民族のソウル・フード探訪 =064=

◇◆ 世界魂食紀行 ソウルフード巡礼の旅   ◇◆

【“NATIONA GEOGRAPHIC/日本語版(文=中川明紀・編集者)”に追記補講】

★ 腹持ち良すぎるリトアニアの“飛行船”料理 =1/3= ★

​​​​​​リトアニア料理ー1

 東京メトロの地上出口を出て上を見た。 六本木のランドマークのひとつ、「六本木ヒルズ」のビル群がそびえ立つ。先日、「ラファエル前派展」を観にきたばかりの森美術館は、今年で10周年になるそうだ。 しかしこの日は、夕日が沈んでネオンが輝き出した六本木の街を背に、ヒルズを抜けて静かな住宅街へと足を踏み入れた。 港区元麻布にある「駐日リトアニア共和国大使館」へ向かうためだ。

2月23日に開催された「東京マラソン」のイベントブースで、リトアニア共和国のソウルフード「シャルティ・バルシチェイ」に出会った(前記参照)。 鮮やかなピンクの冷製スープで夏には欠かせないものだというが、寒い季節にも食べるのだろうか。駐日大使夫人のガリナ・メイルーニエネさんにそう聞くと、「冬には冬のソウルフードがある」と教えてくれ、その料理を振る舞うイベントにご招待いただいたのだ。

白亜で瀟洒な佇まいの大使館にはひとりふたりと招待客が集まり始めていた。 この日のイベントは日本の食品産業関係者にリトアニアの食品を紹介するものだという。 始まるまでまだ時間があったので、許可をもらってキッチンに入れてもらうことに。中ではガリナさんたちが料理の準備をしていた。 赤やオレンジ、緑色をしたカラフルなチーズや、ハム、サラミ、オリーブがテーブルいっぱいに並んでいる。 ガリナさんに挨拶をしてさっそく“冬のソウルフード”を尋ねた。

「ツェペリナイです」

まっさきに浮かんだのはイギリスのロックバンド「レッド・ツェッペリン」。 しかしこれ、当たらずといえども遠からず。ツェッペリンとは20世紀初頭にドイツで開発された飛行船のこと。 レッド・ツェッペリンの名はそれに由来するが、この料理もかたちが飛行船に似ていることからそう呼ばれるようになったらしい。

リトアニア料理ー2

 とはいえ、飛行船だけではどんな料理か想像できない。 「いまつくっているところなので、こちらへどうぞ」とガリナさんに導かれてキッチン台のほうへと向かうと、大使館のイベントなどで料理を手伝っている料理研究家の口尾麻美さんが、挽き肉のようなものを何かで包んでいた。

「豚挽き肉と刻んだ玉ネギを、ペースト状にしたジャガイモで包むんです」とガリナさん。 これを茹でたものがツェペリナイだという。 味付けは塩・コショウだけでサワークリームなどでつくるソースをかけて食べるというから、シンプルな料理なのかと思いきや、とても面倒で難しいそうだ。

「ジャガイモを生のまますり下ろすんです。 これが固いのですごく大変。 それをさらしに入れて水分をしぼり出します。 その汁をしばらく置いておくとでんぷん質が沈殿するので、しぼったジャガイモにでんぷんを再び混ぜ合わせます。 水分をしぼりすぎるとパサパサになるので加減が大事。そうしてできたジャガイモ生地で具を包むんです」

リトアニア料理ー3

 === 続く ===

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