民族のソウル・フード探訪 =044=

◇◆ 世界魂食紀行 ソウルフード巡礼の旅   ◇◆

【“NATIONA GEOGRAPHIC/日本語版(文=中川明紀・編集者)”に追記補講】

 ★ 家族の絆を深めるサンデーランチ =2/3= ★

スロベニア料理ー13

  「ゴヴェヤ・ユーハと言います」

火加減を見ながらティナさんが教えてくれた。 ゴヴェヤは牛肉、ユーハはスープという意味だ。 「ゴヴェヤ・ユーハはサンデーランチの最初に飲むスープです。 牛肉と野菜を3時間ぐらいかけて煮込んで、出汁が十分に出たら具材を取り出し、卵と小麦粉、塩でつくった細くて短い麺を入れます。 仕上げに生パセリをまぶして完成です」

具材を取り出すとはなんて贅沢なんだ……と思っていたら、煮こんだ牛肉はメインディッシュとして食べるそうだ。 そしてもう一つ欠かせないのが「プラジェン・クロンピル」というジャガイモの炒め物。茹でたジャガイモ(クロンピル)とタマネギをオリーブオイルでつぶしながら炒め、塩で味を調えるという料理で、とてもシンプルだと思うのだがパーティーでみんながやたらと熱く語っていた。

 「スロベニア人はジャガイモが大好きで毎日のように食べるんです。 プラジェン・クロンピルはジャガイモの美味しさが活かされていてとくに人気。 普段もよく食べるし、首都のリュブリャナにはこれを国の代表料理にしようとアピールしている団体もあるほど。 私の父親も一番好きな料理です」とティナさん。

このゴヴェヤ・ユーハ(と牛肉)、プラジェン・クロンピルに好みのサラダを加えた3品がサンデーランチのメニューだという。テーブルに料理が並び、グラスにはスパークリングワインが注がれた。 この日は日曜ではなかったが、大使館の方々にも声をかけて、スロベニア語で乾杯を意味する「Na zdravje(ナストラーヴィエ)」の掛け声で特別なサンデーランチがスタートした。

まず、ゴヴェヤ・ユーハをいただく。キラキラと黄金色をしたスープは牛肉と野菜のうま味がたっぷりで、卵風味の麺はつるんとした食感。 味わい豊かだがしつこくないのでいくらでもいけてしまう。 メインディッシュの牛肉は口の中でほろりと崩れるほどやわらかだ。 プラジェン・クロンピルはマッシュポテトのようだが、所々にコロコロ感も残っているのでいろいろな食感が楽しめ、ジャガイモとタマネギの自然の甘みが活かされている。

手が込んではいるがどこか素朴で、「ほっとする」という意味がわかる気がする。 しかし、このサンデーランチが伝統的で大切にされているのはなぜなのか。 そう問うと、一緒に食事をしていた特命全権大使のヘレナ・ドルノウシェク・ゾルコさんが教えてくれた。

「キリスト教の安息日である日曜日は、午前中に家族で教会に行ってお祈りをします。 その後に家族でごちそうを囲んで日々の努力を労るのが、サンデーランチなんです」。 そもそもサンデーランチはヨーロッパ各地で見られる風習だ。「料理は国によって違いますが、国境を接するクロアチアではゴヴェヤ・ユーハに似た料理が食べられていますよ」とヘレナさんが言うように、たとえばイギリスなどでも日曜の昼にローストビーフを食べる習慣がある。

スロベニア料理ー14

スロヴェニア料理 その二

ビーフスープ(Goveja Juha)、これは牛のスープです。 牛の脚の部分を骨ごと野菜と一緒に煮込んでだしたっぷりのスープを食べます。 塩などで味を調整してから細いパスタを入れて頂きます。 人参などの根菜を少し入れ、パセリをかけていただきます。 このスープは世界一です。 レストランや手作りのスープも飲みましたが、一度として同じ味の物を食べた事がありません!各家庭、レストランによって味が異なり、かつ美味しいのです。

クランスカ・クロバサは、スロベニアを代表する伝統的な肉料理。 スロヴェニアにおいては、『肉加工食品の品質に関する法律』の中で、クランスカ・クロバサについては次のように厳密に規定されている。

豚肉を最低68%以上、牛肉を最低12%以上使用し、脂身は20%以下でなければならない。 添加物として認められているのは、水、食塩、ニンニク、胡椒が5%以内である。 その他の添加物は加えてはならない。 肉は10~13mm、脂身は8~10mmの大きさに挽いておく。 豚の腸に直径32~36mmになるように具材を詰める。 長さは12~16cm、重さは180~220gになるようにし、70℃以下の温度で燻製にする。 この条件を満たしていないものは、スーパーマーケットや精肉店の店頭でクランスカ・クロバサという名称を使って販売することは出来ない。

イドリイスキ・ジュリクロフィはスロベニア西部にあるイドリヤの郷土料理。 生地の中にジャガイモなどの具材を詰めて作られる。 前菜としても、肉料理の付け合わせとしても、単品としても楽しむことが出来る。 生地に、詰物(500gのジャガイモ、細かく刻んで揚げた脂身または燻製のハム、50gの玉葱、香辛料を包んで茹でる。

アイドヴィ・ジガンツィは、スロヴェニアを代表する郷土料理である。 レストランなどでは付け合わせとして出される。 そば粉にぬるま湯を混ぜ合わせながら加熱する。 牛乳をかけて食べることも多い。

プラージェンクロンピール、ジャガイモとたまねぎを一緒にいためた、いわば料理の主食にあたるものです。 一度ジャガイモを茹でます。 そしてタマネギ細かくきざんで炒めます。 茶色くなってから茹でたジャガイモを入れてしばし炒めます。 これで完成。 この料理も家庭でよく食べられ、レストランや家庭によってタマネギのいたまり具合が違って、面白いです。

スロベニア料理ー15

 === 続く ===

前節へ移行 ; https://thubokou.wordpress.com/2017/04/18/

後節へ移動 ; https://thubokou.wordpress.com/2017/04/20/

 ※ 下線色違いの文字をクリックにて詳細説明が表示されます ⇒ ウィキペディア=に移行
*当該地図・地形図を参照下さい

—— 姉妹ブログ 一度、訪ねてください——–

【疑心暗鬼;民族紀行】 http://bogoda.jugem.jp/

【浪漫孤鴻;時事心象】 http://plaza.rakuten.co.jp/bogoda5445/

【閑仁耕筆;探検譜講】 http://blog.goo.ne.jp/bothukemon

広告