、東京都内から選ぶこと、港のある横浜に近いこと、地盤がしっかりしていること、警備のために同じエリアに固めることなどの条件を満たす場所として、武家屋敷が並んでいた広尾を含む現在の渋谷区、港区周辺が選ばれたのだという。 日本には現在170カ国以上の大使館があるが、港区だけでも約半数が所在しているそうだ。

 輸入食品が豊富な駅前のスーパー・明治屋にでも行くのだろうか、子ども連れの欧米女性とすれ違いながら、私は日本赤十字社医療センターの方に向かって歩いた。 目的地はセンターからほど近いスロベニア大使館。 併設されている政府観光局のティナ・ザドニックさんに、スロベニアの故郷の味「サンデーランチ」をごちそうしてもらう約束をしているからだ。

きっかけは都内で行われた、日本に住むスロベニアの人たちが開催した「セント・マーティン・デー(収穫祭)」のパーティーでのこと(第13回参照)。 料理やワインをいただきながら、私はティナさんたちスロベニア人と「懐かしの郷土料理」についての会話を交わしていた。

たとえば、日本を代表する食べ物のソバが、実はスロベニアでもよく食べられている、でもソバの実をそのまま茹でて食べるなど食べ方が違うと、似て非なる食文化を比較して盛り上がったのだが、そんななかでティナさんが言った。

「だけど、一番懐かしいのはサンデーランチかな」

その名のごとく日曜日の昼の食事だそうで、「そうそう! スロベニア人はサンデーランチをとても大事にしているのよ」と周りにいたスロベニア人たちも同意する。どのような食事なのかと尋ねると、「日曜のランチは必ず家族で食事をするんです。料理も牛肉を煮込んだスープと炒めたジャガイモ料理と決まっているの。 どちらもスロベニアの伝統的な味です」とティナさん。

「スープを飲むと昔を思い出してほっとする」「ジャガイモの料理は日本でも食べたくなるとつくりますよ」「ああ、想像するとヨダレが出てくる」と、みんなも嬉々として語る。 それほどまでにスロベニア人を熱くする料理なんて、聞いてる私までヨダレが出てきた。 思わず「食べてみたいなあ」と言うと「それなら今度一緒に食べましょうよ!」とティナさんがつくってくれることになったのだ。

こぢんまりとしているが瀟洒な建物の大使館に入ると、「いまつくっているところです」と、ティナさんがキッチンへと案内してくれた。 部屋に漂う料理の匂いに食欲がそそられる。 「いい匂いでしょう。 日曜日の匂いだわ!」とティナさん。 コンロで弱火にかけられている鍋を覗くと、大きな牛肉の塊にニンジン、タマネギ、パプリカが丸ごとゴロゴロと入っていた。

スロベニア料理ー11

スロヴェニア料理 : スロヴェニアの伝統的な料理として特に重要なものは以下の通り。

《 スープ 》  バカルツァ  / ボグラチ  / ヨタ  / ミネシュトラ  / ポリシャ・オバラ  / プレジガンカ  / シャラ  / シュタイエルスカ風サワー・スープ

《 肉料理 》  クランスカ・クロバサ  / イドリイスキ・ジュリクロフィ

《 肉の入っていない料理 》  アイドヴィ・ジュガンツィ

《 酒 》  スリヴォヴィッツ

ボグラチ(Bograč)は、スロヴェニア北東部のプレクムリエ地方の郷土料理。 ハンガリーの伝統的な料理グラーシュによく似ている。 材料は豚肉、牛肉、猪肉、ジャガイモ、タマネギ、ニンニク、パプリカ、。 他のグラーシュと異なる点は、肉を3種類使う点と、ジャガイモを別個に調理せずにスープと一緒に料理する点である。

ヨタ(Jota)は、スロヴェニアやクロマチアやイタリアのイストラ半島地域を代表する煮込み料理。 豆や野菜を煮込んでサワークリームをかけて出される。 豆、ザワークラウト、カブの酢漬け、ジャガイモ、豚肉を煮込んでサワークリームをかけて出される。 またはポーク・スクラッチングをかけることもある。 尚、イストラ半島で、ヨタは普通ポレンタとともに食べられる。 冬には、温めて食べられるが、夏には冷たくして食べられる。

リチャット(Ričat)は、麦、タマネギ、人参、豆、厚切りベーコン(ソーセージやハムなど他の豚肉で代用可)が入った具沢山スープです。 これも豚のだしがきいていて美味です。 麦が美味しいくて、1日目より2日目の方が美味しい。 ちなみに、このリチャットとヨータは山小屋に必ずあるメニューです。 スロヴェニア人は山登りをし、頂上でこの2つのスープを食べています。 結構ボリューム満点。

スロベニア料理ー4

 === 続く ===

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