民族のソウル・フード探訪 =068=

◇◆ 世界魂食紀行 ソウルフード巡礼の旅   ◇◆

【“NATIONA GEOGRAPHIC/日本語版(文=中川明紀・編集者)”に追記補講】

★ 南アフリカで愛されるネバネバ料理 =2/3= ★

​​​​​​​​​ ​​​​​​​​​​​ガーナー料理ー1

 付け合わせの白い蒸しパンのようなものも食べてみた。 もちっとした食感は煮込んだ里芋に近い。 発酵させているようでわずかに酸味が感じられる。 チャールズさんに聞くと、「バンクというガーナの主食です。 トウモロコシの粉を発酵させてつくる練り物で、必ずオクロシチューと一緒に食べる」のだという。

オクロシチューのつくり方は奥さんのライラさんに聞いた。 「鍋にパームオイル(ヤシの実の油)を多めに入れて、細かく刻んだオクラと玉ねぎを炒めてから水を加えてじっくり煮込みます。 塩・コショウにタイム、マギーなどで味を付ければ完成。今回は鶏肉を別に茹でたけど一緒に煮込むことのほうが多いですね」。 味付けはトマトやニンニク、唐辛子など、家庭によって入れるものが少し異なるという。

気になったのはマギー。 スイス・ネスレ社製品の固形スープの素だが、アフリカでは欠かせない調味料になっているらしい。 以前、ペルーの家庭料理をいただいたときに(前記参照)、料理には必ず味の素を使うと言っていたのを思い出した。同じような存在なんだろうと思ってチャールズさんに言うと「アフリカでも味の素を使いますよ」とのこと。

オクロシチューの話に戻るが、具材は鶏肉に限らず、羊や牛、マグロなどの魚、カニ、エビと、そのときによって違うそうだ。「私はマグロとかカニが入っているのが好きですね。 オクロシチューはだいたい夕食、週に1、2回は食べます。 量もたくさん食べるからこんなにお腹が出ちゃった!」と茶目っ気たっぷりのチャールズさん。 そこへ、「なに、オクラの話? オクラ大好きですよ!」とこれまた元気な男性が声をかけてきた。 チャールズさんの友だちで同じくガーナ出身のベナード K. オポンクシさんだ。

「僕はオクラを毎日食べています。 オクロシチューは時間がかかるのであまりつくれないけど、オクラは切って茹でたりと下ごしらえをしておいて、いつでも食べられるようにしているんです。 スープに入れたりしてね。 オクロシチューが一番有名だけど、炊き込みご飯に入れたりジャガイモと食べたり、いろいろな食べ方をするんですよ」

チャールズさんも頷く。 やっぱりガーナではオクラがとても身近な食べ物のようだ。 しかし、さっきから「オクロ」って言ってるよね? そのことをチャールズさんに聞くと、「オクラはアメリカ英語で、イギリス英語だとオクロと言うんです。 ガーナは1957年に独立するまでイギリス領でしたからね」と言う。 オクラは18世紀にアメリカに伝わり、日本へは幕末にアメリカからもたらされたようだ。

ガーナー料理ー2

西アフリカにおける主食は、中央アフリカと同じくフフか、醗酵させた粥のKenkeyクスクスウガリ、トー(ウガリに似た食品で、粉の湯練り)など、いずれもデンプン質の根菜や穀物粉から作られた餅状の食品である。 それに副食として煮込み料理が添えられる。

フフは ヤムイモタロイモ、またはキャッサバなどの根菜、またはプランテンを茹でてからで搗き混ぜるか、キビモロコシトウジンビエなどの粉を湯で練り上げて作る。 フフの素材の好みは民族集団によって違いがあるが、中でも白トウモロコシの粉末が好まれている。 Kenkeyはトウモロコシ粉、ガリはキャッサバを摩り下ろして乾燥させたものを原料とする。

一方、水に恵まれたニジェール川ガンビア川流域では稲作が行われ、 セネガルガンビアガーナではピラフに似たジョロフライスチェブジェンマフェなどの米料理が食されている。

フフやジョロフライスは、後の奴隷貿易を通じてアメリカやカリブ海の島嶼部にも伝わった。

西アフリカ料理では様々な香辛料が使用される。 中でもギニア原産の香辛料・ギニアコショウは西アフリカから北アフリカにまで広く流通し、ヨーロッパにも伝わった。一方、アラブ商人はシナモン、クローブ、ミントを伝えた。 田尾航海時代に至ってスペインやポルトガルに伝えられたトマトやトウガラシは今や西アフリカ料理におけるユビキタスとして定着している。

西アフリカの主食はアフリカイネフォニオトウジンビエソルガムプランテンバナナハウサラッカセイ黒目豆。 さらにヤマイモ、サツマイモなどの根菜であり、料理法は炙る、焼く、茹でる、揚げるなどである。

イスラム教を信仰する地域ゆえ肉類は羊か牛肉、あるいはヤギ肉である。 これら肉類をニシン科の魚・ヤーボイを醗酵させた魚醤ケチャや、マメ科植物の実を醗酵させた味噌に似た食品・スンバラを調味料として加え、野菜と共に煮込んでシチューにしたものが西アフリカ料理の典型である。

かつての西アフリカ料理は使用する肉類も脂もほんの少量で、バオバブの新芽や野菜類が1年のうち決まった時期の主食だった。 しかし現在では肉類やヤシ油が容易に入手できるようになったため、味も濃く、非常に高カロリーなものになった。

西アフリカにおける酒類は、アブラヤシなどの花の芽を切った先から滲み出す汁を醸したヤシ酒かバナナ・ビール、雑穀のどぶろくなどである。

ガーナー料理ー3

 === 続く ===

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