民族のソウル・フード探訪 =098=

◇◆ 世界魂食紀行 ソウルフード巡礼の旅   ◇◆

【“NATIONA GEOGRAPHIC/日本語版(文=中川明紀・編集者)”に追記補講】

ミャンマーの大定番、ナマズとバナナのコラボ料理とは? = 2/3 = ★

​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​郷土料理ー1

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 「わあ、今日はバナナの茎もあるんですね!」  屈託のない笑顔で話すのは、モヒンガーづくりを手伝いにきてくれたピューさん。 日本の大学で経済を学ぶ留学生だ。 手元には直径5センチほどの太くて白い長ネギのような食材。 それがバナナの茎だという。 ほんのりとバナナのにおいがするので「香り付けに使うんですか?」と聞くと、ピューさんは首を振る。

「食べるんですよ。 モヒンガーにしか使いませんが、入れると甘みが出て美味しくなるので欠かせないんです。 ミャンマーでは家の庭や近所にバナナが生えているのですぐ採ってこれるけど、日本では手に入らないのでうれしくて」

バナナは大きいと10メートルくらいまで伸びるので木のようだが、実は常緑多年草。 木の幹の部分が茎にあたる。 「朝からナマズというだけでも強烈なのに、さらに未知の食材が……」と思いつつも「エイヤッ」とかじってみると、固い繊維質で甘くないサトウキビのようだった。 「噛み切れないです」と訴えると、「生では食べない」とのお言葉をいただいた。煮るととてもやわらかくなるらしい。

ピューさんが食材を切っているところへ、マヘーマーさんがナマズを持ってきた。 蒸し上がったナマズはレモングラスのおかげで臭みも気にならない。 「皮と骨を取ってすり身にします。 本当は骨も砕いて入れるんですが、今日はフードプロセッサーがないので」と言って、やはり手伝いにきてくれたニニさんと一緒に小骨を取りながら丁寧にほぐしていく。

「ナマズのすり身がモヒンガーのスープの決め手。 なめらかにするためには身をほぐして、さらにすり潰さないといけません。 ナマズは高級なので他の魚でつくることもあるけど、ナマズが一番。 ミャンマー人にとって魚といえば川魚で、海の魚はあまり食べないんですよ」

ミャンマーは海に面しているので意外だったが、国土の中央を南北に貫流する大河、イラワジ(エーヤワディ) 川を中心として数々の王朝が生まれ、流域の肥沃な土壌で作物をつくるなど、川の恩恵を受けてきたミャンマーの歴史を考えると合点がいく。

それにしても、料理はまだ下ごしらえの段階。 モヒンガーはすごく手間がかかる。「これを毎朝つくるんですか」と感心していると、「家でつくるのは誕生日や冠婚葬祭など特別な時。 ふだんは専門の屋台で食べます。 屋台は町のあちこちにあって、みんなお気に入りの店があるんです」とマヘーマーさん。

「私の家では毎週休みの日にお母さんがつくってくれました。 屋台も美味しい店はあるけれど、やっぱりお母さんの味にはかなわない。 だからすごく楽しみにしていて、つくるときは手伝ったりもしました」とピューさんが言えば、「私は誕生日になると家族みんなが早起きしてつくってくれたわ」とマヘーマーさんも懐かしむ。 日常的に食べると同時に、ハレの日の料理でもあるなんて本当に愛されている。

いよいよスープづくりだ。 まず具材を炒めるため、熱した鍋に油を……底に2センチ溜まるくらいなみなみと投入。 驚いて「入れすぎでは?」と聞くと、「ミャンマー料理は油をたっぷり使うのが基本なんですよ」とのこと。 料理とともに食材のうま味が染みこんだ油が美味だとされる文化があるらしい。

郷土料理ー2

ミャンマー料理

米が主食に据えられ、1,2種類の副菜を添えて大量の米を食べるのが基本的なビルマ族の食事スタイルである。 後述するシャン米、もち米も食べられているが、ミャンマーの食卓にはインディカ米が上ることが多い。 都市部では朝食を外食で済ませることも珍しくなく、屋台や軽食堂では米以外にモヒンガーオンノ・カウスェーといった麺類、ナン油条といったインド系や中華系の軽食も食べられている。

一方昼食と夕食には米が欠かせず、米と副菜を一緒に食べるのが一般的なミャンマーの食卓のスタイルである。

副菜は、日本では便宜上カレーと称されることもある「ヒン」という煮込み料理が中心であり、ヒンは「おかず」「副菜」の同義語としても使われる。 タマネギをベースとして煮込み、具は家畜の肉と内臓、魚介類、野菜であり、調味料は具に応じて使い分けられる。 その種類は、煮込み時間によって水気の多いシーレー・イェーレー、水気が無くなるまで煮込んだシービャン(スィービャン)の2つに大別される。

どちらも多量の油を使って青トウガラシを多用しない点に特徴があり、スパイスの種類は限られる。 インド風のヒンは「カラーヒン」と呼ばれ、スパイスの種類が多いのが特徴である。 ミャンマー内での健康に対する関心の高まりから油の使用を抑える傾向もあるが、なお多くの油が料理に使われている。

油分の多いヒンに対してスープや和え物には野菜が多く使われ、淡白な味付けの料理が多い。 富裕層では朝昼夜の三食で様々な種類の副菜が米に添えられる。 中流層では朝は一菜、昼は一汁二菜、夕食は二菜となり、農民は三食全て一菜という構成が常態となっている。

郷土料理ー3

 === 続く ===

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