民族のソウル・フード探訪 =074=

◇◆ 世界魂食紀行 ソウルフード巡礼の旅   ◇◆

【“NATIONA GEOGRAPHIC/日本語版(文=中川明紀・編集者)”に追記補講】
  • フレンチフライと呼ばないで!ベルギー人の誇りの味 =2/3= ★ 

    ​​​​​​​ベルギー料理ー1

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 なんと、てっきりアメリカの食べ方だと思っていた。 いや、「フレンチフライ」とも言うからフランスか……とにかく、ベルギーとは意外だ。 詳しい歴史については「ミディベル」というジャガイモ加工会社の営業部長、ノエル・ベルゲンストさんが教えてくれた。

「一説によると、フリッツの発祥は17世紀後半。 ベルギー南部のワロン地域にあるナミュールという都市の周辺では、街を流れるムーズ川で小魚を獲って油で揚げて食べていました。 しかし、ある寒い冬、ムーズ川が凍って漁ができなくなってしまった。そこで、ジャガイモを小魚のかたちのように細長く切って揚げたらとても美味しくて、食べられるようになったと言われています」

ジャガイモは16世紀に南米からヨーロッパに渡来した。 栄養価が高く、寒冷で痩せた土地でも育つことから、ヨーロッパでは凶作による飢えをしのぐ食べ物として広まった。 保存がきくので、冬はとくに重宝されたようだ。フリッツは食料が乏しい中で人びとが生み出した、とっておきのアイデア料理だったということか。

「小さい頃はフリッツを食べるのが楽しみでした。 切って揚げるのが手間なこともあって、食卓に出るのは週に1回くらい。だから、フリッツが出るとお祝いの日のようにうれしかったなあ」とノエルさん。 いまは、オーブンでもつくれる冷凍商品があるので週に5回くらい食べているそうだ。 「いくら何でも食べ過ぎでは?」と言うと、ノエルさんは笑って答えた。

「それが、とても健康なんですよ。だから心配していません。 私が生まれた村には、毎日フリッツを食べている95歳のおじいさんがいました。彼は95歳とは思えないほど元気いっぱいで、周りにはいっつも若い女の子がいるんです。 私は週に5回だから、まだまだ足りないくらいですよ(笑)」

95歳にして現役とは……フリッツパワー恐るべし。

「私は学校帰りに友だちと一緒によく食べました」というのはクレールさん。 「ベルギーにはどんなに小さな村でも、必ず1軒はフリッツのお店があるんです。 学校帰りにお腹がすくとフリッツ屋さんに寄るのは決まりのようなもの。 揚げたてなので、冬はとくによく食べました。 いまでも1パックで2.5ユーロほどなので学生でも気軽に買えるんです」

身近でありながら特別感もあるということか。 しかし、フライドポテトは日本でもスタンダードな食べ物である。そう話すと、「まったく違うものです!」とクレールさんの力強いお答え。 「日本のフライドポテトは細くてやわらかいのが多い。 味も薄いので食べた気がしません。 フリッツは太くて身がしっかりしていて、ジャガイモの味も濃厚。周りはカリカリで……ああ、考えただけで食べたくなってきました」

そんな話を聞いたら、私だって食べたくなる。 でも先ほどのブースではフリッツを出していなかった。 そこで東京渋谷区の広尾にあるフライドポテトの専門店でベルギーのフリッツが食べられることを教えてもらい、日を改めて出かけることにした。

ベルギー料理ー2

フライドポテト発祥ベルギーの「フリッツ」

ベルギーの食べ物で先ず頭に浮かぶのはチョコレートとワッフル、最近ではビールも日本人には馴染みがあるが、もっと馴染みがあるものでベルギーが発祥と言われているものがある。 日本ではフライドポテトと呼ばれ、イギリス英語ではチップス、アメリカ英語ではフレンチフライズ、フランスなどではポム・フリットと呼ばれるが、フライドポテトの発祥はベルギーで「フリッツ」と呼ばれている。

フリッツの起源は17世紀のベルギー南部ワロン地域の都市ナミュールで、細く切って揚げたジャガイモを起源とする。 17世紀中頃に起きた大寒波の際、川が凍って漁ができないため、ナミュールの村人たちは保存食のジャガイモを小魚のようなスティック状に切って揚げて食べたのがフリッツの始まり。 ベルギーでは料理の付け合わせはパンよりもむしろフリッツが普通でベルギー人にとっては主食のような存在。 ベルギーの人口は約1,120万人でありながら、フリッツ専門店が5,500店舗もある「フライドポテト王国」。 このフリッツは2014年にベルギー国内で無形文化遺産として登録され、UNESCOの世界文化遺産でもある。

ベルギー人はフリッツに相当なこだわりがある。 原料として使われるジャガイモはビンチェ種という品種でなければならないし、その切り方や太さにも決まりがある。 揚げ油は3回フィルターした牛脂でなくてはならないし、まずは低温で下揚げし、注文を受けてから高温で揚げなおす二度揚げが絶対条件。 二度揚げすることによって、四角柱の辺に沿ってこんがり黄金色になり、外はカリッ、中はホックリという理想的な出来栄えになるのだとか。 また、中世の町並みが保存され、町を縦横に縫う美しい運河のある都市ブルージュには、世界初のフライドポテト博物館もあるほど。

ベルギー料理ー3

 === 続く ===

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