民族のソウル・フード探訪 =048=

◇◆ 世界魂食紀行 ソウルフード巡礼の旅   ◇◆

【“NATIONA GEOGRAPHIC/日本語版(文=中川明紀・編集者)”に追記補講】

 ★ ペルーの国民食は日本風味!!? =3/3= ★

​​​​​​ ​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​ペルー料理ー4

 日本の影響も垣間見える。 日本人が南米に移住を開始したのは明治32年(1899年)。 その最初の移住地がペルーだったという。 セビチェにはタコも使うが、日本人がくるまでペルーにはタコはいたけれど食べる習慣がなく、日系人が経営するレストランがタコのセビチェを出したところ、人気に火が付いたそうだ。

さらに、1960年代後半にペルーに輸入されるようになった味の素。

オルフィリアさんいわく、「ペルー料理の味の決め手は塩とレモンと味の素で、どの家庭にもレストランにも味の素が置かれている」ほど浸透しているという(一流レストランはないかもしれないが……)。  こうしてつくられたセビチェは、必ず南米原産のジャガイモとトウモロコシと一緒に食べるのだが、各国の要素が散りばめられたペルー料理は、まさに「食文化の融合」といえる。

ペルー料理は先住民と移民がともにつくりあげた料理なのだ。 リマで生まれ、食事の最初に食べるセビチェは、それを象徴するソウルフードなのだろう。

「私は日系3世で、父方の祖父母は沖縄出身でした。だから家では沖縄料理もよく出ました。  ペルー料理も日本料理もどちらも好きです」とマヌエルさん。  彼には日本人とペルー人の血が流れていて、オルフィリアさんはコロンビア人の血を持つ。姪で日系4世のマスミさんは中国人やドイツ人の流れもくんでいるという。 ペルー料理が世界で受け入れられるのは、各国の文化がその味にほのかに感じられるからなのかな、と思う。

やがて食卓に料理が並び始めると、タイミングよく近くに住むマヌエルさんの長男夫婦とその娘さんもやってきた。  スペイン語が賑やかに飛び交い、子どもたちは元気に走り回る。

めいめいが席につくと、長男の儀間政則さん(日本国籍を取得しているため日本名のみ)がみんなに話しかけた。  「今日は久しぶりにマスミと食卓を囲むことになりました。 だから遅くなったけど、マスミの大学進学のお祝いをしよう。夢の実現を願って」

照れるマスミさんにみんなが祝福の声をかける。 家までの道すがら、通訳士になりたい理由をマスミさんはこう語っていた。 「幼い時に来日してからは外では日本語、家ではスペイン語なので、今では2カ国語を話しますが、両親は日本語があまりできないので、私が通訳しているんです。そうするうちに、言葉をつなぐ仕事に就きたいと思うようになったんです」

マヌエルさん一家もマスミさん一家も、1990年代初頭に頻発していたテロから逃れるため、縁ある日本にやってきた。  政情はだいぶ落ち着いたものの、いまだペルーの犯罪率は高い。  だから祖国には戻らず日本に永住するだろうとしつつも、マヌエルさんは言う。 「両親や他の親戚はいまもペルーにいるので、それを思うと心配だし、さみしくなります。  だからこそ家族の食卓は大事にしたい。 セビチェを食べながらいろいろな話をするんです。 ペルーにいた頃を思い出しながら」

国民食であるセビチェは、彼らにとって祖国を身近に感じられる料理でもあるのだ。  オルフィリアさんが次々とペルーの家庭料理を振る舞い、マヌエルさん一家の食卓は空が薄暗くなる頃まで笑い声に包まれていた。  久々にあたたかな家庭の味に触れ、私も母の味噌汁が飲みたくなった。 今年の年末はちゃんと実家に帰って食卓を囲もうと思う日曜日であった。

ペルー料理ー2

多くの移民が持ち込んだ食文化が融合し、多彩な料理へと発展するペルー料理

2011年の「世界料理サミット」の会場として、世界各国のシェフを迎えたペルーの首都リマ。「エル・ブジ」のフェラン・アドリア氏をはじめ、「ノマ」のルネ・レッゼピ氏など世界の有名シェフが注目し絶賛したペルー料理だが、ペルー料理レストラン「ベポカ」は、現地で活躍したシェフを招いて、本場のペルー料理をサービスする。

新鮮な魚介類が手に入る海沿いの街で生まれた名物料理、魚介類のマリネ「セビチェ」や、刺身のように魚をスライスしてソースをかけた「ティラディート」。アンデスの種類豊富なジャガイモを使用し、ケーキのように盛り付けた「カウサ」、中国系移民のもたらした炒め技術を取り入れた「ロモ・サルタード(牛ヒレ肉のソテー)」、スペイン人移民がもたらしたクリオージォ料理など、バリエーション豊かであることも大きな特徴だ。

また、ペルーのお酒「ピスコ」はぶどう果汁が原料の蒸留酒で、豊かな香りを放ち42~44度と強いアルコールだが、ベポカでは10種あまりのカクテルを用意。現地でも人気のピスコ・サワー、チルカノをはじめ、ペルー原産のフルーツを使用したものなど、一度味わってみないとわからないカクテルも多数楽しめる。

ペルー料理ー3

 === 続く ===

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