民族のソウル・フード探訪 =072=

◇◆ 世界魂食紀行 ソウルフード巡礼の旅   ◇◆

【“NATIONA GEOGRAPHIC/日本語版(文=中川明紀・編集者)”に追記補講】
    • ラオス料理は幸福のおすそ分け =3/3= ★ 

      ​​​​​​​​​​​​​​ラオス料理ー1

ビルンさんの話では、ラープはラオスと国境を接するタイの東北部、イサーンの名物料理としてタイ全土で知られているそうだ。 しかし、ラオスは18世紀頃にタイの属領だった歴史もあり、イサーンにはラオスと同じラオ族が居住している。 言語もラオスの言葉に近い。タイの主食はうるち米だが、イサーンはもち米を主食とするところも同じだ。 ラープはラオスからイサーン、そしてタイ全土に伝わっていったのだとビルンさんは言う。

「ラオスのラープもタイのラープもそれほど変わりません。 でも、ラオスのほうが香辛料が少ないのでややマイルドですね。そのぶん、香草をたっぷり入れます。日本人にはラオスのほうが食べやすいのではないかしら」

ラオスは日本の本州と同じくらいの24万平方キロメートルの国土に約650万人が住むが、そのうちの8割が農業に従事。しかも多くが自家消費を目的として、もち米や野菜、香草をつくっているという。

「私は日本に来てからも唐辛子や香草をつくっていますよ」と話すのは、在日本ラオス協会の会長・久永広喜(旧名 チャンナコン・チャンスット)さん。 「育てた野菜はラオス人同士で売買したり分け合ったりしています。ラオス人は神奈川中部や東京西部にたくさん住んでいますが、ほとんどが難民として日本に来ました。だから助け合いの心がすごく強いんです」

1975年にベトナム戦争が終結するにともない、ラオス・ベトナム・カンボジアのインドシナ3国では新しい政治体制が発足した。 しかし、新体制は国内に混乱をもたらし、多くの人びとが難民として国外へ脱出。 日本ではそうしたインドシナの難民を2005年まで受け入れていた。 1979年末に来日した新岡さんは日本が受け入れたラオス難民の第1号であり、久永さんもほぼ同時期に来日したという。

「当時は神奈川の大和市に難民を支援する大和定住促進センターがありました。 みんな最初はそこに何カ月か住んで、日本語を教わったり仕事を紹介してもらったりするんです。 神奈川中部、東京西部にラオス人が多いのも支援センターがあったから。 在日ラオス文化センターは閉館した支援センターの代わりとして設立したのです」と新岡さん。 いまのセンターは在日ラオス人の拠りどころになっているという。

久永さんは来日した頃の思い出を話してくれた。 「支援センターでは、みんな庭でミントやレモングラスなどの香草を栽培していました。 食堂で食事が出るんですが、やっぱりラオス料理が恋しい。育てたミントでラープをよくつくりましたね」

久永さんの言葉を受けて「私が最初に知ったラオス料理がラープでした」と言うのは、同協会の監事・伊藤裕子さん。 かつては大和定住促進センターの職員だったそうだ。 「日曜に子どもを連れて様子を見に行くと食事を振る舞ってくれるんです。 『ごはんは食べましたか?』と言って。 そこで食べたラープはすごく美味しかった。うちの子どもはラオス料理が大好きなんですよ」

「ごはんは食べましたか?」という言葉は、ラオス人の親しみを込めた挨拶なのだと伊藤さん。 「日本人が『元気ですか?』と聞くのと同じ。 食べてなければもてなす。 たくさん食べて満足して帰ってもらいたい、というのがラオス人の気持ちなんです」と久永さんも言う。

そうか、シーパンドーンさんや新岡さんが声をかけてくれたのはそういうことだったのか。 そして、来客をもてなすときに必ずつくるラープは、ラオス人の相手を思うやさしい気持ちがつまった料理なのだ。 “幸福”をおすそ分けするのだから。

ラオス料理ー2

一度ハマると虜になる、魅惑のラオス料理とは?【その三】

ラオスの代表的な料理

・ラープ
鶏や豚などのひき肉にハーブやスパイスを加え、ニンニクとライムジュースで和えた料理。 お肉を使うことが多いものの、魚で作る場合もあります。 お祝いにも欠かせない一品。

・タムマークフン
青パパイヤのスパイシーかつ爽やかな味わいのサラダ。タイのソムタムと同じもの。

  • ピンカイ
    魚醤にニンニク、唐辛子、砂糖を合わせたタレに漬け込んで炭火で焼き上げるラオス風焼き鳥。 ラオスでは地鶏を使うため、鶏の旨みが一層引き立つのだとか。
    ・カオソーイ
    ルアンパバーンをはじめとするラオス北部で食べられている麺料理。 ラオスでは太めのライスヌードルの汁麺が一般的で、スパイシーな肉味噌をかけていただきます。

ラオス料理ー3

 === 続く ===

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