民族のソウル・フード探訪 =108=

◇◆ 世界魂食紀行 ソウルフード巡礼の旅   ◇◆

【“NATIONA GEOGRAPHIC/日本語版(文=中川明紀・編集者)”に追記補講】

長寿大国グルジア、その秘訣は食にあり? = 3/3 = ★

​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​郷土料理ー1

「ハチャプリ!」

視線の先を見ると、長さ40センチ、厚さ3~4センチほどある、舟のようなかたちをした大きなパンがあった。 上にチーズと半熟卵が載っている。 その横にも手の平くらいの大きさの三角形のパン。 ツィスマリさん曰く、「ハチョ」がチーズ、「プリ」が小麦粉でつくったものという意味。 つまり、「チーズパン」ということか。見た目にはそんなに喜ぶほど変わったものには見えないが……。

「日常に食べるパンとは違います。 パーティーやニューイヤー、それから親戚が来るときのおもてなしなど、みんなで集まるときに食べるもので、パンというよりメイン料理の感覚。 だって、ハチャプリの生地にはマツォーニが練りこんであるんです。そこにカッテージチーズなどのチーズを入れて、バターを塗る。 最高の料理です」

なんと、乳製品てんこ盛りの逸品だった。日 本は小麦粉が違うし、マツォーニも希少。 チーズも高いので個人的につくるのが難しく、久々に食べるのだというツィスマリさん。 口にいれるやいなや「おいしい!幸せー!!」と喜ぶ。

彼女に続いて、私もいただいた。 口に入れた瞬間、乳製品の香りがふわーっと広がる。 生地はふんわりもちもちで、チーズの塩気がほどよい。 メイン料理というのもうなずける味わいとボリュームだ。

「同じハチャプリでも地方によってぜんぜん違うんですよ。 舟のかたちのハチャプリはグルジア南西部のアジャラ自治共和国のもの。 黒海に面したバトゥミというリゾート地には専門店もあって、行くと必ず食べます。三角のハチャプリは実家がトビリシに移るまで住んでいた東側のカヘティ地方のものだし、西側の地域では丸くした生地にチーズを載せて卵で照りをつけます」

チーズも地方によって味も種類も異なるので、地方色の色濃く出る食べ物なのだという。 もちろんレストランでも食べられるので食べ比べもおもしろそうだが、ツィスマリさんが求めるのはやっぱりお母さんがつくるハチャプリ。

「私が里帰りをすると、ドアを開けたら『つくっておいたよ』とハチャプリを持って迎えてくれるんです。 それが最高にうれしい」

ツィスマリさんの話を聞きながら、気づけば大きなハチャプリを半分くらい食べていた。 ハチャプリは家族や親戚とみんなでつくるのも楽しみの一つだという。 ワイワイと話しながらつくり、食べる光景が浮かぶ。 そんなグルジアの食卓を少しだけ味わえた気がした。

郷土料理ー2

グルジア料理

様々な民族の侵入・支配が繰り返された歴史をもつグルジアは、食文化にもその影響を強く受けている。例えば、西グルジアはトルコ料理、東グルジアはイラン料理の影響が強く、またモンゴル帝国支配下時代やソヴィエト時代に伝わったと思われる料理も存在している。

西グルジア地域と東グルジア地域の特徴を対比すれば下記のごとく一般化できる。

西グルジア料理 ;トルコ料理の影響、とうもろこし粉のパン(チャディ)が一般的、鳥、七面鳥の肉を好む、薄味のチーズを好む。

東グルジア料理 ;イラン料理の影響、小麦粉のパンが一般的、牛肉、羊肉を好む、塩味のチーズを好む。

グルジアは長寿の国としても知られており、長寿の秘訣の一つとされるヨーグルト「マツォニ」は日本では健康食品のカスピ海ヨーグルトして知られている。
また、グルジア料理の独特の調理法が長寿の秘訣とも言われている。 例えば、「ハシュラマ」という料理では肉を鍋で長時間煮込むため、余分な脂肪を取りすぎないでよい食事となっている。

そして、味付けには栄養素の高いプルーンで作られたソースや多種の香辛料を使用するため、塩分を取りすぎになることもない。
気候的に恵まれている土地柄、野菜・果物不足に困ることがなく、常にバランスの良い食事が取れることが長寿につながっている理由と考えられている。

郷土料理ー3

 === 続く ===

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