民族のソウル・フード探訪 =109=

◇◆ 世界魂食紀行 ソウルフード巡礼の旅   ◇◆

【“NATIONA GEOGRAPHIC/日本語版(文=中川明紀・編集者)”に追記補講】  9p見だし⑤グレー色

まるでおにぎり?マレーシアの定番朝ごはん = 1/3 = ★

​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​郷土料理ー1

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 この日、神奈川県横浜市を訪れた私と編集Tさんは、2つ、3つと続く急な坂道を上っていた。「まだあるの……」と言葉は減り、息が荒くなるばかりの運動不足な女子2名。 しかし、「がんばろう、美味しい料理が待っている」と互いを励ましながら歩を進める。 坂の上に建つ建物で、ある国のソウルフードを食べる予定なのだ。

数週間前に、「おもしろいサイトを見つけました」とTさんが連絡をしてきた。 「世界の家庭料理を旅しよう」というコンセプトのもと、手づくりの料理を通じて世界各国の人と人をつなぐ「KitchHike(キッチハイク)」というマッチングコミュニティサイトである。 さっそくサイトを開くとずらりと並ぶ各国の料理と登録者(料理をする人)のプロフィール。この中から食べたい料理を選ぶと登録者と連絡が取れ、手づくり料理を一緒に食べるという仕組みで、かかるのは料理の費用だけのようだ。

料理だけでなく外国の人たちとの会話も楽しめるのは画期的だなと、アメリカやイタリア、トルコなど登録されたさまざまな国の料理を眺めていると、気になる料理があった。 以前、この国の観光協会の人に「朝ごはんの定番。 毎日食べる欠かせない国民的な料理」だと聞いたからだ。 そこでコンタクトを取り、Tさんと伺うことにしたのである。

坂の上に建っていたのは築50年くらいの団地のような建物。ある会社の社宅をリノベーションした大型のシェアハウスで、外観は年季が入っているが、食堂だろうかガラス張りの共用ルームにはモダンなインテリアが置かれていてオシャレな雰囲気が漂っている。

「こんにちは」と声をかけてくれたのが、このシェアハウスに住むアマンダ・フイ・フイ・ヤップさん。 笑顔の愛らしいマレーシア人だ。 料理をつくるのが大好きで、キッチハイクは友人に紹介してもらったという。  「ほとんど準備はできていますよ」とアマンダさんは共同のキッチンに案内してくれた。 キッチンには惣菜や調味料が並び、火にかけられた鍋はグツグツと音を立てている。

「あとは盛り付ければナシレマッの完成です」

そうそう、ナシレマッ。マレーシアの定番朝ごはん。ナシはライス、レマッは油を意味するらしい。 「ライスをココナッツミルクで炊くんです。 このココナッツライスが料理のメイン。ココナッツミルクは油分が多いのでそう呼ばれているんです」 アマンダさんはそう言って、炊きたてのココナッツライスを持ってきた。

ふわりと甘いココナッツの香りが漂ってくる。粘り気のある日本の米をココナッツミルクで炊くとすごく油っぽくなるため、使用しているのはパラパラとしたタイ米(インディカ米)だという。

「このライスにサンバル、ゆで卵、キュウリ、ピーナッツを添えるのがナシレマッの基本です」とアマンダさん。 「サンバルって?」と尋ねると、マレーシアでよく使われている辛味調味料とのこと。  唐辛子に発酵させた魚やニンニクなどを混ぜてつくるもので、ナシレマッにはサンバルに煮干しやイカ、タマネギなどを和えて添えることが多いらしい。

「あとはお好みで総菜や料理を付けます。今日は私の好きなチキンカレーとタフバカ。  タフバカは焼いた厚揚げにキュウリやニンジンなどの野菜を挟み、ピーナッツソースなどをかけて食べるんですよ」と説明しながら、アマンダさんは皿にきれいに盛り付けていく。

郷土料理ー2

マレーシア料理はマレーシアで食べられている郷土料理であることは言うまでもないが、主にマレー系、中国系、インド系など、マレーシアの各民族それぞれに独自の料理があるが、他民族の食材や調理法から影響を受けて融合した料理も多く、マレーシアの多文化的要素の反映となっている。

マレーシアの国民は、60%弱を占めるマレー系、約30%を占める中国系、約10%を占めるインド系と少数の原住民族と各国からの諸民族から構成されている。 マレー系の多くはイスラム教徒であり、豚肉を始め、ハラールでない食材を食べず、酒を飲まない食のタブーがある。 インド系は主に南インド出身のヒンドゥー教信者が多く、他にシーク教の信者などがあり、中国系は福建省広東省潮州系、客家系を含む)、海南省にルーツを持つ人が多い。 また、仏教徒の中には、牛肉を食べない人も少なくない。

このように各民族が信じる宗教によって異なる食のタブーがあることから、多民族から構成される会社の食堂や宴会の食材では鶏肉、魚介類、野菜などに限って出されることも多く、そういう料理を出すレストランもある。 マレー系とインド系は右手で直接食べる習慣があり、中国系は主に箸を使うが、各民族が共通する場ではフォークとスプーンで食べることが多い。

また、調理する食材は同じでも、民族によって、あるいは地域によって違なる調理法や調味料が用いられ、それにより異なる風味や盛り付けとなり、多様な料理となっている。

郷土料理ー3

 === 続く ===

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