民族のソウル・フード探訪 =053=

◇◆ 世界魂食紀行 ソウルフード巡礼の旅   ◇◆

【“NATIONA GEOGRAPHIC/日本語版(文=中川明紀・編集者)”に追記補講】

★ ダシは生ハム! スペインの豪快煮込み料理 =2/3= ★

​​​​​​ ​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​スペイン料理ー1

 スペイン人の心身を温める味か。ぜひとも食べてみたいが、フェスでコシードを出している店はあるのだろうか。 フェルナンドさんにお礼を言って、運営本部に問い合わせた。 対応してくれたのは実行委員長の三上・マテオ・俊(すぐる)さんだ。 残念ながらフェスにコシードを出す店はなかったが、24歳になるまでスペインで生まれ育ったというマテオさんにもコシードについて聞いてみた。

「僕には忙しい両親に代わって小さい僕の面倒を見てくれた、育ての親のようなスペイン人夫妻がいるんです。 その家では日曜日にコシードを食べていました。 スペインでは週末は家族が集まって昼食を食べるんですが、そのときに育ての父がコシードをつくり振る舞っていました。 僕もよく手伝っていましたね。前の晩から準備して」

確かに、肉や野菜を豪快に煮込むあたり男の料理とも言える。 マテオさんのコシードは、ガルバンソにニンジンなどの野菜、牛肉、鶏肉、生ハム、チョリソを入れるという。 「生ハムまで入れるのか」とつぶやくと、「一番味が出るのが生ハムの骨なんです。 スペインの家にはたいてい骨付きの生ハムがあるんですよ。 値段はピンキリで一本4000円くらいからかな。普通に食べるのはもちろん、出汁に使うことも多いんです」とマテオさん。

彼の話によると、クリスマスになると家に骨付きの生ハムかチョリソが贈られてくるとか。 「スペインでは生ハムは縁起物なんです。 試験の合格祈願で贈られてきたりもしました」との言葉に、「日本で“おめでたい”から鯛を贈る感じかな?」と笑う。

しかし、どうしたものか。コシードへの興味は募るばかりだが、どこに行けば食べられるのだろう。 出店で買ったチョリソとトルティージャ(スペイン風オムレツ)を食べながら考え……ても仕方がないので、たらふく食べたところで、フェスの運営本部に協力をお願いしてコシードが食べられるスペイン料理店を紹介していただいた。

後日、訪れたのは新宿区四谷にあるスペイン料理店「ラ・タペリア」。 現在、お店ではコシード・マドリレーニョを出していないそうだが、オーナーのカルロス・ベロカルさんが特別につくってくれるという。

「私の場合、肉は牛肉と豚肉、鶏肉を入れます。いつもはチョリソも入れますが味が出すぎるのが好きではないので、別に茹でて最後に合わせます。野菜はジャガイモとニンジンに長ネギにキャベツ。これを塩と生ハムのコンソメで味付けして煮込むんです」とカルロスさん。 事前に煮込んでおいてくれたのだろう、「コシードはスープと具材を別々に食べます。 最初はスープ。 パスタを入れて飲むんです」と言って、黄金色のスープを出してくれた。

さっそくスープをいただく。 ガルバンソと野菜の甘みが出たなんともやさしい味わい。 それでいてしっかりとコクがあるのは、十分に煮込んだ肉と生ハムのコンソメによるものだろう。 深みがあり、身体の芯から温まるのがわかる。「本来は生ハムのコンソメではなく骨を入れます。 スペインでは肉屋さんに行けば生ハムの骨が手に入るのでそれで出汁を取るんです」

一昔前のスペインの田舎では、どの家も豚を飼っていて自分たちで生ハムやチョリソをつくったという。 カルロスさんの両親の故郷も同じで、幼いカルロスさんは遊びに行くと生ハムづくりの手伝いをしたそうだ。 どの家にも生ハムがあるとマテオさんも言っていたっけ。スペイン人にとって生ハムは欠かせない食材なんだなあ。

「スープの次はガルバンソと野菜、最後に肉と3回に分けて食べます」と言って、カルロスさんが料理を持ってきてくれた。よく煮込まれたガルバンソはほくほくとやわらかく、野菜も口の中でほろりと崩れるほどだ。 続いて出てきた肉もシンプルながら野菜の味もしみていてうま味が凝縮されている。 同じ皿に牛肉、豚肉、鶏肉の塊が乗っているのはなかなか圧巻だが……。

スペイン料理ー2

※ スペイン人の食生活

スペイン人は朝食、午前の間食、昼食、午後の間食、夕食と1日に5回の食事を採るといわれているが、食事の回数は地域ごとに差異がある。

朝食は簡素なコンチネンタル・ブレックファストの形態をとり、カフェ・コン・レチェ(カフェ・オ・レ、cafe con leche)、菓子パン、甘味の無いラスクが食べられている。 チュロス (Churros)、ポーラ (Porra) などの揚げパンとホットチョコレートを一緒に摂ることも多い。 朝食と昼食の間にボカディーリョ(フランスパンを使ったサンドイッチ、bocadillo)などの軽食を取り、1日の食事のメインである昼食に備える。 ほか、網焼きのソーセージ、トルティージャ(オムレツ、Tortilla)、ヤリイカのフライなどが軽食とされる。

昼食はスープ、米料理や麺、メインディッシュに加えてデザートやコーヒー、紅茶がそろったフルコースの体裁をとり、会話を楽しみながらゆっくりと食事をとる。

昼食の後にメリエンダをつまみ、夜9時以降に軽めの夕食を採る。 メリエンダはコーヒーと菓子だけで手軽に済まされるが、客が訪れた時には肉料理や魚料理などの手間の掛かるものが供されることもある。

夕食時には仲間や夫婦で居酒屋に行き、あるいは家族と一緒にスープと卵料理ほどの料理を食べる。 スペイン人が夕食時に利用する居酒屋(バル)のカウンターには、アンダルシア発祥の一皿サイズの酒肴(タパ、複数形のタパスの語で知られる)が多く並ぶ。

居酒屋で安価なタパを取って様々な種類の郷土料理を少しずつ食べる「タペオ(タパをつまむ楽しみ、tapeo)」の文化は、スペインの食文化に欠かせない一要素となっている。

食事の時間が遅い理由についてははっきりしておらず、20世紀初頭までは昼食を正午、夕食を午後7時頃に採っていた。

スペイン料理ー3

 === 続く ===

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