民族のソウル・フード探訪 =062=

◇◆ 世界魂食紀行 ソウルフード巡礼の旅   ◇◆

【“NATIONA GEOGRAPHIC/日本語版(文=中川明紀・編集者)”に追記補講】

★ カラフルすぎるリトアニアのお味噌汁 =2/3= ★

​​​​​​ ​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​リトアニア料理ー1

 「サワークリームが入っているんです」とガリナさん。 なるほど、ビーツの赤とサワークリームの乳白色が混ざったピンクなのか。 酸味の中にとろりとしたまろやかさがあるのもうなずける。 スープの中にはキュウリに玉ネギ、茹で玉子が入っていて、とくにシャキシャキとしたキュウリの食感が印象的だ。 後味もすっきりさわやかで、「飲むサラダ」といった感じだろうか。

「シャルティ・バルシチェイは夏の代表的な料理なんです。 冷たくてさっぱりしているから暑い日もクールダウンできるでしょう。 ビーツはビタミンが豊富で栄養価が高いし、乳製品は消化を助けてくれる。 リトアニアではすごく好まれている料理です。 私も夏になるとほぼ毎日食べていますよ」とガリナさん。 「食べないと調子がでない」と、来日してからもその習慣は変わらないそうだ。

「つくるのも簡単なんです。 茹でたビーツをミキサーにかけてサワークリームと混ぜ、塩・コショウで味を調えます。 そこへ刻んだキュウリと玉ネギ、茹で玉子、香草のディルを入れて完成です。 本当はケフィアという発酵乳を使うんですが、日本ではあまり手に入らないのでサワークリームやヨーグルトを代用しています」

確かに具材を炒めて煮込み、熱々で食べるロシアのボルシチとは似ているようでまったく違う。 周囲でシャルティ・バルシチェイを食べる国があるか聞いたところ、「ポーランドに似た料理があるけれどリトアニアのオリジナル。 起源はわかりませんがかなり古くから食べられていると聞いています」と言う。

そんな会話を交わしていたら、ブースの周りがにわかに騒がしくなった。 ガリナさんに尋ねると「ちょうど国防大臣のユオザス・オカレス氏が来日されて、こちらのブースに訪問にいらしたんです」とのこと。 VIPの登場に緊張しつつも、玉木さんの「日本人と似ている」という言葉に後押しされて時間をいただき、シャルティ・バルシチェイについての話を伺った。

「シャルティ・バルシチェイは祖母を思い出す料理です。小さい頃、つくってくれるのをいつも楽しみにしていました。 家庭料理なので、材料はどこもだいたい同じですが味付けは家ごとに少し異なります。 その味は母親から子へと受け継がれていく。 私の一番上の孫娘は13歳になりますが、祖母から母、妻、娘、孫と受け継いだシャルティ・バルシチェイをときどきつくってくれるんですよ」

大臣は気さくに語ってくれた。 ガリナさんも、「うちは若くして父が亡くなったので、母が働いて家族を支えていました。長女の私は家事担当。 料理も早くから母に教わりつくっていました。 いまは母として13歳の娘に料理を教えています。 主人と出張から戻ると、シャルティ・バルシチェイを用意して迎えてくれるのがすごくうれしいんです」と微笑む。

大臣は「色を見ると驚かれるけど、食べてみるとやさしい味」と食卓を思い出すかのように目を細めて、さらに話を続けた。「リトアニアは面積6.5万平方キロメートル、人口は300万人という小さな国。 1000年以上の歴史がありますが、小国であるがゆえにいろいろな国の支配を受けてきました。 1990年に旧ソ連から独立を果たし、いまはEUのメンバーですが、そうした経緯があるので料理にもほかの国の影響が見られます」

リトアニア料理ー2

寒冷の恵みが味わえるマイルドな料理≪その二≫

リトアニアの肉料理:

肉類では豚肉が一番食べられる。 牛肉、羊肉、鶏肉、ウサギ肉、アヒル肉も食べられています。 ベブリエノストロシュキニス(ビーバー肉のシチュー)なんていうものもあります。 肉類の調理法では、グリル、パン粉をつけて焼く(シュニッツェルすなわちトンカツのよう)、オーブンで焼く、煮込むなどが一般的。 また塩漬け肉、乾燥肉、燻製肉(ハムやソーセージを含め)といった肉の貯法も発達している。 ソーセージはデシュラと言い、スモークソーセージだけでなく、フレッシュソーセージや血のソーセージなどさまざまなバリエーションがある。

世界的に有名なガイドブックのリトアニア編には、「リトアニアではアニマルの奇妙な部位がよく食べられる」と書いてある。 スーパーには、通常の精肉類のほか、鶏のトサカや獣の耳をはじめ、その「奇妙な部位」が普通に売られており、これぞリトアニアの食!?

リトアミアではまた、ラシュニという豚の脂身(ウクライナのサーロと同じ)も名物。 またシャルティエナ(又はコシェリエナ)はドイツのアスピックやロシアのハラデーツに似た、肉や魚や野菜のゼリー寄せです。 バランデーリは日本人にもおなじみのロールキャベツ。 シャシリクは玉ねぎにんにく香辛料レモンなどでマリネした豚肉を金属串焼きにする、中東方面からユーラシア大陸の広域に広まった料理です。

東方から伝播したと思われる料理:

私たちになじみの餃子がリトアニアにもあり、コルドゥネ(又はビルティニ)と呼ばれている。 ポーランドのピエロギやウクライナのワレニキ、ロシアのペリメニ、アシュケナージユダヤ人(東欧ユダヤ人)のクレプラハと同系統の餃子料理だが、中身は肉に限らず、チーズやきのこが入ることもある。

また、キビナイはカライム人(カライ派ユダヤ人)というテュルク系の人々がもたらした料理で、小麦粉を練った生地で肉のあんを包んで焼く、中央アジアのテュルク系民族の国々(ウズベキスタンなど)のサモサに由来する料理。 カライム人居住区であるトラカイ(有名観光地)にはキビナイのお店がたくさんある。

そしてチェブレキはまるでロシアのピラジュキ(ピロシキ)で、パン生地でひき肉ソテーなどの具を包んで揚げた(又は焼いた)平たいパンです。

ところで、リトアニアは海に面しているものの、魚介類はそれほど食べられていない。 魚はカワカマス(pike)、カワメバル(perch)などの淡水魚が主流で、焼いたり、お腹に詰め物をしたり、ツミレにしたりして食べる。 海の魚ではニシンがメジャーで、塩漬けや酢漬けにして食べることが多い。

リトアニアは乳製品が豊富かつ重要:

スビエスタス(バター)、スーリス(チーズ)、グリエティネー(サワークリーム)、ピエナス(ミルク)など、他の東欧の国と同じく、あらゆる料理に乳製品を使うと言っても過言ではない。 乳製品はクラパイ(ディル)との相性が良く、よっていろいろな料理でクラパイが風味づけになっている。

リトアニア料理ー3

 === 続く ===

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