民族のソウル・フード探訪 =085=

◇◆ 世界魂食紀行 ソウルフード巡礼の旅   ◇◆

【“NATIONA GEOGRAPHIC/日本語版(文=中川明紀・編集者)”に追記補講】

ネパールの“三位一体”弁当とは? =1/3= ★

​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​ ​​​​​​​​​​​​​​ネパール食ー1

​​​​​​​​​ ​​​​​​ ​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​

  授業終了のチャイムが鳴った。 子どもたちがカバンから弁当箱を取り出し始める。

私はJR阿佐ヶ谷駅(東京都杉並区)から徒歩数分のところにある「エベレスト・インターナショナル・スクール、ジャパン」にいた。2013年4月に開校したネパール人の子どものための学校で、外国にあるものでは世界で初めてだそう。 在日ネパール人の子どもが集い、学ぶ場所があると知った私は、子どもたちはどんなお昼ごはんを食べているのだろう、と興味が湧き、学校を見学させてもらうことにした。 もちろん、ソウルフードとの出会いも期待して。

ネパールの学校制度は1~8年生が基礎教育、9~12年生が中等教育で、それ以降が大学等の高等教育となる。8年生までが義務教育で、満5歳以上で入学するが、貧困などの理由で継続して学校に通えるのは約67.5%だ。 このスクールはNPO法人だがネパールと同じカリキュラムで、4階建ての小さなビルに6つほどの教室がある。 1~4年生と就学前の児童の計74名が通い、昼食はそれぞれお弁当を持ってくるという。

1年生の教室には十数人の生徒が行儀よく座っていた。 机の上に置かれたお弁当を見ると、複数の容器に分けて持ってきている子が多い。 やがて食事が始まり、子どもたちが弁当箱のフタを開けると、たちまち室内にスパイシーなにおいが立ち込めた。

「やっぱり、カレー!?」

ネパールといえばインドの北東部と国境を接する国。 多民族国家だが約8割がヒンドゥー教徒であり、インドと文化が似ている。 食事にしても、私もいままで2回ほど訪れているが、いわゆる“カレー”ばかり食べていた。 そもそもインドにはカレーという言葉がないので(前記参照)、ネパールもカレーと言うと語弊があるかもしれない。 要するにスパイスを使って炒めたり、煮たりしたネパールのおかずである。

中にはパスタやピラフを持ってきている子どももいるが、8割くらいが1~2種類の“カレー”とライスのセットのようだ。 そして、“カレー”をライスの容器に入れて混ぜ、美味しそうにほおばっている。

「ネパールではスパイスを使った料理をタルカリと言います」

そう教えてくれたのは、理事長のシュレスタ・ブパール・マンさん。 日本でネパール語の新聞を発行しながら、スクールを設立・運営している。「タルカリの具材は野菜もあれば肉もあります。子どもたちのお弁当も全部違いますよ」と言われて、お弁当の中身を見せてもらう。

「今日はカリフラワーのタルカリだよ」

「僕のタルカリにはジャガイモとニンジンが入っているよ」

「大好きなキーマ(挽き肉)のタルカリなの!」

確かにみんなそれぞれだ。 タルカリがネパールの食で重要なのはわかった。しかし、ソウルフードと言うにはちょっと幅が広すぎるので、「ネパール人がとくに好きなタルカリはあるんですか」と聞くと、シュレスタさんは少し考えてから言った。

「タルカリはその地方で採れる農産物にもよるし、スパイスの使い方も家ごとに違うので、とくにこれが一番、と言うのは難しいですね。ただ、ネパールでは食事のスタイルが決まっているんです。 それは地方も民族も問わず、全国で同じです」

ネパール食ー2

ダルバートは、ネパールの代表的な家庭料理で、ダル(daal=豆スープ)とバート(bhaat=米飯)の合成語であり、それにカレー味の野菜などのおかず(タルカリ)、漬物(アツァール)の2つを加えた4つがセットになった食事をいう。 ネパールでは毎日食べられている、日本でいう定食にあたるものである。

日本でいえば、「味噌汁、ごはん、服飾」の組み合わせにあたるもので、ネパールで普通、料理といえばダルバートを指す。ネパール料理は一般に、ターメリッククミンコリアンダーなど各種スパイスを使ったカレー味が基本。 インドほど唐辛子は使わないので、ややマイルドであっさりしている。特にダルはマイルドであり、辛い料理との相性がいい。

ネパール食ー3

 === 続く ===

前節へ移行 ; https://thubokou.wordpress.com/2017/05/30/

後節へ移動 ; https://thubokou.wordpress.com/2017/06/01/

 ※ 下線色違いの文字をクリックにて詳細説明が表示されます ⇒ ウィキペディア=に移行
*当該地図・地形図を参照下さい

—— 姉妹ブログ 一度、訪ねてください——–

【疑心暗鬼;民族紀行】 http://bogoda.jugem.jp/

【浪漫孤鴻;時事心象】 http://plaza.rakuten.co.jp/bogoda5445/

【閑仁耕筆;探検譜講】 http://blog.goo.ne.jp/bothukemon

広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中