民族のソウル・フード探訪 =061=

◇◆ 世界魂食紀行 ソウルフード巡礼の旅   ◇◆

【“NATIONA GEOGRAPHIC/日本語版(文=中川明紀・編集者)”に追記補講】

★ カラフルすぎるリトアニアのお味噌汁 =1/3= ★

​​​​​​ ​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​リトアニア料理ー1

 ソチオリンピックの閉会式と同日の2月23日、東京では晴天の下で「東京マラソン」が開催された。 2007年から始まったこのマラソン大会は今年で8回目を数え、約3万6000人の参加者が完走を目指す。 参加資格を得るための抽選倍率は約10倍(フルマラソン一般参加の部)、150万人以上の観客が集まるビッグイベントだ。

それだけの人出がある“お祭り”だから、沿道やゴールでは歌やダンス、バンド演奏などさまざまなイベントが行われる。 毎回、ゴールでサンバを踊っている知人にたいそうな盛り上がりだと聞いていたので「今年はどのようなイベントがあるのだろう」と何気なく関連サイトを眺めていたら、あるところに目が留まった。 ゴール地点のメインステージで、世界各国や日本各地の食・名産を紹介、販売するというのだ。

どこかの国のソウルフードに出会えるかもしれない……。 期待を胸にさっそく調べてみる。 しかし、メキシコ、エチオピア、台湾など10カ国弱の出店国のほとんどは国の紹介のみを行う様子だ。 「ないかなあ」と諦めかけていたそのとき、リトアニア共和国のブースで料理が食べられるとの情報をキャッチ。 それならばと、お祭りに出かけることにした。

たくさんの観客やランナーでにぎわう中、ブースの前で出迎えてくれたのは、料理情報を教えてくれた玉木健次郎さん。 ヨーロッパ、バルト三国のひとつであるリトアニアの魅力を広めたいと2013年2月に日本リトアニア交流センターという団体を立ち上げ、さまざまな活動を行っている。 リトアニア共和国大使館とイベントを共催することが多く、今回も大使夫妻がきているとのことで紹介いただくことになった。

「リトアニア人は日本人と感覚がすごく似ているんです。  だからきっと仲良くなれるはず」との玉木さんの言葉通り、親しみやすい笑顔の大使夫人、ガリナ・メイルーニエネさんと挨拶を交わす。 ブースで販売されている数種類の料理を横目に、さっそくリトアニアのソウルフードを尋ねた。

「シャルティ・バルシチェイですね」

「え、何て?」

失礼ながら、舌を噛みそうな名前に2回ほど聞き返してしまった。 シャルティは日本語で「冷たい」、バルシチェイは「ボルシチ」の意味だとガリナさんが説明してくれた。 ボルシチってロシアのソウルフードとして紹介したあのボルシチかな(前節参照)。 そう問うと「そうそう。 ボルシチと同様にビーツを使ったスープなのでそう呼ばれています。 でも全然違うものなんですよ」とガリナさん。 ブースで出しているというので、いただくことにした。

シャルティ・バルシチェイが入った器をもらって、まず驚いた。 なんともまあ鮮やかなピンク色をしている。 ビーツが赤い野菜なので、その色素が元なのはわかるが、なぜこんなにきれいなピンクになるのか。 「食べるとわかりますよ」とガリナさんに言われてスープを口に運ぶと、さっぱりとした酸味が口の中に広がった。

リトアニア料理ー2

寒冷の恵みが味わえるマイルドな料理≪その一≫

リトアニアの地物の食材は、伝統的には、小麦、大麦、ライ麦、じゃがいも、ビーツ、ベリー、きのこ、そして肉や乳製品など。これらは冬がものすごく寒い国に共通する食材。 短い夏に野菜を育て、夏の終わりにはきのこ狩り。 秋に保存食を作り、寒く長い冬を乗り越える、そういう季節性のある暮らしが伝統的に営まれてきた。

リトアニア料理の主食はドゥオナ(パン)

ルギネドゥオナ(ライ麦の黒パン)が好まれており、バターを塗ったりチーズスライスを乗せていただく。 クミナイ(キャラウェイ)で風味をつけたライ麦パンや、グルーデートイドゥオナ(直訳:粗いパン、パンの中に小麦やライ麦の種子が入っている)も好まれる。 残って固くなったパンから作るケプタドゥオナ(細切りのパンを油で揚げたもの)は、おやつやビールのおつまみ。 日本にもパンの耳を切って揚げるおやつのような感じです。

リトアニア料理の立役者、ブルブ(じゃがいも)
じゃがいもは、18世紀後半にリトアニアに流入した。 じゃがいもは欧州各国(特に寒冷地)における救世主的食材となった。 リトアニアでは、ゆでたり焼いたり炒めたりすりおろして形を変えたり、じゃがいも料理のバリエーションは非常に豊富です。

ブルビニブリニは、じゃがいものすりおろしををフライパンで焼いて作る「お焼き」で、ウクライナのデルニーやベラルーシのドラニキと同じ料理です。 ベーダライはすりおろしたじゃがいもを入れて作る、見かけソーセージで中がじゃがいもというユニークな料理です。 厳密にはベーダライにはじゃがいも入りと血液入りの2種類があり、厳密にじゃがいもソーセージと言うときはブルブベーダライと呼ぶ。

また、ブルブプロクシュタイニス(又はクーゲリス)は、アシュケナージ(東欧ユダヤ人)料理のクーゲルと同じく、すりおろしたじゃがいもと卵で作る焼きプディングです。 ククリはじゃがいものすりおろしをまるめてゆでた、イタリアのニョッキに似た料理です。 ディチュククリ(又はツェペリニ)は、「ディチュ」が飛行船を意味する、すりおろしたじゃがいもでひき肉のあんを包んで飛行船型に成形してゆでて作る料理です。 硬式飛行船を開発したドイツのツェッペリン伯爵の名前が「ツェペリニ」という料理名になっているのも面白い。

リトアニア料理ー3

 === 続く ===

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