民族のソウル・フード探訪 =060=

◇◆ 世界魂食紀行 ソウルフード巡礼の旅   ◇◆

【“NATIONA GEOGRAPHIC/日本語版(文=中川明紀・編集者)”に追記補講】

★ 食べ方が難しい!! チュニジア伝統食 =3/3= ★

​​​​​​ ​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​チニジア料理ー1

動画:

 「私は祖母からつくりかたを教わりました」と話すのはベスマさん。  「一番の思い出は、親友が遊びにきたときに一緒にダヌニづくりにトライしたときのことです。 まったく上手につくれない私たちを見かねた祖母が、キッチンにきてやさしくつくり方を教えてくれました。 そのときのブリックダヌニのおいしさは忘れられません」

ああ、なんだか小さい頃によく見た、台所に立つおばあちゃんの背中を思い出してしまった。 何度か料理を教わろうと思ったが、ちゃんと成し得ないまま月日が流れてしまったなあ。

「チュニジアには西欧人や周辺国からの移民も多いけれど、ダヌニは家に伝わってきたものなので代々住んでいるチュニジア人しかつくれないんです」とベスマさんは続ける。  「母から聞いた話ですが、16世紀にスペイン人が攻めてきたときに、チュニジアの人びとは家にある貴金属をダヌニの中に隠したそうです。 スペイン人たちもまさかその中に財宝があるとは思わず、強奪を免れたと伝わっています」

チュニジアはこの時期にオスマン帝国の支配を受けていた。 帝国の影響は料理の面でも大きく、首都があったトルコでいまも食べられるボレキは、属国の国々にも広く伝わった料理として知られている。  まさに、小麦粉の皮に具材を入れて揚げるものだ。  ジャガイモにしても中南米から入ってきた食材。卵だけを入れていたブリックはこうした歴史の変化に適合しながら多様化し、チュニジア人になくてはならない料理となっていったのだろう。

「チュニジアは国民のほとんどがイスラム教徒なのでラマダンの期間は断食をします。 日が沈むと食事を摂ることができますが、だいたいいつもスープとブリックを食べるんです。  ささっとつくれるし、みんな大好きですからね。  そして、ラマダン明けのお祭りではブリックダヌニを食べるんですよ」(モラドさん)

いまでは街中にブリックの専門店があり、ベスマさんはチュニジアに帰ると家族で食べにいくという。   「首都チュニスには『エサフサフ』と『ラグレット』という有名なブリックのお店があるんです。  帰国すると必ずどちらかのお店に行きますよ」。  どちらも地中海に面した街にあり、チュニジア人はもちろん、観光客も訪れる人気店だそうで「僕も奥さんと結婚する前、一緒にブリックをテイクアウトして海岸で食べましたね。  いろいろな話をしながら」とモラドさんも言う。

ベスマさんは昨夏に帰国したときはエサフサフに行った。   「チュニジアではジャスミンが有名で、夏になると家の女性にジャスミンの首飾りをプレゼントする習慣があります。  幸せな家族の象徴なんです。  エサフサフに行ったとき、母親に首飾りを贈ってみんなでブリックを食べました。   とても思い出深い一日で、その首飾りの一部を母からもらい、押し花にして日本へ持ってきました。  私の大切なお守りです」

ベスマさんの言葉に、チュニジアの民主化運動の名称が「ジャスミン革命」であることを思い出した。 ジャスミンが国の代表的な花であることからつけられたのだが、そこには「幸せへの願い」が込められているのだ。   ブリックが時代に合わせてかたちを変えながら愛され続けていることと、より幸せを得るために国のかたちを変えていこうとする人びとの思いがリンクしたような気がした。   チュニジアの幸せと私が嫁に行くという願いを込めて、皿にこぼれてしまった卵を皮できれいにぬぐって食べた。

チニジア料理ー2

チュニジアに行ったら絶対に食べておきたい料理! それはブリック!

チュニジアには極薄の皮に具を詰め込んで揚げた、ブリックという料理がある。 チュニジアの国民的料理と言っても過言ではなく、日本のおにぎりみたいなものと考えていいらしい。 日本語が出来るチュニジア人がそう言っていた。

ブリックを日本で再現するのはとても難しい。なぜならば、ブリックの皮が極めて薄いため、餃子や春巻きの皮では代用できないからだ。 ……とはいえ、代用しているのが現実である。 それはそれで美味しいのだが、本格的なブリックを食べたいならば、チュニジアで食べるしかない。

どこで食べてもハズレがない!

ブリックのすごいところは、どこの店で食べても美味しいこと、どこの店も味が違うこと、ブリック専門店が無数にあること。 道を歩いていればブリック屋があり、ブリックだけを揚げて売っている。 適当に入った店で食べてもハズレがなく、しっかり美味しい。

具は半熟卵、ポテト、鶏肉、オニオン、ツナ、などなど。店によって具が違うものの、半熟卵が入っているのはどこも同じ。 最初は生卵状態で皮に包むが、揚げることで半熟となる。 シャリシャリとした食感の皮も香ばしく、食欲をそそらせる。

やはりチュニジアに行くしかない

日本でチュニジア料理をやっているチュニジア人店主に話を聞いたところ、日本でもブリックの皮が売られている事があるが、かなりの高額。 チュニジアでは庶民価格の食べ物なのに、日本で本格的に作ろうと思うと、高額な料理になってしまうとのこと。やはりチュニジアに行くしかないのか。

チニジア料理ー3

 === 続く ===

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