民族のソウル・フード探訪 =096=

◇◆ 世界魂食紀行 ソウルフード巡礼の旅   ◇◆

【“NATIONA GEOGRAPHIC/日本語版(文=中川明紀・編集者)”に追記補講】

見た目と味のギャップに仰天! オーストリアの謎のペースト = 3/3 = ★

​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​郷土料理ー1

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 このビール酵母を元にできたのがベジマイトであり、1923年に発売が開始された。  栄養価の高さから第二次世界大戦の際に軍の携帯食として採用され、現在の国防軍も同様に利用している。  爆発的な人気が出たのは1950年代。 CMソングがラジオで流れ出し、1956年のメルボルンオリンピックのときにテレビCMを流したことで、国中で愛用されるようになった。

「CMソングはその頃から歌われ続けているんですよ」とマクギリブレイさんがまた口ずさむ。  スポーツの祭典で健康食をアピールすることは、かなり効果的だっただろう。

そこへライアンさんが、「次はベジマイトを使ったスコーンをつくろう」と言って準備を始めた。 ライアンさんのオリジナルレシピで、砂糖・塩・ベーキングパウダーを加えた小麦粉に、ベジマイトとバター、卵黄、牛乳を入れて生地をつくり、カリカリにしたベーコンとチーズを手際よく混ぜていく。

「オーストラリアではスコーンをよく食べるので、今日のランチ会のとっておきに用意しました」とライアンさん。  冷蔵庫で生地をねかせ、焼き上がるのを楽しみに待つ間、気になったことを聞く。  このベジマイト、原産国はオーストラリアなのだが販売しているのはアメリカのクラフトフーズ社(現モンデリーズ・インターナショナル社)。  1950年、フレッド・ウォーカー社は以前から資本参加していたクラフトフーズ社に吸収合併されたのだ。  国民食が他国の製品として売られていることをどう感じているのか。

「フレッド・ウォーカー社に限らず、オーストラリアの会社は過去にたくさん買収されているんです。  アメリカや日本にね。いまは自国の会社が珍しいくらいに変わってしまいました。  でも、ベジマイトの味が変わったわけではない。  オーストラリア人はみんな、自分たちの国の味として誇りに思っているんですよ」とマクギリブレイさん。 その言葉を継いでライアンさんはこう言った。

「だからあって当たり前。ベジマイトがない生活なんて考えられません。 ベジマイトは“フォーエバー・オーストラリア”。いままでもこれからも、永遠にオーストラリアの食べ物なんです」

スコーンの生地をオーブンで焼くこと約15分。 いいにおいが漂ってきた。  「さあ、ベジマイトスコーンの完成だ」とライアンさんが、熱々のスコーンを出してくれた。  サクサクしていて、ベジマイトの風味はほんのり。  それほど主張はせず、生地の甘みを引き立てている。

「これなら苦手な人も美味しく食べられますね」というと、ライアンさんは首をかしげて「いや、ベジマイトが足りないな。 塗って食べよう」と、私のスコーンにたっぷりベジマイトを塗った。 「いやいや、だからこんなに塗ったらしょっぱいって……」と内心思いながら口に入れる。 とたんに、ベジマイトが前面に躍り出てきた。 きっと、このパンチ、このしょっぱさこそが“オーストラリアの味”なのだ。

郷土料理ー2

オーストラリアを象徴する料理・食品(3/3)

卵や牛乳を使わないエンバク入りのアンザック・ビスケットは第一次世界大戦の際にガリポリの戦いに参加した連合軍側の兵士に送ったビスケットが元になっており、保存性に長けている。 オーストラリアの料理書ではケーキの種類は細かく分類されており、色や外見が重要視されている。 スポンジケーキにラズベリージャムを挟み、チョコレートとココナッツでコーティングしたラミントンはクイーンズランド州で考案された菓子であり、名前はクイーンズランド総督を務めたラミントン男爵に由来する。 夏にクリスマスを迎えるオーストラリアでは、クリスマスプディングの代わりにアイスクリームが出されることもある。

アボリジニの料理

アボリジニの料理に塩や香辛料はまったく使われない。 沿岸部、川沿いの地域では、魚介類がアボリジニの食料の40%以上を占めていたと考えられている。 アボリジニの間では昆虫食も行われ、「レモンジュースに似た味の」生きた緑色のアリ、ウィチェッティー・グラブなどが食される。 石を火にかけ、その上にカンガルー、エミュー、オオトカゲなどの肉を載せて砂をかぶせて蒸し焼きにする調理法はアボリジニ社会で一般的なものとなっている。 土器など耐熱性の容器が作られなかったアボリジニ社会において、煮る調理法がごく新しいものである。

オーストラリアの入植者は見慣れない新大陸の動植物に対して、利用法や形を連想させやすくするため、母国で聞き慣れた言葉に「ブッシュ」という言葉をかぶせた名前を付けた。 それらの独特の動植物を利用した料理はブッシュ・タッカーと呼ばれており、健康に良い料理だと見なされている。

郷土料理ー3

 === 続く ===

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